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第六十六回 倫理委員会 議事録

日時 2016年2月4日(木)18:30~21:15
場所

京都民医連中央病院西館会議室

出席者

外部委員 小原克博委員長、原昌平副委員長、岩橋多恵委員、勝村久司委員、広瀬東栄子委員

病院委員 川島市郎副委員長、冨田豊委員、那須徹也委員、東正一郎委員、平田恵美委員

事務局 根石明彦、丸山俊太郎

オブザーバー 石井慧

欠席

関谷直人委員、井上賀元委員

議事

 

議事(1)「第65回倫理委員会議事録確認」

小原 只今より第66回倫理委員会を開催さていただきます。お手元の議事に従って進めていきたいと思いますが、まずは第65回倫理委員会の議事録のご確認下さい。何かあればまたお知らせいたします。
2番目は資料Bの事例検討について議論をしたいと思います。では石井先生、ご説明をお願いいたします。

 

議事(2)「事例検討」

※事例1例検討しました。

 

議事(3)「DNARガイドラインの見直しについて」

小原 では議事の3番目、「DNARガイドラインの見直しについて」です。これもかなりの時間を掛けて修整してきましたが、私は前回を欠席して、原さんが議事を進めて下さって、そこで出た案に更に手を加えていただいたものがお手元にあります。字句の修正程度で済んでいるところと、内容的な議論をしなければいけないところを分けていただいて、議論すべきところを詰めて議論して、今日にだいたいの決着を付けて、最終案にしたいと思いますので、宜しくお願いします。では原さん、ポイントを中心にご説明いただけますか。

 手直ししていただいたやつに私が手を加えたので、ご意見とかをまた言っていただければと思います。日本語的なところはなるべく分かり易くさせていただきました。
本編の方で直しが入っているところはP3の下からで、細かいことですが、「意向表明書に記名してもらう」というのは次の項目にあるので、削除しました。P4の真ん中もそういうことです。
それから、その次に手順4を加えていますが、DNARのオーダーが出た時の電子カルテに記載する手順がなかったので、これを入れておいた方が良いのではないかということです。で、「複数の医師…」「多職種の合議…」「患者または家族の意向表明」という要件を満たしているということですね。それで、師長が確認して主治医がチェックを入れるということで、DNARではなく「蘇生して下さい」という意向の時も、カルテには記入して下さい。ここでの役割分担は、元の案では別のところに「どちらかが書く」みたいに書かれていたのですけど、曖昧なことは宜しくなく、オーダーを出すのはドクターなので、主治医がカルテ記載をすることにして、両方をドクターにすると、本当にチェックができるかという問題があるので、3つのポイントを満たしているということは師長が確認するというふうに、分けた方が良いのではないかという提案です。
それから、P5は日本語問題だけですね。
P6の前段は表現についてで、元の文章が「オーダーの妥当性や運用上の不備が生じた場合」という書き方だったのですが、「オーダーの妥当性に関する悩みや運用上の問題が生じた場合」という表現の方が良いのではないかということ、それから例示は、「例えば患者・家族間や家族の中で意見が対立している場合や、医療スタッフの間で意見が分かれる場合など」と換えた方が良いのではないかという提案ですが、「医学的オーダーを出すにはふさわしくない」というのは出しちゃダメですからね。悩んだ時に「倫理委員会に報告する」というのは前回に出された内容通りです。それから8.4で「オーダー率を報告する」のなら当然、「オーダー数」というのも表現してもらってはということです。後は、名簿の日付と肩書は変わっていると思いますけど、他にも変わっている人がおられるかも知れないので…。東先生は「整形外科医」というだけなんですか。

 参与というのが付いていますけど…。

 そこは事務レベルで…。参与の方が良いのですか。

根石 参与と言っても分かりにくいなと、いつも公表するのに悩むところで…。

 本編はここまでです。次は説明書を飛ばして、似たようなものなので解説編に行きます。
解説編のP2は、改訂内容の列挙ですが、今回の私の提案内容に沿って列挙し直しました。P5の赤字の注)部分は私が書いたものではなくて、前回から入っていた分で、内容的なものでもありません。P8はあまり習わない漢字を使わない方が良いということです。それから、P10の真ん中の注)も元から入っていた部分です。下の注)は、本編と同じように、どういう場合に倫理委員会に出すかという確認の表現の変更です。例示は本編に載っていますので、解説編ではあえて要らないです。解説編はこの程度です。
戻りまして、説明書と意向表明書ですね。「心肺蘇生法を実施しないことに関する説明書」という部分です。
まず細かいことですが、「心肺蘇生法を開始してもその効果がほとんどない」では、蘇生しないということかという捉え方をされることもあるので、「意味がほとんどない」ぐらいの方が良いかなと思います。心肺蘇生法の説明の「手技」「効果」「副作用」ですが、これは元の内容よりももう少し具体的に書きました。手技は心臓マッサージ・人工呼吸だけではないと思いますので…。間違っていたら指摘して下さい。効果については解説のところにもあるのですが、「いったんは心拍や呼吸が再開する可能性が40%あると報告されている」とありますが、どういう標本を対象にした調査なのかということが問題になるので、「入院患者全般への心肺蘇生法の実施結果を調べた研究」という補足を付けましたが、ターミナルの患者だけじゃないということです。それから、「DNARについて」という説明部分は、元々は前書きの部分と同じ表現で出ていたものが、同じ表現をしても仕方がないということで削ったということなので、この病院のスタンスを説明しつつ、DNARを検討する意味合いはどこにあるのかという事情説明を内容にいたしました。3の「必要な条件」のところは、本人意思の推定でありますけど、家族からの意向表明も時にはあるので、丸括弧で「家族」も入れています。7では、「心肺蘇生をやって下さい」という場合の例示で、「医師の予測は絶対ではないから」というのをあえて入れましたが、こういった話はどちらかと言うと、DNARにしましょうという方向に誘導されがちな内容なので、若干、そうではないという考えの人の材料になるものは入れておく方が良いのではないかなと思います。
それから意向表明書です。一番上の「説明医師」「同席看護師」の追加は前回に出ていた分です。で、私の方で載せた方が良いと考えたのは「以下、病院使用欄」というところです。「別の医師による医学的要件の確認」「多職種の会議での確認」「電子カルテへの最初の記載」の3項目ありますが、これらのチェック時に日付・署名を入れて完成させる形にすれば、患者サイドだけではなくて、病院としての手順を踏んでいくというのに役立つのではないかと…。オーダーが出たけどカルテに書いていないということを防ぐという意味も含めて…。…という提案です。
説明は以上です。

小原 ありがとうございました。有効に議論を勧めていくために、2つに分けて確認していきたいと思います。まずはガイドラインの本編と解説編で、これらは字句の修正や整理が中心と思いますので、これに関して問題がないかを確認した後に、患者さんに対する説明書と意向表明書をその次に取り扱いたいと思います。
ではまず本編・解説編に関していかがでしょうか。大きく付け加えられた部分というのはP4の手順4で、ドクターが記載し、看護師長が確認するということで、作業を2つに分けることによって客観性を保障するという内容になっていますけども、これも宜しいですか。

 分担で実務的には問題はないのですか。

平田 それぐらいだったら、きちんと確認していかないといけないかなと思います。

小原 そうですね、ダブルチェックというのは大事ですからね。

勝村 手順1、2、3と進んで手順4で一気に1、2、3を確認する総集編みたいになっているけど、1から2、2から3、3から4に進んでいくというイメージなんですか。

小原 手順4というのは記載の問題なので、実際には1、2、3での判断や議論を踏まえて、最後に記載して下さいということです。

勝村 では実際には、4をする時に1までは確認せず、3を確認するだけになってしまわないですか。

 いや、意向表明書に記載があるということで確認できるとは思います。

小原 これは患者意向表明書の病院使用欄との対応関係で、ここの確認ということですね。

 事実上はそうなるのではないかと思いますが、手順4というのは、オーダーを有効に出すという手順です。

勝村 手順4は手順1から全部を確認し直すようにも読めるのですけど、実務的に師長さんがやることをイメージして、意向表明書がきちんと書かれていることを確認するというのだったら、そのような書き方の方が良いのではないですか。ただ、患者の意向表明書が全部書かれておれば、師長さんが確認したことになるのですか。

川島 その通りですね。実際は全部が書かれた意向表明書を貰ったということで記載するということです。

小原 「手順4の書き方だと、手順1~3をもう一回繰り返すような印象を与えているので、意向表明書がきちんと書かれていることがここで確認されれば良い」というふうに書き直した方が良いということですか。

勝村 看護師長が手順4で実際にやる内容をもう少し具体的に書いた方が良いということです。「看護師長は手順1~3を満たしていることを意向表明を基に確認する」というのが事実だったら、書いてあげたら良いかな。

小原 原さん、手順4の1)で言いたいことは「全て記入済みであることを確認せよ」ということですよね。

川島 プロセスを経ずに意向表明書だけが書かれて、独り歩きすることを心配しているのですか。

 いや、意向表明書をねつ造することまで想定しなくて良いと思いますので、別に良いのですけど。「意向表明書を基に」というのを加えれば良いのですね。そうしますか。

小原 この段階では①、②、③というのは全て意向表明書に記されていることなので、確かにこれに基づいて確認しますよね。では、そうしましょう。他はいかがでしょうか。

川島 ちょっとした言葉のあやなんですけど、原さんは説明書の一番上の「効果」というのを「意味」に換えられましたが、これは解説書のP4にも同じ表現があって、そこでは「効果」になっているので、どうなんですかねぇ。

 統一するなら、統一しても良いと思いますが…。

小原 できるなら統一しておいた方が良いと思いますね。

川島 「意味」と言うのと「効果」と言うのはだいぶ違うと思いますね。

 「効果がない」と言うと、一生懸命にやっても心臓はまた動かないというような印象を受けるのですよ。

川島 「効果」は理科系の判断で、「意味」は文化系の判断ですね。効果がなくても意味はあると思う人もあるでしょうし…。

 そうですね。でも、心臓がまた動くけどずっと生きられるようなものではないというのは、「効果」と言うよりは「意味」ぐらいにしないと仕方がないかなと…。

小原 ここは大事なところなので、より客観的な用語の方を選択した方が良いと思います。意味という言葉は立場によって幅が出てきますが、効果があるかないかは、ある程度は医学的な基準によって幅が狭まりますよね。

 確かに「意味」と言ったら価値判断が入ってくる感じがするのですけど…。別の言葉が要りますね。

小原 ここでの議論の前提にあったのは、本当に医学的には意味がないのだけども、患者のご家族がやって欲しいと願うから儀礼的に心肺蘇生をするようなことがあって、そういうふうなことはやめた方が良いのではないかというような話だったと思うのですよ。ですからここで言っているのは、医学的な見地から言うと「意味」より「効果」の方があっているような気がするのですけど、その辺はどうでしょうか。

広瀬 患者にとっては「効果」の方が分かり易いです。

 いや、一生懸命に心臓マッサージをするということだけを想定したものではなく、その結果として心拍が戻るとか、カテコラミンか何かを入れた結果として戻ることがあっても、例えば癌がめっちゃ進行しているという人を、そこで一時的に戻すことに意味があるのかという話を含んでいるような気がしているのですよ。

川島 その戻り方に関しても、どういう戻り方なら効果があると感じるかは人それぞれイメージが違っていて、職員のアンケートを採ると、例えば1時間戻っていたら効果があると判断する人とや、1日戻ったら効果があると判断する人や、意識が回復したら効果があると判断する人というように、それがあからさまになったのですね。ただ、更に「意味」となると、もうちょっと広い範囲のことになってしまい、マイナスのことも含めて意味があると言われれば意味があるとなっていまいます。

 蘇生した場合の生存期間として、「1ヵ月以上は想定していない」というような説明が出てくるわけですよ。

川島 それで言うと、もう効果を期待できないという判断になりますけどね。で、そういう時にこのオーダーを提示するべきだということですね。

 いや、例えばマッサージをしたら心拍が戻って、意識が戻るかも取らないか分からないですけど、半月ぐらい動いていたとしたら、それを心肺蘇生の効果がなかったと言えるのかと…。

川島 それは人それぞれで違うのかも知れませんけどね。

小原 この「意味」と「効果」が掛かってくるのは、心肺蘇生ですよね。それで、心肺蘇生の効果というと、医学的な効果に限定されると思うのですけど、心肺蘇生の意味となると、結構幅があるのではないかなという気がするのですけどね。

 だけど、医学的な効果というのは心肺蘇生だから、効果があるというのは心拍が戻るということでしょ。戻ることがあるのだったら、「効果がほとんどない」という説明自体がちょっと無理があるのではないかと…。

小原 でも、医学的な効果があるかどうかというのは、意味とは違って議論ができるではないですか。

 いや、心肺蘇生に効果があるかどうかというのは、心拍が戻るかどうかで判断する話でしょ。

川島 必ずしもそうでもないかも知れません。

 戻った後の生存期間に価値があるかどうかというのだったら、医学的な評価の話ではないので、効果の話ではなく価値判断の話だと思うのですけど。

川島 心肺蘇生の効果というのは、心電図上で脈が触れるのを効果と言う人とか、いろんな幅があると思いすけど。

那須 医学的に心肺蘇生の効果というのは、明確な定義はないと思いますけど、一般の方が効果と言われるのは、その場で心拍が戻ったかどうかということが一番思い浮かぶことかも知れないと確かに思いますけど、意味というのは人それぞれですし、凄い広い幅が…。

 それでは第3の言葉を考えた方が良いのかなと思いますね。

勝村 救急ではなく、慢性病の進行による心肺停止で、心肺蘇生をやって戻るケースって、どんなふうにどれぐらい戻るのですか。大概は戻るのですか。

川島 例えば癌とかですと、頑張っても戻らないですよね。電気的に戻ることはあっても、少し意識が戻るというのは難しいかも…。

那須 4年間で少なくとも100例以上はやったと思いますけど、意識が回復した人は見たことはないですね。

勝村 そうだからこのガイドラインを作っているのですけど、ご経験で言うと、心電図上であっても戻って見えたりするのは、どれぐらいの割合なんですか。

那須 こういうことで想定される超高齢で癌とか感染症でそもそもかなり厳しい状態だったら、パーセントとしては1桁で、1割なんて到底いかないですね。

勝村 その1割以下の人はどんなふうになるのですか。

那須 心拍の再開はしますが、24時間以内に再停止する人がほとんどです。

川島 だから、それだけに拘る場合は、何回もマッサージすることになりますね。

勝村 24時間以内に再停止するということは、8時間とか10時間ぐらいは続くわけですか。

那須 集中治療室に運んでいる間にもう一回停止ということも、もの凄くよくありますよ。24時間以内といっても、ごく短期間で再停止するケースがほとんどで、1時間以内が凄く多いですし、最初の数時間に限定されるものと思われた方が良いと思います。

 「効果がほとんどない」とおっしゃっているのは、心拍が戻るパーセンテージが低いという意味でおっしゃっているのですか。

川島 「心拍が戻るだけのことを無理にやることもないですよね」って…、

岩橋 多分、原さんがおっしゃられていることを言い換えたら、生存期間が一定の期間以上に延びるという意味では効果がないということだと思うので、その事柄が分かるような表現をするしかないのかなと思いますね。「意味」と言うと内面的なものを含んでしまうので、非常に曖昧だと思いますよね。だからもう少し客観的な表現ができないかなと思うのですけど、死が差し迫った状態にある人を対象にした時に、その効果がどれぐらい続くかということではなく、取りあえず心拍が戻るという状態は、原さんがおっしゃるように短期的に見たら効果は効果ですけど、死が差し迫っているわけだから、飛躍的にそれが延びるわけではないということはハッキリしているわけですよね。ただ、「短期間しか戻らないのだから、やっても意味はないでしょう」という意味なら、表現としては「意味がない」が正しいですね。

冨田 日本人の場合は、心停止というのが死という合意がだいたいあると思いますね。慢性疾患で心臓がだんだん止まりかけてきた時に、強心剤を使うと動く時間はしばらく延びるわけですよ。私は最近こういう場面に立ち会っていませんが、昔、私も最期に蘇生を行っている時には、率直的に言って、いつに手を引くかというふうなことを考えていて、「夜中で親族は来られないので、じゃぁ朝まで保たせましょう」ということで、家族が集まられた時に薬をやめると自然に心臓が止まるのですね。そういう意味では、心臓の持っている生命力の絶対値でいつ死ぬということが決まるというのでは、必ずしもない場面も結構あるのですね。もちろん幅はありますけど、半日とかぐらいの期間を念頭におけば、かなり人為的に、皆さんがお別れができて納得してもらえるようなところで、心拍が止まるようにするということもあり得るわけです。
ただ、私も「効果」の方がスッキリと余分なものがなくて、事情に合うかも知れないなという気がしますけど。

小原 どちらかを選べば決定的に変わるということではないと思いますが、「効果」の方がちょっと良いかなという気はします。今、議論している内容は説明の続きに出てきますので、「効果」か「意味」かと、この2文字について論じ尽くす必要もないのですけども、説明書は患者さんが読みますから、患者さんがスッと読めた方が良いとは思うのですね。

岩橋 これの前に「死が差し迫っており、かつ心肺蘇生法を開始しても」と書いていても、生き続けることについて効果がないというふうに読めば、「効果」でも通じるのではないかなと思いますけど、そういうこと抜きの状態での「効果」を問題にするわけではないということで、これはちょっと…。

 「生存の延長効果」といった表現もできますが、「延命」という言葉はあまり良くないと思います。

小原 そこは「生存の延命効果」でも良いのですけど、端的には、ここは心肺蘇生をするかどうかということですよね。心肺蘇生の効果ですから、心肺蘇生の…、

 だから、単に「効果」と書いていると、取り方が色々あり得るということなんですよ。

岩橋 一時的に戻るのも効果というふうに言えるのではないかということですね。そう言いだすと、「効果」も非常に価値観的な…、

小原 読み方によってはどちらも幅があるのですけど、どちらがより分かり易いかというレベルの話です。

根石 「生存の延長」とした場合でも、生存とは何かということになり、それこそ延長というのは何時間なのかとか、何日なのかということになるので、結局、表現はどの言葉にしても曖昧で難しいと思います。ですから、患者さんがどう受け止めるかというところで考えた方が良いのではないかと思います。

小原 ここで言葉を尽くしても、全てを納得してもらうというわけにはいかないので、患者さんにとってより読み易いとか、誤解なくスッと読んでいただける用語はどちらなのかという判断で良いと思います。どうでしょうか、原さんは「意味」にして下さったのですが、「効果」の方が良いではないかというご意見もありましたので、原さん、どうしますか。

 そら、皆さんのご意見を…。

小原 はい。では、ここは「効果」で宜しいですか。

勝村 説明書の最初の4行でDNARについて説明しちゃっているので、その下の「DNARについて」という項目がダブってしまっているけど、そこで「生命活動の延長に意味があるか」と書いていますね。だから、ダブりを上手く解消するような構成を取った方が良いのと違いますか。まぁ、上が「効果」で下が「意味」と書いていますけど。

小原 それはあり得ますね。

 では、例えば「生存の延長はほとんど見込めない」とか、そういいう表現もあり得る。

勝村 だから、その趣旨のことは下の「DNARについて」で書いてあるじゃないですか。両方で同じようなことを書くと、構成として…。

 言葉感覚の問題でもありますので、皆さんが「効果」で良いのだったら、それで良いのですけど。

岩橋 心肺蘇生法の一般的な場合の説明の「効果」の欄で「入院患者全般に実施した場合は40%」とあって、上で使っている「効果」も結構幅があるものだと分かるので、上の方は「効果」で良いという気がします。

小原 この先の議論もしたいので、取りあえず2行目のところは「効果」にさせていただきます。
そして、これから説明書と意向表明書を見ていきたいのですが、患者さんの目に直接触れる重要な文章なので、順を追って議論したいと思います。まず前文の5行に関しては、2行目を「効果」に換えましたけども、その他はどうですか。後は宜しいですか、最期の2行は現行を残すということになっています。
では、次は「1 心肺蘇生法について」ということで、3つの項目があるのですけども、より分かり易くということでかなり加筆をして下さいましたが、この辺りは医学的な正確さを期する必要もありますので、ご確認いただいて、修整すべき文言があればご指摘をお願いします。

冨田 「手技」の2行目の「胸を切開して心臓への直接マッサージ」というのは、理屈上はあり得ますが、どちらかというと救急的なイメージで、ここで想定する場面ではちょっと違うかなという感じがありますね。

勝村 DNARの説明書では、救急医療的な心肺蘇生のイメージを一緒に与えると、患者が混乱するので、それを避ける必要がある。

小原 では、ここは削除した方が良いということですね。その前にある「気管に管を入れること」というのは、通常の状態であり得るのですか。

那須 僕が患者さんにする時は、状況によってはそういうことをします。心肺蘇生をした後に自発呼吸だけで生きることはほぼないであろう。心肺蘇生をするということは、人口呼吸器を繋ぐということとほぼ同義である。

小原 ということは、これは「状況によっては」ということではなくて、やったらほぼ間違いなく気管に管を入れるわけですね。その辺の現実と摺り合わせて文章を書く必要がありますので…。

冨田 しかし、それはケースバイケースで…。

川島 対象者がこういう状況でということだったら、挿管しないと全然保たないですよね。不整脈で倒れた人が戻るというのとはわけが違うと思います。

小原 実際にはかなり多くの場合なんですけど、ここは絶対ではないということでもありますので、「状況によっては気管に管を入れることもあります」で宜しいですかね。

 入れるのではないですかね。逆にここに入ってしまうと、心肺蘇生をして下さいという人は、これをやるということになるじゃない。開胸して心臓マッサージというのは絶対にあり得ないけど、気管挿管することは、心肺蘇生をするというのはそういうことも含めて言っているということでないのですか。挿管して呼吸器に繋げば、もうちょっと延命効果が出るかも知れないでしょ。

川島 対象はある程度限定するにしても、これは一般論の説明ですよね。「心肺蘇生する場合は、心臓マッサージをして人口呼吸器に繋げられますよ」というメッセージですよね。

 その辺のことは伝えておかないと…。実際にやって欲しいと言われたら、そこまでやりますよという話だからね。

岩橋 でも、その前のところに人工呼吸というのが入っていて、手技の説明として「~などを行います」まで入っているのだったら、それで良いような気がします。

小原 前の行の「人工呼吸」と、挿管というのは同じ意味ですよね。では「状況によっては」は要らない?

 「人工呼吸」と書いてあったら挿管して呼吸器を着けるというイメージを、一般の患者さんは持たないですよ。息を吹き込むイメージなんですよ。

小原 ということは、原さんはそこをハッキリさせたいということですね。

那須 患者さんの要望で一番困るパターンは、「心臓マッサージして下さい。でも管は入れないで下さい」と言われることで、それは現実問題として無理、肺蘇生の手技として成立しない。心臓マッサージをして蘇生するということは、実際には管を入れての人工呼吸をするということです。

 では、そのように言われたら「こういうことですよ」というふうに説明すれば良いね。

那須 「状況によってしないのですか」と言われたら、「いや、基本的にします」と…。

勝村 ここは心肺蘇生法について説明しているのだから、「手技」のところでそのイメージができるだけ伝わるように表現した方が良いですね。

岩橋 手技としてそこまで入っているのだということだったら、やっぱり入れた方が良いですね。

小原 分かりました。それでは誤解を避けるために、「状況によっては」という文章を付け加えるよりかは、人工呼吸の実際をちゃんと説明できた方が良いと思います。「人工呼吸」の後に括弧で短く説明するとすれば、「気管に管を入れること」で問題はないですか。

川島 「気管に管を入れる」で伝わるかどうかですね。

小原 でも、実際はそうですよね。

川島 「気管ってどこ?」と言われたら…、

 それを言いだしたらやれなくなる。「気管に管を入れる」ということで多分、通じるでしょう。

小原 原さん、「人工呼吸(気管に管を入れること)」として、後の文章は取ってしまって良いですか。

 えぇ、良いと思います。

小原 じゃぁそうしましょう。それで人工呼吸のイメージがより明確になりますね。
では、「効果」「副作用」についてはどうでしょうか。

勝村 「効果」では、僕はずっと「40%」に拘っているのだけど、皆さんの経験でも10%以下という話ではないですか。若い人や不整脈といった急性期の心肺停止も含めて40%という論文ならば、ここでその数字を出すと、家族は「40%も戻るのだったら、人工呼吸器を着けないで心臓がもう一回動き始めることもあるのとちゃうか」という勘違いもしちゃいますよ。

 今のお話でしたら、例えば、その後に補足として「病状の進行で死が差し迫っている患者の場合は、もっと低くなります」ぐらいを足しておいたらどうですか。数字を取ってしまうと、あまりにもよく分からなくなる感じがするのですけど。

勝村 少なくともね…。だけど、どうしても40%という数字を入れなければいけないのなら、元の論文の確認は必要ですけど「癌とかそういう慢性期の高齢者だけではなく、急性のものを含んだ上での数字」というニュアンスが入らないと、僕なんかがこの説明を受けたら…。

小原 ここでは「入院患者全般」となっていますから、DNARの説明をしてもらわないといけないような人に限定していくと、パーセンテージが下がるということですね。それは確かにこの文章からは伝わってこないですね。40%もあるとなると、確かに期待感を持たせるところもありますし、数字は出し方がなかなか難しいですね。

勝村 先のお話だと、実際は10%もないと思っておられるのに、患者に説明する時には、違う定義だとしても40%と言っちゃうと、何かおかしいような気がする。

岩橋 先に「効果がほとんどないと考えられる方」と書いてあるので、説明中、「ここに40%と書いてあるのですけど?」と聞かれた時に、「これはターミナルの人ばっかりではなくて、生命力があるのに急に死が迫った人も含めて全部ですよ」という説明をせんとあかんのでしょうね。

勝村 その説明の仕方にしても、「含めた場合は40%あると言われているけれども」というのを前置きぐらいにしておいて、「実際にこのような末期の場合は」というのを結論にしないと…。

小原 そうですね、一文を付け加えた方が良いですね。この文章は一般論として間違っていないと思うのですけど、これだけが独り歩きしてしまうと誤解を与えるので、これだけだと惑わしてしまうのですね。原さん、もし文章を付け加えるとすれば、どういうふうにされますか。

 「病状の進行で死が差し迫った」…、

勝村 間違いではないのだったら、「入院患者全般」の前に「急性期も含めた」を入れて、「40%あると報告されていますが、慢性期的なものではこの40%という数字は得られない」としては…。

 この論文を見ていないのですけど、急性期も含むのですか。

勝村 それを見ていないだけに、この40%という数字を出すことの自信がないと言うか…。

川島 最近の研究がなく、情報としてふさわしいものがないということですので、40という数をイメージとして出しておいて、「衰弱が進めばその確率は下がりますよ」とか…。ただ、そういうものを限定にした心肺蘇生の効果とか、実際に報告されているものはないので、間違っている表現だけを付け加えるというのはどうですかね。

小原 それでも40は出した方が良いですか。

川島 いや、我々は必要ないのですけども、合った方がイメージができるのではないかという話があったので。

勝村 僕はこの数字を出すべきではないとずっと言っていましたね。

小原 原さんはどうですか。ここに40という数字はあるのですが、確たる根拠を持って示すことは難しいかも知れませんので…。

 数字がないものは、かなり誘導的になり易いので、表現が非常に難しいと思いますよ。おっしゃっているように「衰弱した」とか「病状の進行した患者ではもっと低い再開率になります」ぐらいの表現を付け…、

川島 「病状が進むほど低くなります」というか、「病状を反映した確率になります」という言葉にした方が良いのではないかという…。

小原 そうですね。原さん、「病状が進むほど再開の可能性は低くなります」で良いですか。

 えぇ。「…進んだ患者では」ぐらいだと思いますけどね。

小原 では「病状の進んだ患者では再開の可能性は低くなります」。

 それぐらいで良いと思いますけど、救急を含んでいるのかどうかはちょっと…、

勝村 ちょっと調べないと責任は持てないです。

那須 一般の蘇生だから、例えば喉を詰まらせて心肺停止の場合は結構、元に戻ったりします。

 絶対にそうですよね。そんなのがいっぱい入ってくるのですね。ここで言っている40%とは全然違う話を今、我々は実際にはしているわけですね。だから、この数字をここで使う必要があるかというのも、ちょっと疑問になってきましたね。対象が全く別なんでね。

勝村 入れるなら、ハッキリと急性期的なものも含めたニュアンスで「~も含めて40%あると言われているが、今ここで説明するような病状の方に関してはまともな論文はないけれども、そんなに高くはない経験をしている」という事実を伝えるべきだと思う。でも、僕が家族だったら、この40という数字は凄く気になるし、最も聞きたくないですね。

小原 確かにここで言っている40%とは、この説明を受ける人にとったらあまり関係がない…、

勝村 で、この40という数字を書かれて、このことに同意しろと言われても、僕はしにくいと思いますよ。40もあって、なんで同意せなあかんと思いますよ。それほど勘違いしてしまう。

冨田 私もそう思いますね。

小原 そうですね、数字は与えるインパクトが大きいので、この文章は慎重に扱った方が良いですね。第5案では40%というのが残っていたのですかね。

根石 元々はあまり数字を入れないという提案で、最初の提案にはなかったと思いますが、議論の中でやっぱり根拠となる数字は入れた方が良いとなったので、苦肉の策で取ってきた数字です。5案では入れています。

小原 分かりました。そもそも数字を入れる必要があるのかということも改めて考えて良いと思いますね。必ずしもこの数字を前提にして、残すということを絶対視することも必要ないと思います。

冨田 前に「言葉の方が良いのではないか」という話が出た時には、「言葉だと誘導的になる」という意見もあったのですね。

小原 確かにそうだと思います。例えば2つ目の文章を完全に取って、「心臓の動きと呼吸が再開する可能性があります」と書くと、「可能性があるんだな」と希望的に読む場合もありますので、あくまでも確率的にはこうなんだというのがあった方が考える材料にはなりますよね。ですから、パーセンテージは出さずに、過度な期待を抱かせないような文章にできればと思います。

 この40%は心肺蘇生の対象になる全体の率だと思いますね。だから今の話とは全然別の論文を引いていると思います。だから余計にややこしくなる。今は「元々やっても意味はないよ」という話の下でやっているのに、今は市民にも勧めているAEDに関わるようなデータですね。だからこの数字を入れるのはどうかなと思います。

 では、最初の一文は残して「病状の進行した患者では再開する率は低くなります」とかですか。

 「ほとんどなくなります」ではない? 対象が「DNARをしましょう」と言っている人では1割もないというのは、ほとんどないということでしょ。「ほとんどない」というのは言い過ぎですか。

岩橋 ただ、それは逆の誘導になるのではないかということなので…。

 だけど本来的には、やっても意味はないと僕らは思っているわけだから。

岩橋 最初、心肺蘇生ってAEDのイメージがあって、あれを凄く推奨しているじゃないですか、あれでも効果があるのだったら、病院でやるのはもっと効果があるだろうと、普通の皆さんは思うでしょうね。40%を外すのは良いとは思うのですけど、極端に「ほとんどない」と言い切っちゃうのは、もの凄く強い感じがしますね。

小原 そうですね。ちょっと慎重にして「~可能性はあります。病状の進んだ患者の場合、再開の可能性が低くなります」ぐらいで良いのではないですか。

 「相当低くなります」。

小原 相当なんですけど、「相当」とは書かずにぼやかすと…。

那須 心肺蘇生は、僕らも「体を壊しちゃうだけだから、やめた方が良いよ」と心の内で思うことがありますね。

小原 ですから、どちらのサイドにも誘導しないために、端的に「低くなります」ぐらいに留めておきましょう。では「効果」のところは、40%という文章を削除して、今のように修整したいと思います。
「副作用」のところは宜しいですか。ここも「30%」という数字が出てきていますけども、これに関してはそれほど大きな問題はないですね。

 アンバランスですから、この「30%」も取りましょう。

小原 えぇそうですね。

 「~生じる可能性があります」、「~生じることがあります」、どっちが良いですか。

小原 上と合わせるか、あえて換えるか…?

川島 対象にしている患者にもしやったら、必ず起こります。余命が限られている衰弱している患者さんは、普通に押さえただけでヒビが入ったりしますので、健常の人にやるのとは体の強度が全然違います。ほぼ100%、骨に問題が起こったりすると思います。

小原 ということは、「必ず」とは書けないので、「生じることがあります」ぐらいにしておきましょうか。

川島 そうですね、「肝臓や脾臓の破裂」というのは、手技が拙いという問題が含まれていますので…。

小原 ということは、これはあえて書いた方が良いか、書く必要がないか…?

川島 患者さん・家族の方は、そこまで想定されないのではないですかね。「骨が折れるほどきつくやられるのか」とかいうイメージは持たれるかも知れませんけど。

 「やっても効果がないのに、これだけの損傷が起きますよ」という意味では、書いておいた方が良いと思う。誘導と言われれば、なかなか書けないけどね。

岩橋 元々「あまり生命を延ばすことはできない上に、体を損傷させるのに良いのですか」ということで、お勧めしないというのがあるわけですね。

小原 分かりました。では「副作用」のところは、「骨折が生じることがあります」ぐらいにしておきまして、「肝臓・脾臓の破裂」は削除するということで宜しいですか。

根石 想定はしていないのですけど、後々に何かが起こって、解剖しましょうとなって、例えば内臓が破裂していた時の説明として、医療安全的な立場で、ちょっと思うこともありますね。

 これは何かの文献に書いてあったので出ているのではないですか。30%とかいう研究論文が…。

川島 可能性はありますけどね。言いだしたら肺挫傷とか、限りなく書かないといけないですね。

 「内臓の損傷」ぐらいにしておいた方が良いですね。それから「肋骨の骨折が生じる可能性が高く」ぐらいは書いておいても良いんじゃないですか。これは30%ぐらいじゃない。

冨田 本気でやれば…。

那須 肺挫傷はやっぱり多く、気管チューブから血がブワーッと出てくるので、それを見て家族もビックリしはって、「血が出ているのは何でや?」って、それは押したからですけど。

広瀬 死んでからパァッと茶色い血が出るのがそれですか。

冨田 ちょっと分からないですが、死後に出ている可能性はありますね。

小原 肺挫傷も含めて、「内臓の損傷も起こることがあります」というふうに最後の部分を改めたいと思います。
では、「1 心肺蘇生について」の3点は以上で宜しいでしょうか。
では次、「2 DNARについて」というところで、原さんが書いて下さった文章をご覧いただいて、ご意見があれば出して下さい。この文章は、基本的にはガイドラインの基本方針の3点を反映したものになっています。

 「負傷などのリスク」の「負傷」というのは、死を前にした人にはバランスが悪い感じがするので、体に傷を付けるというようなニュアンスのものが良いのではないかと思いますね。

冨田 先っきの「内臓損傷」というのは…?

小原 では、先程の文章と合わせるには、「内臓損傷」にしましょうか。

岩橋 骨折はそうじゃないですね。

小原 「骨折・内臓損傷などの」にしますか。

 まぁ、「体の損傷」ぐらい…。

 「体の損傷」が良いのではないですかね。

小原 では、「体の損傷などのリスクのある」にしましょう。

 「など」は要らないです。

小原 「体の損傷のリスク」ですね。この文章は比較的分かり易いです。宜しいですかね。では、特に問題がなければ3番に移りますが、「患者様(状況によっては家族)から」というのは宜しいですね。では最後の7番ですが、原さんが「医師の予測は絶対ではないから」という文章を付け加えていただいています。宜しいですか。
では特にご意見がなければ次のページ、「患者様の意向表明書」をご確認下さい。「説明医師」「同席看護師」の記名欄の追加、そして末尾に「病院使用欄」ということで、この1枚で全てがきちんとチェックされるということを考えて作られました。

冨田 書き方だけですが、「以下、病院使用欄」の「以下」はなくても分かりますので、不要ではないでしょうか。

小原 そうですね、では「以下」を取って、単に「病院使用欄」としましょう。

岩橋 「多職種の会議での確認」の「責任者」というのは、次の会議をやった時に決まるのですか。

小原 どうですか。パッと誰かが書けるようになっていますか。誰が署名すべきか迷うことはないですか。

岩橋 それはハッキリと「当該病棟師長の任務」で確認することになっているですが、責任者というのが看護師長と別なのかちょっと気になったのです。

小原 先程の議論では「手順4」のところで「病棟師長が~」となっていたのですが、原さん、ここではそういう意味で良いのですか。

 そのつもりではおりましたが…。

小原 では、ここでは病棟師長が責任者として署名すれば良いということですね。

 そうですね、原則的にはそうだと思います。

勝村 質問ですが、手順通りにやると、「別の医師の確認」が「手順1」で、「多職種の確認」が「手順2」で、患者への説明が「手順3」なので、この用紙を患者へ示して「説明医師」と「同席看護師」と「患者」がサインする前に、「病院使用欄」の上の2つに署名がされていて、「電子カルテへの最初の記載」というのは、患者が書くタイミングより後になりますね。もしかしたら「電子カルテ」の署名は要らないのかな? それともレイアウトを変えるとか?

岩橋 2つのところだけチェックしておきましょうということではないのですか。

勝村 2つ目の「多職種」を、「電子カルテ」をチェックする看護師長がやるのだったら、タイミングが分かりにくい。

小原 手順としてはおっしゃる通りなんですけど、実際に患者さんへ意向表明書を差し出す時に、最初からここに署名されているというのは良くないと思うのですよ。ですから、署名そのものは一番最後で良いと思います。事務的に確かにやりましたということを、これを出した後に署名…、

勝村 そういうことが手順では分かりにくい。それでは確認署名が「手順4」に入るということですか。「手順4」に「署名する」ということを書いたら良いのですか。「1」と「2」がされたという安心感はどうやって得るのですか。

 今のところがややこしければ、隣に確認手順書というのを1枚もので別に作ったら良いのですけどね。

岩橋 それの方が良いと思いますね。

小原 病院サイドの確認書を作って、ここからは病院使用欄にするということですね。

 このままで良いじゃないですか。書類が増えるより、やっている人にとってこれの方が、こういうことが必要だということが分かって良いかも知れません。確認書を別にすると内部でまた運用されない。

勝村 僕もそう思います。実際の署名は「手順4」でするということだったら、本編の「手順4」で例えば「意向証明書の病院使用欄に誰々が署名する」という1行を入れたり、多職種の同意に関しては「看護師長が責任者になる」とか、そういう注が入っていると、完璧にイメージし易い。

 それか、手順そのものでいうと、場合によっては「複数の医師による確認」が後に回ることもあり得ると書いてありますが、「多職種の同意」と「患者の意向確認」の順番がこのままで良いのかということで、「多職種の同意」が後でも良いかも知れないという気もします。

小原 手順の順番が変わってくるわけですか。それは大問題ですね。

川島 現実的には、どっちが先になるか分からない状況の中で提案されるので、どっちが先でも問題はない。

勝村 それでは順番にはあまり意味がなく、4つのチェック項目ということですね。

岩橋 過程が見られるみたいな形で書かれているとか…。

勝村 このP3~4はその辺が分かりにくいと思います。

 1の次が2で2の次が3というような、時間的にこういう順番であるということではないということで、3つの条件が必要ですよということが分かるようにしておけば良いのですね。

勝村 それなら、そういう趣旨が分かるような表現に変えた方が良いですね。

小原 もしそうであるならば、「手順」と書いていると時間的なオーダーを想定すると思いますから、P3の3行目のところで「三つの段階を踏む必要がある」というところを、「3つの条件を満たす必要がある」というふうにした方が良いと思います。そして、「手順1」というのではなくて「条件1」「条件2」「条件3」「条件4」というようにして、「この4つの条件を満たす必要がある」というふうに書き換えましょう。そうすれば、前後したとしても4つさえ満たされればOKであるというふうにできると思います。

 「条件」で良いと思います。「条件」にして、「まず」とか「次に」とか「最後に」というのを取る。

小原 そうですね。4の見出しにある「『有効なDNAR指示』を出すための手順」というのも、「出すための条件」に換えたら良いと思います。

勝村 後、意向表明書の病院使用欄にサインするタイミングをどこかに書いておくと、多職種の同意の確認者に関してもどこかに書いておけたら、分かり易いと思います。

小原 そうですね。「条件2」の「多職種の同意」のところで「妥当性が確認されなければならない」の後に「その後、署名する」とか、具体的な作業を書いておくと良いですね。そして「条件4」で「病棟師長も」…、あっそうか、病棟師長は「多職種」のところでサインするのか。

 多職種の会議や病棟カンファレンスというものと病棟師長の関係って、ガイドラインそのものではよく分からないのですよ。

川島 日常業務の中で自然にできるようにこのガイドラインを作ってきたと思いますが、カンファレンスは毎週やられるのですよ。その場で議論をすればと考えていましたので、当然、多職種の会議と病棟カンファレンスは一緒です。

岩橋 そうすると、そこの責任者というのは病棟師長ですか。

川島 原則として病棟師長はいますけど、いない場合はそれに代わる役席の方になるかも知れません。

小原 という意味では、「多職種の同意」というところは病棟師長に限定せずに、その時の責任者が署名できるようにということだけ書いておけば良いのですね。

川島 その時に、内科以外の科は恐らく複数医師でカンファレンスをやっているのですけど、内科の医師だけは一人でやるので、それが運用上は問題なんです。

小原 それは「別の医師による~」というところがその時には書けない場合があるということですね。

 「病院使用欄」の「医師署名」というのは当然、別の医師の署名ということですね。でも、「医師署名」なので、「別の医師に確認しました」といって自分で署名する主治医もいると思います。

小原 ただ、同じ人の署名があれば、そこで「ダメですよ」とチェックされますからね。

 でも、今の議論の中で、この「医師署名」というのは別の医師が書くのだなと思いましたが、この議論を知らない医師なら、「別の医師に確認して、自分が署名する」と勘違いすることもあり得ると思いますね。

勝村 そういう理解もできますから、そういうことも書いておけばね。署名するタイミングとかも、これを読んでも分からないですよ。例えば患者にこれを見せるタイミングでは署名していない方が良いとか…、

 別に書いていても良いのではないですか。

小原 ただ「条件1」で、特別の場合を除けば必ず別の医師も確認しないといけないと書いているので…、

勝村 意向表明書を患者に渡す段階では、下のところにもうサインが入っているという…?

小原 いや、出す時には入れている必要はないと思うのですよ。これはあくまでも病院側の…、

勝村 では、判断した時とは別に、患者へ説明した後にもう一回、判断した人に署名を貰いに行くということですか。その辺が分かりにくいという…。

川島 要するに、カルテに「この方はDNARの意思統一ができている人ですよ」というのを書く時には、全部の署名が必要だということです。

小原 そうです。それは「条件4」に入っていますので、そこは大丈夫だと思うのですよ。では、実際に運用されてこそ意味がありますのでなるべく分散させないで、この1枚で全てが終了するように病院使用欄は残すことにしましょう。そして、今議論したところ、この3項目はいずれも大事ですね。別の医師の署名が多職種でのカンファレンスで得られない場合も当然あるとは思いますけども、「条件1」で必要要件とされていますので、後日であっても必ず主治医以外の医師のサインがここに必要であるということです。

平田 一番下の「電子カルテへの最初の記載」というのは、最初にDNARオーダーを出したという日に記入するということで、主治医がカルテ入力するので、ここは必ず主治医になるということですね。

川島 主治医か担当医かは分からないですけど…。

那須 内科の場合は主治医が兼ねている場合が多いです。

岩橋 「条件4」では「主治医」となっているのですよ。

小原 カルテ記載は主治医も担当医もできるわけですね。「条件4」では「主治医」となっていますが、運用上でこれは狭すぎるというのであれば、「主治医あるいは担当医」というふうに書き換えることもできるのですけど、とにかく、現実に合わせる方が良いと思いますので、ここはどうしましょう。

勝村 意向表明書の「説明医師」というのはそうでよいかも知れないけど、ここは主治医に限定すべきだと思う。

川島 「説明医師」は説明した医師が署名したらどうでしょう。必ずしも主治医か担当医師が説明するとは限らないです。科長が説明することもあります。

勝村 その辺りを本文にちゃんと書いて欲しいなと思う。ここで色々言っているけど、結局、後に残らない。

小原 現場では多分、混乱しないですよね。

川島 全く混乱しないです。現場は多分、説明書を読みながら運用はしないです。

勝村 だけど、3つの条件を満たしていることを師長が確認して初めて、電子カルテに記載するわけでしょ。そうしたら、病院使用欄に3つが並んでいるけど、レベルが違うと思うのです。一番下のやつの確認するというのは、意向表明書できちんと説明医師・同席看護師・患者・代理人の署名があり、かつ別の医師による確認もあり、多職種会議の確認もあるという、それらを確認するというためにこの意向表明書を使おうということじゃないのですか。その辺が分かりにくいと思うのですね。

川島 この取扱説明書を読みながらこのプロセスを踏むというよりは、我々が日常的にやっていることがこの説明書に書いているというイメージなんですよ。

勝村 いや、意向表明書を作って、病院使用欄まで作ったことに関して、誰がどのタイミングで書くかということが、ここを見たら分かるようになっている必要はないのですか。

川島 この意向表明書は、このプロセスを全て経ないと完成させられませんので…。

 これを確認するのはカンファレンスの場でしたね。だから、「これがちゃんとできていますか」みたいな形に多分なると思います。

勝村 それだったらそれで良いです。患者に意向表明書を書いてもらった後に、もう一度カンファレンスをして病院使用欄の3つの署名を埋めるという趣旨ですね。

広瀬 「電子カルテへの最初の記載」とあるのですけど、気持ちが変わる時があるので、そのための最初の記載ということですね。

川島 そういう可能性があるということです。

勝村 条件4の看護師長が確認するというのは、実際はほぼカンファレンスの場でやるというイメージですか。

 それが一番多いだろうけど、カンファレンスとのタイミングが合わない時もあります。

勝村 その時は看護師長が順番にサインを貰って回るということですね。分かりました。

小原 いかがでしょうか。かなり大事な点も含めて、良い議論ができたと思いますので、今日の修整を反映させた最終案を念のために次回で確認することにしましょうか。あるいは、十分に議論を尽くしたので、メールでの確認で宜しいですか。はい、分かりました。では、今日の議論を全部反映させたものを、事務局から最終確認として皆さん宛に回していただけますか。それをご覧いただき、もしご意見がある場合はメール会議としたいですが、特にご意見がない場合には、それをもって最終案としたいと思います。この議論を始めたきっかけになったのは、前にもやっていたのだけど、運用されていなかったということが一番の問題としてありましたので、運用できるようにぜひ頑張っていただきたいと思いますし、このガイドラインの本編・解説編というのは、関係ある医師には当然行くのですけども、WEBなんかにアップした方が良いでしょうか。今までのガイドラインのほとんどは倫理委員会の討議資料としてアップされているのですけども、前例に倣うのならアップされことになりますが、その点はどうですか。

冨田 後、ランチョンセミナーもやりますか。

川島 そうですね、何かそういうみんなで…、

 これは当然、電子カルテ上で見れますよね。

川島 全部がシステムに入っています。後はどうやって周知していくかということです。

 いろんな場所でやらないと…。

 ホームページに載せるのは別に問題ないですか。

 問題ないですね。

小原 では、最終案を出していただいて、1週間、10日ぐらい時間をおいて確認が取れた時点で、これまで同様に倫理委員会の討議資料としてアップしていただければと思います。はい、ありがとうございました。
では議事(3)を終えまして、最後に「(4)その他」をやりたいと思います。迅速審査に関してはありませんね。

 

議事(4)「臨床研究迅速審査報告」「治験審査委員会報告」

冨田 ありません。

小原 では、次に「治験審査委員会報告」。資料Dに基づいてご説明を宜しくお願いします。

冨田 特に大きな変更はありません。P3の分が前回からスタートしていますが、これもまだ患者さんは入っておりません。

小原 治験に関して何かご質問はありますか。宜しいでしょうか。では、「次年度会議日程」ということで、次回は2016年4月7日ということだけ決まっていますけど…、

根石 提案なんですけど、今年度は偶数月の第1木曜日を定例にしようということでやってきましたけども、年度が替わるとそれぞれ任務だとか業務が変わってくると思いますので、また協議の上で定例をどうするかというのを相談させていただきたいと思います。

小原 今年度に関しては「1年間の分をボーンと出して欲しい」という要望があったと思いますが、例えば4月7日の時点で2016年度分をボーンと出すということは可能ですか。

根石 これまでの経過からすると、ある程度、決めておいた方がやり易いと思います。

小原 では、可能であれば7日の時点で1年間の計画を出していただきますように、宜しくお願いいたします。他に何かございますか。宜しいですか。では、長時間ありがとうございました。これで第66回倫理委員会を終わらせていただきます。

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