公益社団法人 京都保険会 京都民医連中央病院

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臨床工学課

臨床工学課紹介

臨床工学技士は、医療機器の専門職です。医療機関において、医師や看護師など各種の医療スタッフとチームを組んで生命維持装置の操作などを担当しています。また、医療機器がいつでも安全に使用できるように保守・点検を行い、医療機器を利用する医療の安全性確保と有効性維持に貢献しています。
当院には24名の臨床工学技士が在籍し(2024年4月現在)、維持透析・各種血液浄化・心血管カテーテル・消化器内視鏡・人工呼吸器管理・医療機器管理などの業務を通じて、チーム医療に貢献しています。休日や夜間でも対応できるように、オンコール体制を24時間取っています。日々進歩する医療機器を安全かつ有効に使用できるよう、学会や研修会へ積極的に参加するように心がけ、院内での勉強会を定期的に開催しています。
当院ではワークライフバランスに配慮した勤務となっており、1日の就労時間は8時間30分(休憩1時間を含む)で残業は少なく、働きやすい職場環境です。スキルアップや認定資格の取得など、各職員が設定した目標に向かうことができるようサポートする体制を整えています。  

認定資格等

 

業務紹介


ME機器管理業務

当院ではME機器管理システム「MEister」を利用して、ME機器の中央管理を実施しています。MEisterに登録してある主な保守・点検の対象機器には、

などがあります。透析装置や輸液ポンプ・シリンジポンプは、メーカーで実施される講習を受けて、院内で消耗品の交換や修理を実施しています。

 

 

人工呼吸器管理業務

人工呼吸器管理業務では毎日病棟を巡回して、安全に人工呼吸器が使用されているか確認・記録をしています。呼吸サポートチーム(Respiratory Support Team: RST)にも参加しています。保有している人工呼吸器は下記の通りですが、不足時にはSavina 300をレンタルしています。また、人工呼吸器を装着したまま在宅管理へ移行する患者様にはASTRALを使用しています。非侵襲的陽圧換気(Non-invasive Positive Pressure Ventilation: NPPV)には、基本的にTrilogyを使用しています。

 

透析業務

2019年11月の病院移転を機に、透析装置を65台に増設しました。2024年3月現在、当院の腎センターでの患者様は血液透析で約200名、腹膜透析で約40名となっています。透析液清浄化にも力を入れ、On-line HDFを約120名の患者様に実施しています。当院では、月水金は午前・午後・夜間の3クール、火木土は午前・午後の2クールで血液透析を行う体制を取っています。
臨床工学技士は、シャントへの穿刺・バイタルサインの測定・薬剤準備・透析装置の保守管理・情報管理など、医師や看護師などと協働しながら幅広く業務を行っています。腎センターではバスキュラーアクセスチーム・栄養サポートチーム・フットケアチーム・認知症チーム・On-line HDFチームなどの各種のチーム活動が行われ、担当者を決めて活動に当たっています。その他にも、ポータブルエコー機・フィラピー(遠赤外光線療法)・ドップラー血流計などの装置を保有して、穿刺困難な患者様へのエコー下穿刺や患者管理に取り組んでいます。

また、透析だけでなく、腎センターではASOに対するLDL吸着(レオカーナ)や潰瘍性大腸炎に対する血球除去療法(アダカラム)、自己免疫性疾患に対する免疫吸着療法や血漿交換を実施しています。

 

HCU業務

HCU(High Care Unit)は準集中治療管理室とも言われ、集中治療室ICU(Intensive Care Unit)と一般病棟の中間に位置する病棟とされています。当院のHCUにはベッド数が12床あります。
HCUには透析装置が5台・血液浄化装置(TR-2020)が2台・人工呼吸器が12台あります。臨床工学技士は、それら生命維持管理装置の操作や管理を行っています。重症患者様の血液透析やCHDF(持続的血液濾過透析)はHCUで行っており、24時間いつでも対応できるようにオンコール体制を取っています。

 

 

消化器内視鏡業務

当院の臨床工学技士は、月曜日・木曜日・金曜日の午前に消化器内視鏡業務に入っています。現在は胃カメラ検査を中心に業務をしていますが、当院では内視鏡による胃瘻造設・胃や大腸のポリープ切除・消化管出血に対する止血術・胆道系の結石や胆膵悪性腫瘍に対する処置などの他、カプセル内視鏡検査も実施しています。

 

 

カテーテル検査・治療業務

臨床工学技士は、主にデバイスの準備・ポリグラフの操作と監視・IVUSやFFRなどの計測を担当しています。バルーンカテーテルやステントなどのデバイスの選択は、医師と相談しながら行っています。清潔操作を担当することもあり、熟練したスタッフは医師の助手としてインデフレーターの操作を行っています。
緊急でカテーテル検査・治療が必要な患者様への対応も行っており、重症症例におけるIABPやPCPSといった補助循環装置の準備および操作を担当しています。臨床工学課では、祝日を除いた月曜日~金曜日まで毎日24時間のオンコール体制を取っており、夜間でも緊急対応を行っています。

 

 

教育

新入職員に対しては、教育の状況を把握するために教育担当者を配置して計画的に指導を実施しています。新入職員が可能な業務の範囲を徐々に広げることができるよう、教育担当者は丁寧に指導を行い、何でも相談できる雰囲気作りを心掛けています。臨床工学課では心理的安全性を重視し、目標達成への意欲が高く、意見の対立があっても恐れずに発言でき、学び合うことができる組織づくりを目指しています。
また、京都民医連中央病院 教育研修要項に基づいた研修に積極的に参加することで、医療安全・接遇・感染対策・コミュニケーション技術・マネジメント理論などを学ぶことができ、地域医療を担う医療人の育成を目指しています。臨床工学技士として必要な医療機器メーカー主催の保守点検に関する研修にも参加して戴きます。