平成20年4月1日より京都民医連中央病院の入院医療費を包括評価による「DPC(診断群分類別包括評価制度)」という新しい計算方法に変更しています。
外来医療費の計算方法は従来どおりの「出来高払い方式」です。
「DPC」とは、病名や診療内容について分類(診断群分類)し、分類ごとに1日あたりの費用を定めた急性期入院医療を提供する医療機関の医療費計算(包括支払い)方式です。
従来の医療費の計算方式である「出来高払い方式」では、診療を行った検査や注射、投薬などの量に応じて医療費が計算されていました。 「DPC」では、病名や手術、処置等の内容に応じて厚生労働省より定められた「1日当たりの定額(包括)医療費」を基本として全体の医療費の計算を行います。なお、手術などの医師の専門的な技術料についてはこれまで通りの出来高払い方式で医療費が計算され、入院にかかる医療費は「定額分(包括分)と出来高分と合わせたもの」となります。

患者さまの病名や治療の内容に応じて分類される「診断群分類(1,572分類)」のいずれかに患者さまのご病気が該当すると主治医が判断した場合に、DPCにより医療費を計算します。
患者さまのご病気がこの診断群分類のいずれにも該当しない場合は、出来高払い方式での入院医療費の計算となります。
ただし例外として、以下の場合は出来高支払い方式の対象となります。
DPCでは入院で対象となる疾患をメインに医療行為をおこなうようになります。その為、入院中に必ずしも行わなくても よい医療行為は外来で行う場合があります。DPCは、DPCを行っている全国の急性期医療機関の医療データを基に定額(包括)医療費を設定しています。つ まりDPCで入院医療を行うことは、全国で平均的、もしくはそれ以上の医療を提供することにつながります。
一部負担金の支払いは、従来と変わりありません。患者さまがご加入されている保険の負担割合に応じて一部負担金をお支払いいただきます。
ただし、入院後、病状の経過や治療の内容によって診断群分類(病名)が変更になる場合があります。その場合、定額分(包括分)の請求額が変動することとなるため、月ごとの定期請求や退院時に前月までのお支払額と差額の調整を行うことがあります。
厚生労働省より定められた1日当たりの定額(包括)医療費は、診断群分類(病名)毎に3段階に区分されており、入院が長くなるほど1 日当たりの定額(包括)医療費は安くなります。また、入院が長期にわたり診断群分類ごとに定められた入院日数を超えた場合、従来の出来高計算になります。
複数の診療科それぞれで診断群分類(病名)を決定し、その中で入院期間中に最も医療資源が投入された診断群分類をもって決定されます。
特定疾患(公費)の傷病が入院の主たる治療目的である場合は、DPCになっても公費適応になります。
従来通り、高額療養費制度の取り扱いに変更はありません。
例えば「狭心症」で「経皮的冠動脈形成術の手術」を行い「5日間入院」した場合の具体的なイメージを例示します。
点数:1点…10円
一日あたりの定額(包括)点数…入院日1日目から2日目まで 2,759点/1日
3日目から5日目まで 2,160点/1日
京都民医連中央病院の医療機関別係数…「1.1794」
医療機関別係数とは各DPC対象病院の病院機能を評価した数字です。この係数を定額(包括)点数に乗じたものが包括評価点数になります。
上記をふまえて
(1) 包括評価点数…{(2,759点×2日)+(2,160点×3日)}×1.1794= 14,150点
(2) 出来高評価点数…116,866点 (経皮的冠動脈形成術の手術代)
(1) 14,150点 + (2) 116,866点 = (3) 131,016点 (1点10円)となります。
窓口お支払い金額は③の点数に10円を乗じた金額のうち、ご加入保険の一部負担割合分をお支払いいただきます。
(★今までの出来高計算方法による入院総医療費の求め方)
診察料:350点+投薬・注射料:100点+手術料:116,866点+検査料:1,554点+画像料:953点+入院・食事料:11,237点 =131,060点(1点10円)
補足:手術、一部の処置・検査等は実施された項目に応じて包括評価とは別に出来高払い方式により算定されます。また包 括評価の点数は診断群分類(病名)ごとに定められた入院日数に応じて異なります。なお、医療機関ごとに一定の係数(医療機関別係数)が定められており、同 一の診断・治療であっても医療機関によって医療費の総額が異なりますのでご留意ください。
ご不明な点は京都民医連中央病院「受付」までお問い合わせください。