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大韓民国(韓国)

韓国緑色病院との姉妹病院提携 2007年10月

韓国の源進(ウォンジン)職業病管理財団附設・緑色病院と京都民医連中央病院は2007年10月9日に姉妹病院提携を結びました

韓国源進職業病管理財団 朴(パク)賢緒 理事長および 梁(ヤン)吉承 病院長はじめ、多くの幹部、職員、職業病の患者様との懇談を行いました。

正面玄関 正面玄関 調印式 調印式
モニュメント 正面玄関 調印式 調印式

 

源進(ウォンジン)職業病管理財団附設 緑色病院とは

1966年に源進レーヨン株式会社が、日本の東洋レーヨン(現「東レ」)滋賀工場から老朽化した生産設備を輸入しました。この生産機器が、二硫化炭素 (有毒ガス)を発生させ、職業病を引き起こしました。日本でもユニチカなどレーヨン工場労働者に同様の職業病が起き、日韓で連帯して労災認定闘争が闘われました。源進レーヨン株式会社は、赤字経営が深刻化し、閉鎖に追い込まれました。長期にわたる政・労・使の協議の結果、破産管財人や産業銀行等の出資により基金(50億ウォン)を設け、補償基金の管掌と支給を司る管理機関として非営利公益法人の「源進職業病管理財団」が93年11月に設立されました。同財 団は99年に、源進緑色病院(40床)、労働環境健康研究所、源進福祉館からなる「源進総合センター」を設立しました。

その後2003年に増え続ける職業 病と一般医療の需要に対応するため、経営不振で閉鎖した旧キリスト病院を買い取り、改修の上、地上6階・地下2階、18,000m2、 一般・療養病床370床、韓方病床30床、16診療科の総合病院と韓方病院、歯科病院、労働環境健康研究所を備えた緑色病院を開設されました。病院の位置は、ソウル特別市東部の小さな住宅と零細な自営業が密集する面牧という地区です。様々な安全衛生・環境問題・地域医療に貢献し、韓国内や対外的に重要な役割を果たしています。日本では慢性二硫化炭素中毒症として労災認定を受けた患者数は約50名です。あさくら診療所(宇治市大久保:河本所長)はこの運動の中で誕生しました。

 

▼姉妹病院提携協定書(画像をクリックで拡大表示されます。)

姉妹病院提携協定書 姉妹病院提携協定書

 

広がる国際連帯 姉妹提携 韓国グリーン病院(ソウル)から吳炳勳医師来たる 2016年5月

医局にて
吳炳勳医師(右)と院長

韓国の吳 炳勳(オ・ビョンフン)先生が2016年5月の一カ月間、当院へ見学研修に来られました。ソウル大学医学部を2000年に卒業された41歳の医師です。身長が高く体も大きい先生ですが、柔和な表情が印象的です。

吳炳勳医師

当院の職員と

 

 

日本の高齢者医療を知りたい

吳先生は、日本と同様韓国では高齢化が激しい勢いで進んでいるため家庭医療に取り組みたいと考えておられ、日本でどのように高齢者医療が取り組まれているのかを知って今後の活動に役立てたいというのが今回の研修の目的です。韓国グリーン病院と当院が姉妹提携しているのを知り、来ることにしたそうです。これまでフィリピン、モロッコ、ベトナムへ行く医師はありましたが、日本を選ぶ医師は自分が初めてのケースだとのことでした。

当院だけでなく京都家庭医療学センターの高木幸夫所長(上京診療所)にも協力をお願いしてプログラムを組みました。その結果、信和会も含めて京都協立病院、診療所医療、在宅診療、介護、調剤薬局など幅広く経験してもらうことができました。咲あん上京(サービス付き高齢者住宅)も見てもらいました。丹所紀代子元看護部長による日本語学習会もあり、韓国語ができる野口唯看護師にもサポートしていただきました。関係者のみなさんに感謝します。

 

リハビリテーション・失禁への骨盤内治療を紹介

当院では、高齢者に対する専門的な医療を提供している様子を見てもらいました。高齢者のリハビリテーションには多くの時間を割きました。嚥下機能評価と訓練、心臓リハ、急性期リハ、回復期リハなどです。ロボットスーツHALⓇも見てもらいました。大腿骨頚部骨折や脊柱管狭窄症の手術、術後リハ、骨粗しょう症に対する取り組みには1日かけ、高齢者の尿便失禁への仙骨神経刺激療法(SNM機器など)も紹介しました。地域包括ケア、緩和ケア、精神科リエゾンチームの活動も組み込みました。私の紹介外来では診察に立ち会ってもらってディスカッションをしました。高齢者に多い大動脈弁狭窄症について、症状、理学的所見、心電図、心音図、心エコーなどで意見交換しました。

今後、韓国でも高齢者の尊厳を守るために過不足のない医療と介護が取り組まれることを願っています。吳先生が韓国グリーン病院でその先頭を切り開かれるよう願ってやみません。

 

後日、吳 炳勳(オ・ビョンフン)先生より、当院での見学研修の感想が届きました

「民医連病院での研修は人の重要性、そして人の提供するサービスの価値を高く評価する日本医療現状を感じることが出来たものでした。患者の回復のために注がれる努力、患者の治療のため、互いに協力する姿、そして患者診療のために多くの時間を割く姿などを見ながら、今の我が国の医療水準よりはるかに先を行っているという印象を受けました。日本の研修医(我が国の「専攻医」に相当)の業務の量も比較的多くないような印象でした。「より少ない数の患者を診るために、医師の魂の質が韓国より高いのだろう」という考えが浮かび、それはすなわち「患者によりよい医療サービスと恩恵を与えるためなのだろう」という結論に至りました。」

 

 

城南(ソンナム)市立病院より見学に来られました! 2017年2月

韓国の城南市立病院より院長、事務職員4名、城南市福祉保険局長、城南市病院運営チーム長、城南市議員、通訳と、総勢9名の方が2018年度城南市医療センター開設に向け、新病院の経営をどのように運営するか、日本の公的病院等を見て参考にするため、見学に来られました。日程は2月21日~24日にかけて東京と関西のいくつかの病院を視察し、当院には22日に来られました。

事前に「医療サービス分野」、「公共医療分野」、「経営分野」などたくさんの質問事項を受け、当日ディスカッションを行いました。国の違い、公立と私立の違いなどがありましたが、ディスカッションは大変盛り上がり、参考にしていただけたようです。院内見学の時間もあまり取れませんでしたが、限られた時間の中でも参考にしていただけたように思います。

当院も2019年秋リニューアル予定です。お互いの新病院へむけた取り組みについて和気あいあいとしたなか交流ができました。今後もさらなる友好関係を築いていきたいと思います。

 

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