「看護師は看護に専心すべきである」
―これほど現代の看護師への痛烈なメッセージはない
川嶋みどり先生 「看護の羅針盤 366 の言葉」 P18 ライフサポート社 2020
新しい京都民医連中央病院 では 、看護部が大切にした いことが3つあります。一つは 「安全 」 、もう一つは 「 情報の流れが滞らない仕組み」、最後は「看護が看護で輝くこと」 です。
「安全」 は理念にもありますように、看護の提供において最も重視していることです。 安全は意識して守ることに加え、自然と守れる環境も重要です。 そのために療養環境・業務環境・感染対策を整え、工夫を凝らしました 。
「情報の流れが滞らない仕組み」についてはスタッフステーションのあり方を工夫をしました。患者さんやご家族、地域のサービス担当者が気兼ねなく看護師の声をかけることができれば、必要な情報は集まってきます。その情報は瞬時にカルテに集中することで、様々な判断が早くなります 。そこで壁のないシームレスなスタッフステーションと IT 化を進めました。
最後は 「看護が看護で輝く」。 看護の業は「診療の補助」と「療養上の世話」です。 国は超高齢社会における機能病床の適正化を図るとして、 入院機能を急性期・回復期・慢性期に分けました。 その結果 、急性期で提供される看護は「療養上の世話」より「診療の補助」へのウエイトが重くなり 、 看護師は常に「診療の補助」に追われているように感じている現状にあります 。私たちは業務に追われるのではなく、看護師が「看護の業」を自ら振るっていると感じ、「看護が看護で輝く」ことを追求したい。確かな知識と技術と人権感覚を磨き、事実から学び、社会のあり様に目を向ける看護師の育成を目指し、力量の応じた階層的な学習会や事例検討会、e L e a r ning など様々な機会を設けました。
1日の終わりに看護師が 「よかった 」 と思える看護の提供で、「安全で、安らぎのある質の高い看護」を目指していきます。
看護部長 坂田 薫