新病院では12 床で運用しています。院内での重症患者の治療・ケアを集中的に行います。具体的には、心筋梗塞や心不全などの循環器疾患、肺炎・COPD ・呼吸不全などの呼吸器疾患、血液透析を必要とするような腎臓疾患、消化管出血などの消化器疾患をはじめとして、敗血症、ARDS(急性呼吸窮迫症候群)、DIC(播種性血管内凝固症候群)、心肺停止蘇生後などの重症病態に対して、各科の垣根を越えて、患者様の救命とその後の社会復帰に全力をあげて取り組みます。
とくに循環器領域、人工呼吸器管理、急性血液浄化療法を重点においています。循環器領域では、急性冠症候群や急性心不全の診断・治療として、肺動脈カテーテルでのモニタリングやIABP、PCPSの管理を積極的に行います。人工呼吸器装着患者については、RST(呼吸サポートチーム)を立ち上げ、連日ウイーニングを施行し早期に呼吸器を離脱できるように、またVAP(人工呼吸器関連肺炎)を減少できるように努力します。急性血液浄化療法では、人工透析患者の緊急対応をはじめ、緊急の血液浄化施行、敗血症時のPMX-DHP、non-renalindicationとしてのCHDFの準備があるほか、神経難病(多発性硬化症など)の血漿交換の経験も数多くあります。
また、全身麻酔の術後については、術後合併症がおこりうる可能性のある患者様に対して、術直後の集中治療・管理を引き受けています。
医師、看護師、薬剤師、臨床工学技士、理学・作業療法士、言語聴覚士、事務がチームとなって患者様の回復にむけたカンファレンスを毎週開催し、多方面から全人的に患者様を支える体制を作っています。また、M&M(motality & mobidity)カンファレンスや倫理カンファレンスにて、現在の治療・ケアの内容を見直す機会を設けています。
院内急性期医療の牽引役として、院内スタッフに、HCUで行われている医療を理解していただくとともに、一般病棟への転床がスムーズに展開されるように知識・技術の共有化を行います。
患者様4人に対して1人の看護師が配置されており、よりハートフルな看護が提供できると思います。病態管理・治療についても、世界標準の医療を提供できるように、医師個人の能力の標準化を図っていきたいと思います。ハートフルかつハイクオリティなケアの提供を常に模索し続けていきます。
われわれは、地域の方々により健康な生活を送っていただけるように、京都民医連中央病院の近くに住んでいて良かったと言っていただけるように、あらゆる努力を惜しみません。笑顔でHCUを退室されるその日まで、病気とたたかう患者様のそばに常に寄り添い、ともにたたかい、かなしみ・喜びを分かち合うことのできる医療をめざします。
地域の救命率の向上を目標に、地域の先生方から信頼いただき、安心して患者様を紹介いただけるようこれからも一歩ずつ歩んでいく所存です。
どうぞよろしくお願いいたします。
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氏名 | 井上 賀元 |
役職 | 集中治療科科長・総合内科科長・初期研修プログラム責任者・病棟医長・医療マネジメント部部長 | |||||||||||||||||||||||||
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学歴 | 平成13年・滋賀医科大学卒 | 専門 | 総合内科・腎臓内科 / 血液浄化・血液内科 | ||||||||||||||||||||||||||
学会 資格 |
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