ホーム > 当院について > 病院報 > 病院報 2014年秋号 Vol.45 > 地域包括ケア病棟の現状と課題 在宅に帰るためのケアを充実
西3階
地域包括ケア病棟師長
田中 亜由美
7月に地域包括ケア病棟が開設し、3ヶ月が経過しました。
以前の医療療養病棟は在宅退院が毎月20人前後でしたが、今は60人前後と大変増加しています。また、京都民医連中央病院本館からの転入が半数を超えていますが、在宅からが約3割、他の急性期病院からの新規入院が1割と中央病院以外からの入院が徐々に増えてきています。
高齢者ご夫婦二人暮らしの片方の方が入院となり、もう一方の方が当病棟に入院となったり、胃ろう交換目的での入院や、嚥下状態の評価をしたうえで在宅に戻って欲しいなど、地域包括ケア病棟は在宅で暮らしている方が安心してその生活を継続できるように支援する病棟だと、日々実感しています。介護者が不在になるために緊急での入院を受け入れたり、医療依存度が高くなかなか介護施設に入所しづらい方の短期入院などの対応もしています。
病棟では、個々の患者さまに応じた「生活リハビリ」を毎日ほぼ全員に行っています。病棟スタッフの介助で廊下の手すりを使用し立ち上がり訓練や歩行練習をしたり、日中は可能な限りトイレを使用したりするなどです。食事前の全員体操も定着しています。「できる」を「する」につなげていくことを重視して、「生活者」という視点でケアをさせていただいています。また必要時には、実際にご自宅を訪問し自宅生活がうまくいくよう指導や改善を行っています。
今後の課題として、早期に生活課題を把握し、患者さまやご家族の意向をくみとりながら、在宅に帰るためのケアを充実させていきたいと考えています。
地域の病院としての役割を果たしながら、更なるネットワークを広げ在宅復帰支援および在宅生活支援病棟として頑張ります。引き続き、よろしくお願いいたします。