はじめまして。がん化学療法看護認定看護師の 杉本 涼子です。
私は、外来化学療法室で抗がん剤治療を受ける患者さんの副作用マネジメントやセルフケア支援を中心に、同じ部署で働く仲間と一緒に患者さんのケアにあたっています。
今回は、年1回開催されている がん看護学会に参加したので、その報告をしようと思います。
今年はパシフィコ横浜での開催でした。行きの新幹線でとてもきれいに富士山が見えたのですが、夜勤明けでそのまま新幹線に乗ったので、爆睡中でほかの乗車客のシャッター音で目覚めて写真は一切撮れませんでした…心のアルバムに保存。
私が学会に参加した目的は、①京都がん化学療法看護認定看護師グループで3年間開催したセミナーについて示説発表すること②がん看護を取り巻く現状を知り、意思決定支援やチーム医療などがん患者を支える看護の役割について学ぶ機会を得ることでした。
いろいろな講演を聴いた中で印象的だったものを紹介します。
①「がん患者さんと医療者とのコミュニケーション(バッドニュースの伝え方)」
特に感情への対処を中心に、「SPIKES」のコニュニケーション技術について学ぶことができました(SPIKESについてはGoogle先生に聞いてください)。がん患者指導管理料においても、告知の場面や治療変更の場面など、患者さんにとってバッドニュースを聞く場面での看護師の介入やサポートに対して加算がとれるようになっています。がん患者さんと関わる看護師のコミュニケーション技術の向上は、継続的なサポートを行う上で患者さんとの良好な関係を築くためにも必須です。現場では、外来の診察時間に告知を行うことが増えており、また再発や病状の増悪についての説明も患者さんひとりが診察室で医師と二人きりで聞くことが多いです。診察後に声をかけることはあっても、時間をとって面談の内容や気持ちの整理をするといったサポートもできていないのが現状です。医師との連携も含めて、患者さんにとって大事な面談時に看護師が介入できるよう時間に追われてばかりの自分を反省し、気持ちを新たに考えていきたいと思いました。
①「大腸がん分子標的治療における副作用マネジメント」
大腸がん治療薬スチバーガ®の皮膚障害などの副作用マネジメントと医師・看護師・薬剤師のチーム医療について知ることができました。スチバーガ®は内服薬であり、治療室にて点滴で抗がん剤治療を受けている患者さんに比べると、症状マネジメントを行う時間が持てないことが多いです(診察を受けて内服処方をされて帰宅してしまうため)。医師、看護師、薬剤師それぞれの専門性を発揮して、副作用症状をコントロールしながら、治療を継続できるようにサポートできるシステムつくりについて参考になることも多くありました。当院の化学療法室では、医師、薬剤師、看護師が治療室に常にいるので、普段から相談し連携がはかれています。それぞれの専門性を発揮しながら、役割を明確にして実践できるシステムつくりが大切だと感じました。
①「乳がん治療40年の進歩と最新ケア」
乳がんの治療は検査も含めて目まぐるしく進歩しています。乳がん患者を取り巻く治療環境の実際を医師の立場と乳がん看護認定看護師の立場から解説され、改めて乳がん看護について勉強ができました。乳がん患者の背景…短時間にどんどん治療が進み、その都度多岐にわたる治療の選択を迫られる患者の立場…を理解し、医師の説明の補足や気持ちの整理など看護師が担う役割の重要性を知ることができました。
というわけで、つらつらと報告していますが、せっかくの横浜なので空き時間にランドマークタワーに昇ってパノラマ横浜も満喫しました。
赤レンガ倉庫行きたいなあ…とか思いながら写真を撮っていたら、「あっ!横浜スタジアムだ」と思わずパシャリ。実は、あるミュージシャンのライブを見るために、思い立って夜勤明けでそのまま横浜スタジアムに行ったのを思い出しました。それも日帰りで・・雨の中・・。夕方には止んでライブはとても盛り上がりましたが、アンコールの曲を背後に聴きながら最終の新幹線のためにダッシュ・・・でも駅と逆方向にダッシュしていた・・・まあ間に合いましたが、京都に着いたら台風で暴風雨・・汗と雨にまみれて散々だったけど、なんかよくわからない達成感で次の日の筋肉痛も愛しく感じたなぁ、とか思い出してニヤニヤしてしまいました。一緒に行った友人から「なに?ベイスターズファン?」とか不思議表情で聞かれましたが…。
というか、横浜行くときはいつも夜勤明けだな…。京都駅でシズヤのカルネを買って新幹線で食べてそのまま寝る…オニオンの味が口いっぱいになって目覚めると横浜。なんか知らんけど美味しいですよね、カルネ。
学会会場では、同じ認定看護師の仲間とも話して情報交換できました。「私も頑張らないと!」と気合を入れつつ、なぜか横浜でピザをお腹いっぱい食べて京都に帰りました。また雨と風が凄かった…。
ではでは、このあたりで拙い報告終了します。