公益社団法人 京都保険会 京都民医連中央病院

検索

 

ホーム > 診療科目/体制 > 診療科目 > 泌尿器科

泌尿器科

方針・理念・目的

日本泌尿器科学会専門医教育施設

方針・理念・目的

 

医師紹介

氏名

岩田 健

役職 泌尿器科科長
学歴 平成8年・京都府立医科大学卒
医学博士
専門  
学会
資格
所属学会 資格
日本泌尿器科学会 専門医・指導医
日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会 泌尿器腹腔鏡技術認定医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
日本排尿機能学会 排尿機能専門医
日本超音波医学会  
日本内視鏡外科学会  
日本癌治療学会  
日本泌尿器腫瘍学会  
氏名 澤田 大輔 役職  
学歴 平成27年・京都府立医科大学卒 専門  
学会
資格
所属学会 資格
日本泌尿器学会  
日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会  
日本透析医学会  

 

外来診療体制

 

治療方針や対象疾患

泌尿器科の担当領域

泌尿器科は尿路(腎臓、尿管、膀胱、尿道)、内分泌臓器(副腎)、男性生殖器(前立腺、精巣、陰茎など)を担当しております。排尿障害など、主にQOLに関わる疾患から、悪性腫瘍などの生命に関わる疾患まで幅広くあります。
下記に代表的な疾患の治療方針を示します。入院日数については、合併症などがない場合の日数を示しております。

過活動膀胱

急に強い尿意を催し、我慢が難しい状態を尿意切迫感といいます。過活動膀胱では尿意切迫感を主症状とし、場合によっては尿失禁も伴います。生活指導と薬物療法が治療の主体となりますが、それでも治らない場合は、当院では干渉低周波療法(ウロマスター)(図1)、ボツリヌス療法(図2)を行っております。干渉低周波療法は外来通院で可能であり、1 回の治療時間は20分程度です。ボツリヌス療法ではボツリヌストキシンと呼ばれる注射薬を膀胱の筋肉に注入することにより膀胱の異常な収縮を抑えます。



図1 過活動膀胱患者に対する干渉低周波治療装置(ウロマスター)

 


図2 過活動膀胱患者に対するボツリヌス療法

 

前立腺肥大症

前立腺が大きくなり、頻尿や排尿困難などの症状を引き起こした状態をいいます。まずは薬物療法が行われますが、排尿困難の改善が乏しい場合は、手術療法を行います。当院で実施できる手術は内視鏡手術(経尿道的前立腺切除術)と開腹手術(前立腺被膜下摘除術)になります。

尿路結石

尿路結石とは尿路(腎臓、尿管、膀胱)にできる結石であります。自然排石しない結石に対しては、体外衝撃波結石破砕術や内視鏡手術の適応となります。
体外衝撃波結石破砕術とは、体の外から衝撃波を結石にめがけてあてる方法であります。当院には設備がなく、施行しておりません。
内視鏡手術は3泊4日の日程で行っております。当院では2018年にホルミウムYAGレーザー(Sphinx jr®)と尿管ファイバー(OLYMPUS URF-P7)を購入し、腎結石に対しても内視鏡手術を行うことが可能になりました。

前立腺癌

当院では前立腺生検をより高い精度で行うため、2021年10月よりMRI/超音波融合画像ガイド下前立腺生検システムであるトリニティを導入しました。
従来の前立腺生検は超音波画像で前立腺を観察し、MRIで指摘された標的病変(癌が疑われる部位)を頭の中でイメージし、超音波画像上で病変を探し出して生検を行ってきました。超音波画像上で病変がはっきり同定できれば問題ありませんが、MRIでは同定できても超音波では見えないという事も多くあり、そのような場合はおおよその場所に狙いをつけて生検を行ってきました。しかし、このMRI/超音波融合画像ガイド下生検ではMRI画像を事前にコンピューターに取り込むことにより、MRI画像上での標的病変を超音波画像上にリアルタイムに描出することができ、確実に標的病変を狙い撃ちすることが可能になりました。そのため、癌病巣の検出率が向上し、かつ前立腺内のどの部位に癌が存在するかという局在診断も可能となります。
近年、患者様が増え続けている早期前立腺癌に対する治療法は多岐にわたりますが、個々の患者様に適切な治療法を提供するためにも、正確な癌診断および局在診断は重要であると考えています。
当院ではこのMRI/超音波融合画像ガイド下生検を経会陰的に施行しております。原則1泊2日の入院で下半身麻酔下にて行っております。所要時間は麻酔も含めて1時間30分程度です。
標的病変が小さい、標的病変が前立腺腹側に存在する、などの理由で生検が困難と思われる患者様もこのMRI/超音波融合画像ガイド下生検により正確に組織採取・診断が可能となります。
前立腺癌の治療方法は、手術療法、放射線療法、内分泌療法の3つが大きな柱です。手術療法や放射線療法が適応の場合は、それらが実施できる施設に紹介させていただいております。
内分泌療法は当院でも可能です。内分泌療法に効果がなくなった状態を去勢抵抗性前立腺癌といいますが、それらに対する抗癌剤療法や新規抗アンドロゲン剤を使用した治療は当院でも実施しております。


図3 MRIと超音波画像を融合して作成された3D画像。標的病変はオレンジ色、採取した生検針の軌跡が示されている。

図4 生検を施行している際の超音波画像。標的病変がオレンジで示されている。

膀胱癌

早期癌の場合は、3泊4日の日程で内視鏡手術(経尿道的膀胱腫瘍切除術)を行なっております。癌細胞の悪性度によって、術後に膀胱内に薬物を注入する治療を外来で行なっております。進行癌の場合は、膀胱全摘除術が適応になります。膀胱全摘除術には尿路変向術が必要です。尿路変向術には尿管皮膚瘻造設術、回腸導管造設術、腸管を利用した代用膀胱造設術があります。転移を認める場合は、抗癌剤や免疫チェックポイント阻害剤を使用した治療が行われます。

腎盂尿管癌

腎盂および尿管にできる悪性腫瘍であり、腎と尿管を同時に摘出する腎尿管全摘除術が標準的な治療方法となってきます。当院では主に腹腔鏡手術を行っております。

腎癌

手術療法が主な治療方法となりますが、当院では腹腔鏡下腎摘除術を行っております。腫瘍のサイズが大きい場合は、開腹手術となることもあります。
転移を伴う症例においては、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤を使用した治療を行うことになります。

 

■過去の実績 ( )は腹腔鏡手術

病名 術式 2018 2019 2020 2021 2022 2023
腎癌 腎摘除術 1 1(1) 1(1) 6(6) 6(6) 3(3)
腎盂尿管癌 腎尿管全摘除術 1(1) 2(2) 2(2) 4(4) 4(4) 4(4)
膀胱癌 経尿道的膀胱悪性腫瘍手術 36 46 62 58 66 56
膀胱癌 膀胱全摘除術 0 1 1 1 2 1
前立腺癌 前立腺全摘除術 0 0 0 0 0 0
尿路結石 経尿道的尿路結石除去術 28 32 54 78 50 38
尿路結石 経皮的尿路結石除去術 0 1 3 2 1 0
前立腺肥大症 経尿道的前立腺切除術 9 7 17 9 9 14
前立腺癌の疑い 前立腺生検 51 56 60 99 168 108
過活動膀胱 ボツリヌス注入 - - 8 5 5 9

 

 

ページの先頭へ