公益社団法人 京都保険会 京都民医連中央病院

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指導医の風景

2020年7月7日火曜日

【まとめ】当直のシステムとか、生の声をお届けします【再載】

今回は病院公式情報では伝わりにくい、当直体制をご紹介します!
一晩の当直は、以下の4人体制。

  • 内科救急当直
  • 内科病棟当直:緩和ケア病棟、包括ケア病棟なども担当
  • 外科当直:救急病棟両方
  • 産婦人科当直

当直ではないですが、外線で相談できる消化器当番、循環器当番、透析当番、小児科当番、整形当番、精神科当番、緩和ケア当番があります。神経はありません。日によって救急当番に研修医が入る時と入らない時があって、研修医がいるときは彼らが最初に対応します。

内科でいうと、若い世代が救急当直にあたるとかではなく、救急当直、病棟当直両方あたります。1か月で3回前後です。

睡眠時間は日によって変わります。一睡もとれない日はほとんどないけど、荒れた時は1時間程度、平和な夜は6時間という日もあります。その中間くらいが平均的だと思います。救急は21時くらいまではかなり混みます。なので、人数に余裕があれば、21時までの当直、21時から翌朝の当直と分けています。

夕食と朝食はつきます。

当直明けは12時45分まで。自分の担当患者さんをみて終わりです。明確なルールがあるわけではないですが、みんなで協力しあって当直明けは当番などが極力あたらないようにしています。


2020年7月6日月曜日

専攻医教育の取り組み—フィードバックと成長

本日は初期研修を離れて、その上の専攻医(卒後3〜5年目の医師)の指導の話。
京都民医連では、年3,4回のペースで全診療科の専攻医を集めてのセミナーを行っています。今年のテーマは、「専攻医に役立つFD(Faculty Development)」ということで、初期研修医への指導などの場面で活かせるノウハウやその背景にある考え方を学んでもらっています。
このセミナーでは、事前に知識ベースの動画を見てもらい、その内容を踏まえて当日により実践的な内容を扱う反転授業形式を採用しています。初めの頃は動画視聴がなかなか定着しなかったのですが、今では殆どの専攻医が事前に確認してくれています。反転授業自体はその効果が確立しているとは言い難い(1のですが、その分用意する側の創意工夫の余地があります。今回は、COVID-19の影響で、Zoomでのオンラインセミナーを初めて試みました。多少時間を超過した程度で大きなトラブルなく終えられたことも収穫です。
今回は、「フィードバックと成長」というテーマで、継続学習のために仲間どうしで建設的なフィードバックを行えるようになることを目指しました(同僚に対する教育行為の効果に関しても興味深いレビューがあります(2)。事前の動画でそのマインドセットとして、ノールズの自己主導型学習(3やショーンの省察的実践(4の概念を紹介し、当日の演習として以前に触れたSNAPPS法(5の練習を行いました。専攻医たちが試行錯誤しながらお互いフィードバックし合う空気は非常に心地よかったです。年数を重ねれば重ねるほどフィードバックを受けにくくなる(それまでの体験がある意味成功体験として固着してしまうのと、ポジションが上がれば建設的フィードバックを受ける機会が減る)ので、この若い世代に生涯にわたるフィードバックを積み上げての成長マインドを涵養することには大きな意味があると考えています(6
もう一つの内容として、これまで受けた教育機会を振り返り皆で共有するグループディスカッションを行っています。これについては事前課題でコルブの経験的学習(7やメジローの変容的学習(8の概念を紹介し(1回のセミナーでノールズ、ショーン、コルブ、メジローって・・・飛ばしすぎたかな)、今につながっている過去の経験を振り返ってもらい、今後の成長への糧としてもらうことを目指しました。グループによっては第一感教育とは結びつきにくい、しかし非常に深いところでつながっている自己変容について盛り上がったところもあったようです。
まずまずの盛況で終えることが出来、専攻医たちのモチベーションも上がってきたところで、3ヶ月後の第2回は「やってみよう反転授業」という企画を構想中です。またここでアップ出来ればと思います。

 

参考文献
1) King AM, et al. Flippin the classroom in graduate medical education: A systematic review. J Grad Med Educ. 2019; 11(1): 18-29.
2) Tai J, et al. Same-level peer-assisted learning in medical clinical placements: A narrative systematic review. Med Educ. 2016; 50(4): 469-484.
3) マルカム・ノールズ. 学習者と教育者のための自己主導型学習ガイド ともに創る学習のすすめ. 明石書店, 東京, 2011.
4) ドナルド・A. ショーン.省察的実践とは何か—プロフェッショナルの行為と思考. 鳳書房, 2007.
5) Wolpam TM et al. SNAPPS: a learner-centered model for outpatient education. Acad Med. 2003; 78(9): 893-8.
6) Ramani S, et al. Twelve tips to promote a feedback culture with a growth mind-set: Swinging the feedback pendulum from recipes to relationships. Med Teach. 2019; 41(6): 625-631.
7) Kolb DA. Experiential learning: Experience as the source of learning and development. 2nd edition. Pearson FT Press, 2014.
8) Mezirow J, and Taylor EW. Transformative learning in practice: Insights from community, workplace, and higher education. Jossey-Bass, 2009.


2020年7月1日水曜日

若い人の腹痛には、急性虫垂炎を鑑別診断の2番目以降には降ろすな。

24歳のへそ周囲痛が来院。確かに右下腹部痛はなく、McBurney圧痛点もLanz圧痛点も陰性で、Alveradoスコアも5点と低かった。CTでは、回盲部から肝臓下端にまで達するほどの長さでまっすぐに直立したような格好の虫垂の腫大あり。振り返りでは「急性虫垂炎のイメージが変わった…」と。非典型的なところが典型的。とにかく、若い人の腹痛には、急性虫垂炎を鑑別診断の2番目以降には降ろすな。これが言いたい。


2020年6月30日火曜日

【まとめ】勉強会、カンファは十分にあるの?かと言って多すぎたりしない?

今回は、病院公式情報では伝わりにくい、研修医が関わる勉強会をまとめました。

総合内科カンファレンス

月曜 11:00〜12:00
木曜 11:00〜12:00
研修医は担当している患者さんのプレゼンをします。初回の患者さんはフルで、2回目以降は短縮しています。研修医1人あたり20分程度。

症例検討会

月曜 12:30〜13:30
水曜 12:30〜13:30
金曜 12:30〜13:30
1回あたり当番の研修医が1人、救急で見たか担当している患者を発表します。

臨床推論

木曜 12:30〜13:30

心電図

火曜 12:30〜13:30

呼吸器レクチャー

不定期、1回あたり20分
レントゲン、肺炎、喘息、胸水、人工呼吸器など、テーマに沿ってレクチャーをしています。


2020年6月18日木曜日

当直室紹介

当直明けでございます。前回はかなり荒れたけど、今日はここ数カ月で一番平和だったんじゃないかな。
さて、当直といえば、気になる当直室。

2019年に移転されたばかりなので、部屋自体はきれい。この部屋は窓があるのですが、窓がない部屋もあります。部屋にテレビはなし。パソコンは備え付けではないですが、どちみちノートパソコンがレンタルできます。当直室が離れすぎててPHSの電波が入らないとかはないですw


2020年6月16日火曜日

京都民医連中央病院のアピールポイント②

駅から歩くと15分程度。移転の時は、駅前の駐輪場借りようかなとか思っていたですが、その必要も結局なかったです。

なんと、病院が職員用のシャトルバスを出してくれています!

通勤の時間帯は15分に1回程度、それ以外は1時間に1回程度。当直明けの時はタイミングが合わずに歩くことが多いです。当直明けの時はそこまで混んでなくて、満員で乗れないことはまずないです。

駅から病院まで歩けないほどでもない地味な距離なのに、わざわざ出していただけてありがてぇ。


2020年6月12日金曜日

京都民医連のアピールポイント

これは結構な長所だと思うんですが、医者の事務仕事はかなり少ない方だと思います。DPCはもちろん、生命保険の書類とか、外来患者の返書とかも事務の方々がやってくれます。記入済みの書類がレターケースに入れられて、OKだったらチェックボックスにチェック☑を入れます。まったく、事務の方々に感謝です!


2020年6月10日水曜日

手作りの温かみ

新型コロナ流行のため、いろんな物資が足りてません。令和の大飢饉です。マスクもねぇ、ゴーグルもねぇ、ガウンもそんなに着られねぇ。まさに、おらこんな村いやだ状態。いっそ、このサイトのURLも「corona_shibaku.com」にしようかな。

そう、感染防護のガウンもゴミ袋で作った手作りです。工場で作られたちゃんとしたやつも、まだあるにはあるのですが、使うことに罪悪感を感じちゃう。おなじ環境のところもきっと多いでしょう。虚しくなる方、逆に笑けてくる方、いますよねぇ。

でもね、想像してみて下さい。工業用ロボットがコンベアで作っているのと違って、院内の誰かがせっせと作ってくれているんですよ。もはや手編みのマフラーです。

手作りの温かみを感じながら内視鏡を握る、春の日。


2020年6月2日水曜日

次々と当直デビュー

1年目研修医がゴールデンウイーク明けから、次々と当直デビューを果たした。

当院の初期研修医は、必ず上級医とともに当直を行う。はじめのうちは、上級医のシャドウイングとなるが、救急初期評価は積極的に行っている。

初期評価やその後の対応については、翌日の昼のERカンファレンスで振り返りを行う。できなかったことを締め上げるカンファレンスではない。ERの中で様々な思いとともに当直をおこなったその経験を、その時の感情とともにそのまんまプレゼンテーションいただく。初期ABC/バイタルサインはどう評価し、処置は何をしたか、鑑別診断として何を考えていたか、そのために何を問診し、どういった身体所見を取る必要があったか、について研修医の行動そして感情についての振り返りが中心だ。

今日のカンファレンスで印象的だったのは、転倒後動けなくなったという主訴の救急患者の下肢が「外旋・短縮」しているのをみて、大腿骨頸部骨折だ!と診断を早期閉鎖してしまったケース。実際は変形性股関節症に臼蓋形成不全も合併しており大腿骨頭がかなり変形していた慢性変化であった… 慌てて動けなくなった原因を全身疾患含めて再評価することに…


2020年5月29日金曜日

研修医の病状説明

当直の時は、研修医の最初の頃から病状説明もしてもらっています。自分が研修医の時は病状説明までしていなかったので、やらせておきながらすごいなぁとも思っています。

医者っていうのは、毎日10時間医学のことを考えるという生活を、何年も何十年も送っているので、一般的な言葉よりも専門用語が普通になってしまいます。だから患者さんへの説明も、気づかないうちに分かりにくい言葉になりがちです。もちろん、それは直さなければならないものなのですが。

一方、研修医は、自分よりもいくぶんか患者さんに近い。なので分かりやすく説明するのは上手なのかもしれませんが、それでも、「その説明分からんやろう」ってことはよくあります。

例えば、医療者のみなさんは「炎症」はどう表現してますか。個人的には、この言葉は患者さんに理解してもらえない単語上位にランクインしてると思っています。

自分の場合は、状況によって変えるのですが、例えば肺炎の血液検査でWBC、CRPが下がっているのなら、「炎症が治っている」ではなく、「肺炎の数字が良くなってる」とか、「バイ菌の数字が良くなってる」とか言ったりします。もちろん、絶対的な正解があるわけじゃないんですが。

医学的な知識は教科書を読めば勉強できます。こういう本に書いていないことは軽んじられがちだけど、こういうことこそ若いうちからしっかり教えとかないとなぁとか思ったりしてます。


2020年5月27日水曜日

ERの「点と線」

ER診療と病棟診療は大きく異なる。その第一は時間経過を味方につけられるかどうか。ER診療は高々数時間の滞在である。患者さんの病態の経過からするとほんの点でしかない。その一点を持って確実な診断を100%行うことは不可能である。点と点をつなぎ合わせて線にすると見えてくる病態も非常に多い。

今日の症例は、蜂窩織炎。ついでに、壊死性軟部組織感染症についてもみんなでお勉強した。痛みも一つのキーワードだが、紫斑や水疱といった皮膚所見やLRINEC scoreは進行例には役立つものの、初期診断としてはまだまだ…初期評価でscoreが低いといって除外してはいけない。そんな時は点を伸ばして線にする、つまり時間を味方につけて、数時間以内に急速に進展するかどうか、これは実臨床でも非常に有効である。急性心筋梗塞におけるトロポニンの時間をおった評価と同様である。


2020年5月25日月曜日

朝の隙間時間で・・・

当院では1年目研修医の先生方に、HCU病棟の動脈血ガス分析の検体採取をお願いしています。侵襲的な処置に慣れる大事な機会ではあるのですが、残念ながら勇んで出勤したはいいものの検査オーダーがなかったということもあります。

そうして暇を持て余している研修医を見かけ、朝の勉強会を始めました。医局の一角で長くても20分程度、成書の読み合わせを中心に行っています。ここでは2年目研修医や専攻医を指導者として、堅苦しくない雰囲気でお互いの知見を共有しつつ進めています。

内容は働く中で生まれた要望に応える形で、現在は身体所見についてのレクチャーです。

不定期開催でもあり1回1回でやれることは少ないですが、指導側としてはポイントを絞って話を伝える訓練にもなっています。研修医個々人の課題や業務量が増えてくると今の形で継続することは難しいかもしれませんが、当院での研修を選択していただいた先生方をできるだけ退屈させないよう、今後も工夫を重ねていきたいと思います。


2020年5月22日金曜日

1年目研修医 抄読会デビュー

本日は、内科系ローテートの1年目研修医の抄読会デビューでした。消化器内科ローテートの研修医が担当で、局所進行胃癌の腹腔鏡下切除の開腹術に対する非劣性試験1)を取り上げていました。どの程度準備しているのか注目していましたが、PICOを用いての定式化や非劣性試験、Kaplan-Meier法などを、1年目なりではありますが使いこなしてPowerPointで発表していました。5月のこの時期だけに、よくやっていると驚きました。

後で担当の研修医に話を聞くと、2年目研修医にこういう形式でやると良いと教えてもらったとのことです。この抄読会は、ここ数年ほど歴代の研修医から改善の要望が上がっていたのですが、研修医たちも自分たちでどうしたら良いのか懸命に考えてくれていたようです。こうしたところで、以前紹介した自己主導性が遺憾なく発揮されていますね。良い研修医に恵まれていると痛感するとともに、指導する側としても全力で応えようと思いを新たにしました。

 

1) Kim HH, et al. Effect of Laparoscopic Distal Gastrectomy vs Open Distal Gastrectomy on Long-term Survival Among Patients With Stage I Gastric Cancer: The KLASS-01 Randomized Clinical Trial. JAMA Oncol. 2019 Apr 1;5(4):506-513.


2020年5月21日木曜日

京都民医連中央病院で受けたカルチャーショック②

電カルの入ったパソコンが毎日(ほぼ)1人1台レンタルされるのがなかなか便利。

自前のパソコンに電カルソフトを入れる病院には行ったことあるけど、パソコン自体のレンタルは初めてです。


2020年5月19日火曜日

京都民医連中央病院で受けたカルチャーショック

医者への連絡手段といえば、昔はポケベル、今はPHS。

と思っていたら、入職後渡されたのはスマホでした。
今はほかの病院もそうなのでしょうか。
しかも、AQUOSスマホって無駄にいいやつw


2020年5月14日木曜日

初期研修における自己主導型学習のススメ

ここ数年ほど、初期研修医の教育に関わるウエイトが大きくなっているが、いかにモチベーションを上げるかが例年の課題である。残念ながら、当院のような中規模市中病院で指導医が何でも提供できるわけではなく、研修医たちに自ら学んでもらうことも非常に重要である。

成人学習における教育理論の一つに、自己主導型学習というものがある1)。マルカム・ノールズにより大きく発展した理論で、学習ニーズや到達目標、学習方法、その評価法について学習者が主導権を持って行うとされる。これと対置されるのが教師主導型学習といって、ここでは教師と生徒が「教え-教えられる」関係となり、生徒は受動的な立場となる。両者の学習の前提となる考え方を表に示す。個人的には、現在の医学知識のかつてなく速い増加とアップデートの必要性からは、中規模市中病院の現場で教師主導型学習で必要事項を教えきるのは極めて困難と考えている。

 

学習の前提となる考え方
項目 教師主導型学習 自己主導型学習
学習者の
自己概念
他者依存的な
パーソナリティ
徐々に自己主導的になっ
ていくパーソナリティ
学習者の経験の位置づけ 学習の中で活用すると言うより
学習のプロセスで築き上げるもの
学習のための豊富な
リソースとなるもの
学習への
レディネス
心身の成熟の度合いに
応じて、変化するもの
生活の課題や諸問題への取り
組みに応じて生じてくるもの
学習の志向性 教科内容の習得が
中心となる学習
課題・問題の解決に取り
組むことが中心となる学習
学習への
動機づけ
外的な報酬や罰 内的な刺激や好奇心

マルカム・ノールズ.学習者と教育者のための自己主導型学習ガイド ともに創る学習のすすめ-.明石書店,東京,2011,74.より

この自己主導的学習の態度を涵養するため、指導者に何が出来るか。一つには、課題・問題を継続的に、かつ解決可能な形で提示し続けることが挙げられるであろう。この際に参考となるのが、目標設定におけるSMARTの考え方である。これは、Specific(具体的に)、Measurable(計測可能な)、Achievable(達成可能な)、Relevant(関連性のある)、Time-bound(達成の期限つき)の頭文字をとったもので、医学教育のみならず他の業界の企業内教育などでも重要視されている。こうして、目標を一つ一つ達成していくと、1年もあれば別人のように成長してくれる。

また、自己主導性の涵養のためのマイクロスキルとして、日々のフィードバックを活用していくことも重要である。One-minute preceptor2)とかSNAPPS法3)と呼ばれるものが代表的で、一言で言えば学習者に自分の考えを述べてもらい、その後で指導者が議題に関する一般的なコメントを行い、うまく出来た点と改善すべき点を挙げ、自己学習のための課題を提示するものである。一度に要する時間は前者は文字通り1分、後者も5,6分であり、一度身につけてしまえばかなり効率よく継続学習の心構えを身につけてもらうことが出来る。常にこれを意識し続けるのは指導者にも大変で、かつ緊急を要する場合はこの余裕が無いこともあるが、専攻医クラスがこのスキルを日常的に活用出来るようになれば研修環境の向上につながるだろう。

 

参考文献
1) マルカム・ノールズ.学習者と教育者のための自己主導型学習ガイド ともに創る学習のすすめ-.明石書店,東京,2011
2) Neher JO et al. A five-step “microskills” model of clinical teaching. J Am Board Fam Pract. 1992; 5(4): 419-24
3) Wolpam TM et al. SNAPPS: a learner-centered model for outpatient education. Acad Med. 2003; 78(9): 893-8


2020年5月13日水曜日

はじめての骨髄穿刺

当院では、1年目の早くから手技を実践してもらう。See one, simulate many, do one、teach oneである。だから、一回見てもらえれば、あとは手技本(「研修医手技マニュアル第2版」を全員に配布している)とシミュレーターで十分準備していればすぐに機会は回ってくる。GWあけは早速骨髄穿刺だ。

手技の流れと合併症・その対処法がわかっていれば、別に2-3年目に施行しなくてはいけないことはない。緊張しているとは言っていたものの、落ち着いて、骨髄に到達する感覚、抜き取る骨髄量を体で感じていただいた。3回もすれば、teach one? 流石に早いか…


2020年5月11日月曜日

引き継ぎ時にはご注意

今朝から嘔吐を繰り返している80歳代女性の引き継ぎ。心電図と採血を取っておきましたので後で見ておいてください…とのことであったが、血圧が180と高いのと、わずかな意識混濁?を見抜き、頭部CTを追加でオーダーした2年目の研修医。CTでは小脳虫部の出血あり。嘔吐しているとはいえ、血圧上昇している救急患者には頭蓋内疾患を考える!引き継ぎの時には前医の診断にアンカリングされやすいところをよく診断できました。


2020年5月8日金曜日

ERひとりぼっち!?

今年入職の1年目研修医たちがERにデビューする…その前にあえて刺激的なタイトルで救急初期診療の初動をシミュレーションで学習する企画。

初期ABC評価とバイタルサインの解釈、これを徹底的に繰り返す。

昨年学んだ2年目研修医が、患者役として迫真の演技と小道具で盛り上げる。

ルーチーンが身についた頃に、急性喉頭蓋炎が疑われる症例に対して、臥位にさせてしまいさらに状態を悪化させてしまうシナリオも。

実際の場面でも何度も実践、振り返り、そうしていわゆる救急での第六感を身につけてもらえれば…

 


2020年4月30日木曜日

MGH case recordsで症例プレゼンテーションと鑑別診断について考える

今年度は、研修医教育において色々新しい試みを始めています。本日はMGH case recordsを題材にしての研修指導。4月の入職時のオリエンテーションで症例プレゼンテーションのやり方について説明した時に、超発展形ですが要領は同じと紹介したらものすごく食いつきが良かったので、今年度の2回目として実施することにしました。

症例プレゼンテーションの部分を一気に流して雰囲気を感じてもらい、その後で鑑別診断についてディスカッションしました。本日は内科系の専攻医も加わり熱い議論の応酬となりました。近頃の専攻医の先生はよく勉強しておられ、激しい突っ込みにドキリとすることもあります。

この時期の研修医にはハードな取り組みで、本日の事例は米国のローカルファクターにも考慮が必要な症例であったため、研修医たちからの発言は乏しかったですが、take home messageだけはしっかり持って帰ってもらいました。「コモンな疾患で説明がつかない臨床経過をみたら病歴から洗い直す、アウトドア活動や水系曝露、動物曝露歴なども重要である。」Messageの水準のさじ加減も指導医の腕の見せ所です。また、良質の症例提示に定期的に触れること自体の教育効果も期待しています。準備する側も勉強が必要で、そのこと自体も大変良い刺激となり日々の研鑽の励みとなります。曝露を受け続けた研修医がどのような成長を見せるか、その成果を見られる日を思い描いて日々過ごしています。


2020年4月23日木曜日

オンラインでのMKSAP勉強会の取り組み

今年度も新たな研修医を迎え、それぞれの研修がスタートしています。本日は、新たな取り組みを一つ紹介します。

当院では、昨年度の途中から有志が集まってMKSAPを学ぶ機会を作ってきました。MKSAPとは、Medical knowledge Self-Assessment Programの略称で、米国内科学会(American College of Physicians:ACP)が発行する内科系領域のサブスペシャリティを網羅した自主学習のための教材です。研修医や臨床医が必要とする最新の情報を得るための学習システムとして、世界中で標準的な生涯学習教材として活用されています。

当院では、研修プログラム上の理由で、地域医療研修以外にも協力型施設での研修が相当期間あるのですが、その期間中も無理なく集まるためにオンラインで始まりました(Zoomを使用しています)。当初は協力型施設で研修中の研修医に参加してもらう意図でしたが、今となっては‘withコロナ’に対応した新たな学びのあり方を作っていく良い機会ともなっています。今のところ月2回程度のペースであり1年間で全て解ききることは出来ませんが、MKSAPのポイントを絞った問題文から選択肢を考えていく形式に触れ続けることの学習効果は期待できると考えています。

初期研修医にとって英語で学ぶことは低いハードルではありませんが、彼/彼女らの努力と熱意、それから指導医からの少しばかりのサポートで継続できています。専攻医クラスの参加者も少しずつ増え、初期研修医にとっても大きな刺激となっているようです。

今年度は4月から初期研修医に参加してもらっており、これからの成長が非常に楽しみです。