公益社団法人 京都保険会 京都民医連中央病院

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指導医の風景

2012年9月28日金曜日

Dr.Shah 最終日



今日は、Dr.Shah の研修指導の最終日です。

症例は、70歳女性の失神発作です。

2年前から時々めまいがあり、1年前から労作時の呼吸困難を自覚。入院日の昼に急に失神発作があり、救急搬入されました。

Dr.Shah は、突然の失神の鑑別として、徐脈性不整脈(3°AV block と SSS)と頻脈性不整脈(Af , VT )を挙げ、徐脈性不整脈の可能性が高いとしました。

身体所見では、脈拍数が42回で整!と徐脈で3°AV block が強く疑われ、心電図で確認されました。

Dr.Shah によれば、このような患者さんは、徐脈に慣れているため、脈拍が40代でも無症状のことがあるが、何かの理由で脈拍が1〜2拍低下するだけでも失神を起こ すことがあるそうです。失神を起こした徐脈性不整脈は、次の失神が致命的になることもあるので、ペースメーカーの適応だそうです。

この患者さんもペースメーカーが植え込まれ、状態が安定していました。

Dr.Shah の研修指導週間も終わり。あっという間の5日間でした。研修医たちも当直などのデューティーをこなしながらも、英語での症例提示やディスカッションに頑張りました。
Dr.Shah とは、来年の再会を約束して、別れました。

 


2012年9月27日木曜日

Dr.Shah 4日目 87歳の女性のAS+CAD



今日の症例は、87歳女性。

もともと、大動脈弁狭窄と左前下行枝領域の心筋梗塞の既往がある。

独居で認知症があり、今回は左足首の捻挫で入院中、心窩部の不快感を訴えた。

血圧が101/52と脈圧がやや開大しており、 僧帽弁閉鎖不全の合併が疑われました。

今回の心窩部不快感は、Trop I の上昇を伴っており、心筋梗塞が考えやすく、症状からは前回の左前下行枝よりも右冠動脈の病変が疑われます。

心エコー上、ASの圧較差(PG)は31.7 mmHg でした。

高齢で、認知症があるため、PCIは見送られましたが、今後、薬物療法の強化と注意深いフォローが必要です。

Dr.Shah からは、虚血性心疾患の危険因子15個(!)を教えていただきました!

 


2012年9月26日水曜日

Dr.Shah 3日目 バルサルバ洞動脈瘤!



今日は、Dr.Shah の研修指導第3日目です。

症例は、68歳の女性で、1年前より労作時の倦怠感と食後の全胸部違和感があり、体重も6kg減少。近医にて低カリウム血症も指摘されて、紹介入院となった方です。

Dr.Shah は、添付の心音図を見ただけで、「もう疾患はわかりました。今日はもう、終わりにしましょうか」と。

これには、参加者一同、びっくりでした。

病歴からは、狭心症が疑われ、心電図で poor progression of R wave が認められたため、症状とあわせて、LAD(左前下行枝)の狭窄が疑われました。

身体所見では、左第3肋間の汎収縮期雑音が認められましたが、Dr.Shah にとっては、すでにお見通し、って感じです。

入院後のcoronary angiography CT では、左前下行枝の狭窄と、バルサルバ洞動脈瘤が認められ、診断が確定しました。

バルサルバ洞動脈瘤は、稀な疾患ですが、本症例では、右室流出路の狭窄をきたしており、大動脈弁輪の拡大から軽度の大動脈弁閉鎖不全を起こし、汎収縮期雑音と拡張早期雑音の原因となっていました。

午後は、レクチャーとベッドサイドティーチング。

頸静脈波を見たり、汎収縮期雑音を聴いたりして、研修医にとっては、とても勉強になった一日でした。

 


2012年9月25日火曜日

Dr.Shah 2日目 MVP術後MR 両心肥大の心電図



今日は、Dr.Shah の研修指導2日目。

1年目研修医のK君が症例提示しました。
症例は、72歳男性で、MVPの手術歴と高血圧の既往があり、血液透析を受けていますが、最近の労作時呼吸困難の精査目的で入院しました。

MVP術後も、MRがあり、入院時両下肢の浮腫もあったため、病態としては、MR+HHD → LVH → LAE → PH → RVH →RAE → 右心不全と考えられました。(右の写真は、研修医を患者に見立てて頸静脈波を見ているところです)
1日60本×20年の喫煙歴とビール1日2Lの飲酒歴がありましたが、CAGでは、有意狭窄はありませんでした。

回診では、汎収縮期雑音とS3が聞かれました。

午後のレクチャーでは、左室肥大、右室肥大、左心房拡張、右心房拡張の心電図の読み方のレクチャーがありました。

循環器の診察も奥が深くて、勉強することがたくさんあります。

研修医たちはついて来ているかな!?

 


2012年9月24日月曜日

Dr.Shah 1日目


今日から、Dr.Shah の研修指導が始まりました。

京都民医連中央病院で1年目の研修医の指導をするので、私も参加しました。
caseは、脳梗塞と上顎癌の既往のある78歳男性で、転倒して救急搬入され、心房細動が指摘されて入院となりました。

Dr.Shahは、心房細動があるので、左房拡張(>42mm)があるはず、左房弁輪の拡大のため、MRがあるはず、そうすると、左室肥大もあり、両下肢浮腫の病歴から、右心不全もある、と推測。喫煙歴と飲酒歴からは冠動脈疾患が疑われ、胸痛の病歴がないので、右冠動脈疾患が疑わしい、と。後に行われたCAGでは、右冠動脈の#4が100%狭窄でした。

Bed side teaching では、P領域でのS2亢進が聴診され、両下肢の浮腫が認められるため、少量の利尿剤が勧められました。

病歴からの心疾患の推論には、いつもながら、脱帽です!

 


2012年1月7日土曜日

関西合同カンファレンス

今日は、新年最初の民医連関西臨床研修センター企画の第14回関西合同カンファレンスが開催されました。

研修医、医学生、指導医などあわせて40名ほどが集まり、尼崎医療生協病院から「なんとなく引っかかる胸痛」、京都民医連中央病院から「オトナの事情〜右下腹部の圧痛を伴う腫瘤性病変」の症例提示があり、スモールグループで鑑別診断を考えました。

耳原総合病院からは、「2ヶ月続く発熱を主訴に入院した60歳男性」の症例提示があり、不明熱の鑑別診断、追加で知りたい情報、性感染症を疑ったときに何を問診するか、などの点についてグループで討論しました。(この症例はなんと、神経梅毒にHIV感染症が合併したものでした!)

その後、本田美和子先生から「プライマリケアの診察室で出会うHIV感染症」と題した講演があり、HIV感染症は決して遠い存在ではなく、日常診療で出会っているかもしれない感染症だと認識させられました。
新年から、めっちゃ勉強になりました!