今回は、病棟のとりくみを紹介したいと思います。8月下旬のある一日、京都民医連中央病院の地域包括ケア病棟で行事企画として、夏祭り を行いました。患者様、ご家族様、職員がともに楽しみ、患者様に季節感を感じて気分転換していたくことが目的です。患者様には祭り会場で出店の金魚すくい、射的、輪投げ に挑戦してもらい、余興として神輿担ぎ・炭鉱節を踊りました。
射的では、おもちゃの銃を持つと、みなさん真剣な表情に変わり、一生懸命、的を狙っておられました。
金魚すくいはおもちゃの金魚でしたが、みなさん大物を狙って奮闘されていました。輪投げでは、普段からもリハビリでとりくまれているので、みなさんとても上手でした。
神輿担ぎの神輿は、手作りの神輿。患者様に毎日少しずつ貼り絵をしていただき、職員と一緒に完成させました。自分たちで作った作品なので、出来上がった神輿に愛着を持っていただけたようです。職員が神輿を担いで登場すると、患者様が拍手で迎えて下さいました。まずは男性の患者様に担いでいただくと、本物の神輿のように、大きく横揺れをさせて、鈴の音を鳴らしてくれました。女性の患者様には重かったようですが、女性スタッフと一緒に担いで盛り上げて下さいました。(写真)
炭坑節では当日まで患者様・職員と一緒に練習。患者様と職員が輪になって踊り、一体感が生まれました。
「最初から参加できて全部楽しかった!」「ワンダフル!」「金魚すくいが一番楽しかった!」「神輿を担ぐ時の音楽と掛け声がよかった!」と患者様からは最高の感想が。
この夏祭り、ケアワーカーを中心に、患者様に楽しんでいただけるよう、1ヵ月前から準備をしました。患者様にも神輿の貼り絵に参加していただいたり、チケットを配布したり、ポスターを作って病棟に貼りだしたりしたことで、気分的にも盛り上がり、患者様は夏祭りを心待ちにされていました。当日も開始より早い時間からたくさんの方が並んで待っていてくれました。
また、他の病棟の患者様やご家族様、職員の方々にも呼びかけたり、寝たきりの患者様にも会場に来ていただいたりして、お祭りの雰囲気を楽しんでいただきました。
今回の企画を通して様々なことに挑戦していただき、患者様の笑顔を見ることができ、職員も一緒に楽しむことができました。病院という閉鎖的な空間で入院生活を送っておられる患者様に、気分転換を図っていただけたと思います。