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京都民医連中央病院報

病院報 2004年夏号 Vol.4

玉本 晃

子どもの発熱について

小児科科長 玉本 晃

発熱とは、37.5度以上の体温を言います。よく「うちの子は平熱が低いので」というお母さんがいらっしゃいます。体温計を脇の下の奥のくぼみにしっかり差し込み、脇をしめて5分間がんばって測れているでしょうか。予測式の電子体温計は便利ですが、最初の90秒くらいの体温計の上がり方で最終体温を予測するもので、あくまで予測値であり、測定値にばらつきがでやすいです。

乳児は大人ほどいつも体温を一定に保つ働きがしっかりしていません。部屋が暑かったり、水分不足があると、簡単に体温があがってしまいます。また、夕方は朝より0.5 ~0.8度くらいは高く、暴れたり、食べたり入浴したりした後も上がるので、小さい子どもでは1日中一定な「平熱」というものはないと考えたほうがいいでしょう。

 

体温をコントロールしているセンターは脳にあり、体温を日内変動させています(朝方が一番低い)。風邪で発熱した時なども、朝方は下がって昼から上がりだし、夜は高熱になる、といったパターンになるのが普通で、そうなるのはきちんと脳が働いている証拠です。脳炎などで脳が障害されている時は熱が1日中上がりっぱなしになってしまいます。夜は高熱になりやすいので、親が不安になるのも圧倒的に夜中ということになります。昼間熱があっても元気だったのなら、夜に上がってくるのは普通のパターンと考え、水分がとれていて、何とか寝られているようなら、あまり心配しなくてよいのではないでしょうか。

 

熱は、ウィルスなどの敵に体がやっつけられて出ているのではありません。体が敵をやっつけるために、わざと体温をあげて敵が体の中で活動しにくいようにしているのです。また、発熱によって、敵と戦う免疫力も高まります。戦うために体温を上げているのですから、むやみに下げてはいけないということになります。ですが、熱で夜寝れなかったり、食欲が落ちて水分もとれないのではこまりますから、解熱剤は必要最小限度で使いましょう。最低6時間はあけて使用します。小児で安全な解熱剤はアセトアミノフェン(カロナールなど)です。その他の強い解熱剤の使用は、インフルエンザの時に脳症を起しやすくするなど、かえって重症化してしまうことがあり、使ってはいけません。同時に水分もこまめに与えてください。

"高熱だから重症"でもないし、"熱が高くないから軽症"ともいえません。呼吸が苦しそうだったり、嘔吐が半日たってもおさまってくる様子がないとか、意識がもうひとつはっきりしない、活気や表情、顔色が悪い、どこかを非常に痛がる、など熱い以外の症状の観察が大切です。水分がとれていて、表情もよく、少し遊べて、寝ることもできるようなら、あわてることはありません。ただし、生後3ヵ月未満の発熱は、腎盂腎炎など風邪以外の原因もあるので、早めの受診が必要です。

 

子どもの発熱3つのポイント

  1. 解熱剤は必要最小限に!
  2. こまめな水分補給を!
  3. 熱以外の症状の観察

 

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