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京都民医連中央病院報

病院報 2005年春号 Vol.7

介護とうまく付き合うために

小野 京子

京都保健会 訪問看護ステーションさわやか 小野 京子

「こんにちは 訪問看護ステーションです。住み慣れた街で安心して暮らしたい。そんな願いにお応えします。」というキャッチフレーズで、心や身体に障害をもって在宅で過ごされている方への訪問看護をしています。

超高齢化社会を迎え、介護は誰もが考えなければならない時代になりました。介護は食べる排泄する…に始まり、衣服の着脱、入浴など日常生活の営みに直接関わる援助です。加齢に伴って、目がかすむ、耳が遠くなるなどの困難の上に、麻痺老化による痴呆などで障害も多様化し、高齢者になるほど個別化しています。障害は病気ではなく、ましてや老化は自然現象です。可能な範囲で外出し、社会と関わって生活できるよう、それぞれの老化や障害に合わせた方法で生活するための援助が必要になります。

介護するのにまず大事なことは、介護される方が何ができないのか、何を望んでおられるのかを確認することです。主体性を引き出すようにして決して押し付けたり無理強いをしないことです。反対に今までできていたことができなくなっていることを認めたくなく、だんだんと生活意欲がなくなり、家に閉じこもることがあります。心理的な援助を心がけながら、具体的な生活しやすい援助が必要です。具体的な援助の方法は病院の医師や看護師、又施設など介護に携わっている方たちに相談されると良いでしょう。

そして「介護する、介護される関係」はどんなにいい家族関係でも一方的な関係であり、長く続くと互いに耐えがたくなり、関係が悪化することがあります。ましてや、「妻や子供たちが介護する、夫や親が介護される」という関係は働いていた頃と逆転の関係になります。横柄になったり、卑屈に思えるのは介護される方の心理的負担の表われだと思ってください。そう思っていても介護が続くと、腹が立ったり、つらくなったり、体をこわしたりします。  そこで、介護が続けられるために、少し距離をおく生活としてデイケアやショートステイなど出かけていく場所作りや仲間作り、また、少しの時間でもヘルパーさんや訪問看護師に介護の援助を受けることをお勧めします。