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第六十五回 倫理委員会 議事録

日時 2015年12月3日(木)18:30~21:15
場所

京都民医連中央病院西館会議室

出席者

外部委員 原昌平副委員長、岩橋多恵委員、勝村久司委員、広瀬東栄子委員

病院委員 川島市郎副委員長、井上賀元委員、冨田豊委員、東正一郎委員、平田恵美委員

事務局 根石明彦、丸山俊太郎

オブザーバー 川原初恵、山田あや

欠席

小原克博委員長、関谷直人委員、那須徹也委員

議事

 第65回倫理委員会を開催いたします。今日は小原委員長が大学の用事で出られないということで、原が進行を務めさせていただきます。議事の予定はお手元に配布の通りで、主なものは事例検討とDNARガイドラインの見直しです。最初に委員の変更について事務局から説明していただけますか。

 

議事(1)「委員の変更について」

根石 内田委員が11月から法人の事務局へ異動になりまして、委員としては退任ということでご確認をいただきたいと思います。

 取りあえずは退任による補充はなしということですね。前回の議事録は配布の通りですので、ご確認をいただけたらと思います。では早速、事例検討の方へ進みたいのですけども、資料Bに事例のアウトラインと参考資料を載せていただいています。ご説明の方をお願いできますでしょうか。

 

議事(2)「第64回倫理委員会議事録確認」

議事(3)「事例検討」

※事例1例検討しました。

 

議事(4)「DNARガイドラインの見直しについて」

 次は「DNARガイドラインの見直し」ですが、川島ドクターの方から…。

川島 何回かご意見をいただいて修整した「改訂案3」ですが、解説編から見て下さい。P2の黒字下線付きで書いてあるところが、ガイドラインを改定した方が良いのではないかという理由になっています。良いものができていたのですけど、なかなか運用されずにいるということで、活用されるための改定ということで4項目を挙げています。「①DNARオーダーの電子カルテ上の記載場所を徹底する」…、これは徐々にではありますが徹底されてきています。「電子カルテにチェックを行うのは患者意向表明書を受け取った医療従事者」ということで、チェックをする人も特定するような形で書いています。②は「医師により説明内容に差が出ないように説明確認書の内容を改訂」で、解説書とか本文をじっくり読み込んで説明するということは非常に大事なんですけども、個人によって説明内容にあまり差があると困るということで、別紙の改訂案・説明書と意向表明書を参考にしながら説明して、意向表明書の確認をしていただけたらということです。③は「DNAR指示の妥当性の確認方法を具体的に明記」で、④が「DNARオーダーの妥当性や運用上の不備が生じた場合の問題解決方法の明記を行った」というのは倫理委員会で議論するということになっています。
 P3は、参考文献が分かるようにした方が良いのではないかということで、赤字で分かるようにさせてもらっています。P4はDNARとDNRの差が分からないと困りますので、赤字の注釈で明記させてもらっています。
 後はP10にガイドラインを実際に運用するにあたっての留意点が2項目ありますが、注釈を2つ加えました。上の方の注釈は、「早過ぎるDNAR指示の〈早過ぎる〉とは、話し合い開始の時期を示すものではなく、蘇生の有益性が残されている時期を指す」ということで、これは最初にガイドラインができた頃とは違いまして、今は元気な内からいろんなことを医療従事者と話し合うべきじゃないかという時代になってきていますので、話し合うのは早過ぎても良いではないか、そこを混乱しないようにということで注釈を付けました。2番目の「細かい医学的要件よりも、開かれた手順を重視する」で、「開かれた判断」を注釈で具体的に明記させてもらって、「病棟での定期的な多職種カンファレンスを指す」が、議論が分かれたような場合は「倫理委員会に報告し、第三者の意見を聴取して議論するのも含める」ということを加えさせてもらっています。
 P11ですが、最近かなり話題になったDNARに関する著書が出ましたので、これを参考物件に追加で加えさせていただいています。認知症の医療倫理に関する本を沢山書いておられ、東京大学で教えておられる方が書かれた「蘇生不要指示のゆくえ」です。
 本編の方は解説編に沿っていますが、文言を青字で追加させてもらっているものがありまして、P3とP4は「説明を行い、意向表明書に記名してもらう」ということが起きるので記載させていただきました。P5では6番で「患者様の意向表明書を確認する」ということをさらに付け加えているのと、8番の「DNAR指示の安全性」というのは文章としておかしいのじゃないかということで削除させていただいているのと、「職員の任務」の「2)このガイドラインに沿わない不適切なDNAR指示を知った場合」というのは「病棟師長または院長」としていましたが、院長にこういう働きは難しいだろうということで、「医長」にさせてもらっています。「不適切なDNAR指示には従わなくても良い」というのは、一々全然関係のない患者のカルテを見て「これは不適切だ」という判断をする職員が沢山いるわけではなく、患者さんに関わるカルテを見なければならない職員だけの問題になりますので、全職員の任務にはあたらないだろうということで削除しました。「8.3当該病棟師長の任務」というところはだいぶ師長室で議論になったようですけど、文言を変えさせていただいていまして、「当該患者が入院している病棟の師長は、DNAR指示が出された患者を把握し、毎週の定期の多職種カンファレンスで経過や妥当性を確認する。オーダーの妥当性や運用上の不備が生じた場合」は、いろんな議論する場所を残しておいた方が良いだろうということで、括弧で書いたのですけど、むしろ混乱するということで、倫理委員会だけを残しましたが、議論するのはどんどんやっていただければ良いです。倫理委員会は2ヵ月に1回なのでタイムリーかどうかという問題もありますが、一応ガイドラインでは「倫理委員会」という形にさせてもらっています。また「医療安全委員長の任務」が記されていたのですけども、今は医療安全委員長がDNAR指示の全体を把握することができないだろうということで、削除します。前回、「8.4診療情報管理課の任務」の各病棟のDNARオーダー率は意味がないのではないかと指摘されましたが、時代を反映して変化するのが分かるだろうと思いましたし、そんなに難しいことではありませんので、状況把握のために設定させてもらっています。以上です。

 ありがとうございました。議論が必要なポイントをクリアにした方が良いと思うのですけど…、

川島 これはかなり議論した結果を書いているのですけど。

 いや、これまでの議論を踏まえ、結果として川島さんのご意見はこうだということがあるわけでしょ。

川島 意見をいただいて提案させてもらっているのは3回目になりますが…、

川原 訂正なんですけど、8.4の「医療安全委員長の任務」がなぜ削られたのかというのは、医療安全委員長は院長なんですが、8.5にも「院長の任務」がありますので削除したということです。

 本編からいくと、基本的には色の着いているところと、8.4ですか。太字の部分も今回の改訂ですか。

川島 そうなんですけど、太字は以前の議論の中でそれで良いだろうとなった部分です。

 3P・4Pの「意向表明書に記名してもらう」というのは、こうした方が良いという意見が出たのだっけ?

根石 そうです。「行うだけでは不十分なので、記名してもらうということも入れておいた方が良いのではないか」というご意見をいただいて入れています。

 些細なことですけど、「記名」だけではなくチェックも入れるので「記入してもらう」にした方が良いですね。

川島 要するに、意向表明書にチェックなり記載してもらうということですね。

 「意向表明書を作成」というのも妙ですからね。「記入」でしょうね。

 「記入署名」…。

岩橋 通常は実質的な用語ではないと思いますが、「記名」というのは「署名」に対峙していて、「署名」は自分の姓名を書くことですが、自分の印鑑を捺すことも「記名」になっちゃうのですね。あれは「記入」なんでしょうね。

 「署名」は本人ができない場合もあって、可能であれば署名してもらうという欄があるので、言葉としては「記入」で良いと思います。

勝村 P3のAとP4のBはどちらも、1)が「記名」で、2)が「記入」になっているけど、1)と2)の関連はどうなっているのですか。

岩橋 本来、1)は「説明」だけで、2)で「記入」を規定したのではないかと思われますね。

川島 そうですね、現行のガイドラインの言葉をそのまま使えば良かったのですね。

勝村 P3もP4も赤字と青字の部分は要らないですね。

 1)があって2)が「記入」という意味ですね。1)と2)を分けているからややこしいのであって、3)が「DNAR指示を出す」という全然別のことですから、1つの作業として1)と2)をまとめて、1)で家族に説明して記入してもらい、その次に医師がDNAR指示を出すということではないですか。1)と2)と3)に分けていると、それぞれが別の行為のように見える。

岩橋 ただ、「説明を行う」というのは、3)を前提での説明を行うということではないのでしょうか。そうすると、段階を踏むという意味では、分けておいた方が良いと思います。

 3)は分けないといけないけど、1)と2)は、家族に説明して記入してもらうという意味ではないですか。順番を言っているだけではないですかね。

 いや、これは場合分けではなくて、1)、2)、3)という順番なんですけどね。説明する段階、署名を書いてもらう段階、DNARオーダーを出す段階に分かれているのです。

冨田 それと関連するのですけど、意向表明書に署名するのは患者さんか家族だけになっているのですが、説明した医師等も署名する方が良くはないですか。普通のインフォームドコンセント、例えば臨床研究なんかに使うやつは、誰が説明したかということで、患者さん側だけでなく説明する側の署名も入るのですね。で、説明すると説明した側が名前を記入して、次に家族の人に記入してもらう。

岩橋 お医者さんの名前が書いてあって、「説明を受けました」と段階的にチェックをするようなものになっていませんでしたか。

川島 僕が作ったやつは医者の名前を書いたはずなんですけど、これは以前のものになっていますね。

勝村 医師や看護師の署名欄があるのなら、1)は「主治医と看護師が記名する」という文章にしたら良いですね。

 前は欄があったのですか。

勝村 欄はあるべきだと思いますね。後々に誰が説明したか分かった方が良いですから。

寺前 中央病院の同意書の形として、医師の名前とその下に同席者、まぁ看護師の名前ですね、それを書かないとダメなんです。それと、説明された後に「分からない。もう一度説明してくれ」というのもないとダメだし、「もし、嫌だと言った場合も治療に不利益が及ばない」というのもないとダメですね。で、1)のメインは看護師の同席ということが主なんではないかなと思います。なので1)と2)が分かれているのではないかなと思います。

勝村 だから、「医師が記名する」という手順にしたいですね。

川島 そうですね。だから1)は「意向表明書に記入してもらう」は要らないですね。

 では、2)のところで「医師と看護師が署名する」と書きますか。

勝村 いや、書くのだったら1)の方が良いです。

 1)じゃないでしょう。

川島 だから1)は同席するだけみたいなことです。要するに、多職種がその場にいるということが1)。

勝村 説明を受けてからゆっくり考えることもあって、1)と2)には時間差があるということですから、誰が説明したか分からなくなってしまうこともあるので、「医師と看護師の名前を書く」でも良いと思いますよ。

 1)にですか。

勝村 書かなくても良いですけど、書くのだったら1)だと思う。

 そうですね。1)は「説明をして自分達のサインをしなさい」ということですね。その後、「家族がそれを聞いて家族のサインをしてもらう」というのが2)ということですね。

冨田 書類上は普通、「患者・家族」が先にきて、その後に「説明者」という書き方ですよね。

 同意書はどうやった?

川島 上が医療従事者の名前ですね。

 上でしたね。それで「説明は○○がしました」という形ですね。

冨田 臨床研究では多分、だいたい説明した側を下に付けることが多いと思いますが、拘りません。

 意向表明書はいわゆる一般的な同意書の話とは違うと思います。本人意思の場合はまだ良いと思いますけど、家族が意思を推測するというような場合は、説明した時に記入できるかどうか分からない。ただ、ここで書くのは説明の責任のことを指しているのか、これを書いてもらった手続き、意思表示そのものの確認という意味も入ってくると思うのですよ。

岩橋 病院として説明した人が誰かというのは、だいたいカルテとかに書いていますよね。だから「誰が説明したのか」と聞かれたら、それを言えば良いと思うので、わざわざ署名は要らないのかなと思いますけど。

川島 そうです、手順書ではない。

勝村 同席することを手順に入れるのだったら、書いておいた方が良いと思います。よく看護師のサインを書いていなかったら「看護師はいたと思うけど、誰か分からない」という話になってしまう。看護師が忙しい時に医師が勝手にやってしまうこともあるので、同席するのだったら看護師が書く欄もあるべきだと思う。ガイドラインに書かなくても、文書に欄があれば書くでしょう。

岩橋 ただ、もし意向表明書に入れるとしたら、「○○医師から説明を受けました。○○が同席していました」みたいな形だったらあるのだけど、説明した人の署名を書くというのは、意向表明書のイメージには合わないような気がします。意向表明書のスタイルというのは、その人がそれでもって「この人に説明してもらったのだな。この人に同席してもらったのだな」ということが分かり易いということであれば、それは良いのかも知れないけれども、意向表明書にそこまで書く必要があるのかという気はします。

川島 説明書の方に説明者の名前を書きますか。確かに意向表明書に説明者の名前が書かれているのは変な気がします。

 切り離すと確かにねぇ。説明書の方は患者側に渡すのでしょ。ただ、意向表明書の文面を生かすとしたら、今言われたように「医師から十分な説明意を受け、理解しました」という文面を「何々について医師○○、看護師○○から十分な説明を受けました」みたいな形で、ここに説明した人の名前を書けば良いですね。「理解しました」とかいう後のチェック項目はずらさないといけないですけどね。

 いずれにせよ、それが必要だということでしたら、説明者欄と確認者欄の両方が要ると思いますけど。

勝村 元々あったのは説明者欄ではなくて確認者欄ですか。

川島 提案したのは、通常の説明同意書と同じ書式で書いたので、説明した人の名前ですね。

勝村 意向表明を確認しましたという確認者の欄ではないですね。

 そういうものを分離するということまで考えていないから…。

広瀬 私ら、患者としては名前が書いてあった方が安心です。

勝村 最初の「医師から説明を受けて理解しました」というところに「医師○○、看護師○○」とやれば、確認者を書くというのは要らないような気がする。

 それは、責任の所在として署名するということですよ。

勝村 責任は患者・家族が最後に自分で表明しているということですね。

 いや、表明しているのだけど、その意向表明が本当であるということを確かめたということで、歪めたりねつ造したりしていませんよという確認です。確認者というようなものは付いていないのですけど。

広瀬 それは普通、主治医ですよね。患者のことをよく知っている人なら安心というか、納得がいきますね。

冨田 「説明及び確認者」というふうにしたら…? 説明した人が確認をするというのが普通でしょうから、どちらでも良いと思います。

 いずれにしても説明した側の欄を作るということですね。

 はい、それはそうしましょう。良識があったらマニュアルまでには書かなくても良いと思いますけど。

根石 今は説明者・確認者ということでしたね。ガイドライン本文で「同席する」というのがあれば単純に、説明したらその人が確認するので、「説明者・確認者」とするより、むしろ、説明者と同席の看護師の名前を記名しておいたらスッキリするのかなと思うのですけど。

 いや、説明と確認を医師と看護師で役割を分けるという意味では言っていないですよ。

根石 「確認する」という意味がよく分からないのですけど。

岩橋 「同席」の意味が、注2)によると「患者の立場に立って、心理的サポートを行うように努める」ということにしていると、説明に同席しましたと署名をするというところが、どう意味になるか…、

根石 説明者と確認者が別れている意味がよく分からないのですが…。説明したらそこでコミュニケーションを行って、説明しながら確認しながらするので、わざわざ「確認しました」としなくても、当然、含まれるのではないかと思うのです。だから「説明した」というのは通常「説明して確認した」という認識になると思います。

岩橋 説明と意向表明にタイムラグがある場合は、「説明も確認もしましたということになるのかどうか」という状況はあると思います。

勝村 勝手に偽造するとかいうことを避けたり、一方的な説明にならないように、看護師に同席してもらうのであり、2人以上で示し合わせるということも普通はないから、2人で説明して、2人がサインしたものを病院が保管しておくのであって、逆に「確認」という署名をしたところで、それを偽造しようと思えばできるので、この用紙に関しては確認の署名はあまり意味がないから、誰が説明し誰が同席したかが後で分かるように、最初に「○○医師が○○看護師の同席の下、説明を受けて理解しました」というぐらいで良いと思う。

 ここに名前を入れますか。

勝村 名前を入れた方が、原さんが心配されるような変なことは起こりにくいと思います。

 私は、新たな医療行為をするという話ではないので、医師と看護師が名前を書く欄があったらそれで良いという感じです。

岩橋 それが本人の真意ですよという意味の方が重要だと考えているというなら、確認の意味での署名が必要ということになりますけど。

勝村 だけど僕が患者だったら、自分が署名しているから事実だと思って欲しいし、それを医師が確認して初めて事実になるというのは、なんかおかしな話だと感じる。誰が説明したかという話に関しては、その人の説明を受けて僕が判断したので、説明した人の氏名は残しておいて欲しい。

 署名をねつ造したって分からないじゃないですか。

勝村 だけど、確認者の欄に医師の名前を書いたところで、ねつ造しようと思えばできるじゃないですか。

 だから医師に看護師を付けるのでしょ。

勝村 2人に確認させるということですか。

広瀬 お医者さんと看護師さんが説明しはったことを、全く違う部署の医事課とか院長さんが「ホンマもんです」と書くのですか。

 確認者とかそういう言葉はやめましょ。私はハッキリ言うと、従来通りの様式で構わないという意見です。

広瀬 説明者の名前を書くということね。

 えぇ。

平田 川島先生の元のは「医師○○、看護師○○」というのでしたか。

川島 説明同意書と同じ様式だと思います。

勝村 前の様式はあるのですね。それで良いです。確認者の2人の名前を書くということで良いと思います。

 通常はそれが説明者と同席者だと思いますけどね。区別して書く必要まであるかと思います。

勝村 ないと思います。

 だったら、それで良いんじゃないですか。

冨田 良いと思います。ただ、医師は上に書くのですか。下の方に書くのですか。前は下にあったのですか。

平田 多分、上ではないかと思います。

川島 説明同意書と同じ書式で提案したと思います。説明同意書は上にあります。

 手元に実物がなく、前の様式が分からなくて埒があかないので、今日に確定させるのは諦めます。作業が手間取って仕方がないのですけど、様式は重要であるので…。

川島 では次回…。

勝村 もう1つ…。ここは前も拘ったのだけど、説明書の最初に「医療従事者は心肺蘇生を実施します。しかし、死が差し迫っており、かつ心肺蘇生法を開始してもその効果が殆どないと考えられる方が心肺停止した場合は、実施しないことがあります」と書いてあるじゃないですか。例えば僕は、自分の親でもそういう状況だなと思ったら、もうやらなくても良いのではないかと思っているのですけど、その下に説明として「一旦は再開する可能性が40%あると言われている」と書いてあるじゃないですか。例えば僕は、40%も生き返るのだったら絶対にやってもらおうと思っちゃうのですね。一般論としての心肺蘇生法の確率が、死が差し迫っていて、かつ心肺蘇生を開始しても効果がないと考えられる方が心肺蘇生した場合でも同じ40%なのか、そうではないと思うので…、

川島 この数字は、ただ心臓が動くということで、心電図上で一旦は鼓動が再開するという意味です。しゃべり出すとかそういうことではないです。

勝村 ほんの一瞬という意味?

川島 3時間なのか、5時間なのか、1日なのかはちょっと分からないですけど。

勝村 死が差し迫っていて、かつ心肺蘇生を開始しても効果がないと考えられる方でも、実感として40%ぐらいは一旦再開するわけですか。

川島 全部を引っくるめたらそうかも知れませんが…、

井上 本当に短い時間、1分以内ということもあります。

勝村 この説明は、最初の3行の前提で受けるわけですけど、聞く人からしたら、「一旦は再開する」というのが、ほんの短い時間、ただ心臓が動くだけと正しくイメージできず、2~3日は生き返るのかなとイメージする人がいててもおかしくないでしょう。

 文章でその説明をするのは難しいのではないでしょうか。

勝村 この40%を書くことが必要かどうかということで、書く限りはきちんと説明することが必要でしょう。

 数字を書かないとかえってあやふや感が出るということで、数字を書いた方が良いだろうと…。

勝村 逆に僕は「この40%という数字は違和感がある」とずっと言い続けているのですよ。

 数字を書かない方が良いという意味ですか。

勝村 書かないとまでは言わないけど、書くのだったら丁寧に書いて欲しいと思う。今、お話を聞いて僕はイメージを新たにできたから、それを上手く表現できないか。

 何日間も心臓が動いている人もおるのではないですか。

勝村 最初の3行の前提でですよ。それでも何日も生き返るのですか。

川島 その前提はDNARの定義に繋がる文言なんですけど、40%というのは純粋に入院患者に行われた心肺蘇生法の手技の効果なので、心筋梗塞で心臓が止まった人も全部含まれていると思います。

勝村 そこがこの文書では丁寧ではなく、40%は生き返ると思っちゃう。

冨田 私もこの数字はあまり賛成できないです。やっぱり生き返るというイメージを持たれると思いますね。目が開き、上手くいけば声が出るくらいに、素人はイメージしそうに思うので、言葉で表したらどうですか。

川島 この説明書を患者・家族の方に見せながら医師が説明するので、この40%の意味は説明すると思います。

勝村 説明に振れがないようにするために、説明書を作っているので、ニュアンスを書いておく必要がある。

川島 本になりますよ。

 これが例えば10%とかだったら、かなり少ないというイメージになるのですけどね。

勝村 例えば「心筋梗塞とか若い人々も含めたことでは、論文によるとそういうデータがあります」という書き方をしておくとかね…、

川島 括弧付けでですね。

勝村 そう。このお話の展開だと、上に繋げてイメージしてしまう。

川島 1番は純粋に心肺蘇生法の効果と副作用についての説明なんですね。

勝村 その1つ上で、死が差し迫って効果がないと思われる場合の心肺蘇生の話をしているので、その後でいきなり一般論の数字が出てくるのだったら、そのことを明記するべきです。できるだけ正しく情報を伝えなければいけないと思う。

岩橋 ただ、効果が殆どないと考えられる方の率を出すのはかなり難しいだろうなということもあるのと、一般論として心肺蘇生法がどれくらいの効果があるかの説明をした上で、なおかつ効果が殆どないと考えられるから選択しない人もいますよというふうなことで、データとして出す分には、こちらの方が正しいのではないでしょうか。その中で判断すべきだということになるのではないかと思うのですけど。

勝村 いや、論文を僕らは読むわけじゃないから、客観的なデータとして書くことは良いけど、いきなり「心肺蘇生法は普通はするけど、しない場合がある」と書いておいて、次に普通の話をするというのだったら、「これは上の3行に絞った話ではなく、一般論全体の話ですよ」と書いておく必要があるという意味です。

岩橋 「心肺蘇生法について」と書いているのは、一般論を書いているという趣旨でこういう表題にしてあるのかなという感じはしますけど。

川島 そうですね、1番はあくまでも一般論で「心肺停止した場合、当院では原則として心肺蘇生法を実施します」と書いてありますよね。

勝村 一番上で「死が差し迫っていて効果がないと考えられる心肺蘇生の話ですよ」としているのだから、1番で一般論を伝えるのだったら、「効果がないと考えられる場合だけでなく、効果があると考えられる場合も含めた一般論の心肺蘇生法のデータはこうですよ」と、その旨をちょっと書き足した方がミスリードしないと思う。これではミスリードすると思いますよ。僕がしたし、やっぱり書いて欲しい。

 どうしましょうか。

川島 幾らでも書き加えられますけど、文章が多くなってしまう。

井上 やっぱり誤解を生むような表現は難しいし、当然、研修医とかも説明する場面があったりするので、こういう詳しい議論を踏まえて説明できるかどうかと思いますから、やはり「一般的には~」とか、「院内での心肺停止を調査した中では」というのがあった方が良いだろうとは思います。

 それと、繰り返しになるということで2番を消してあるけど、もう一遍ここで同じことを言った方が良いと思うのですね。最初に前置きがあるでしょ。で、1番に一般論としての心肺蘇生法が出てくるのだけど、その後の2番で「しかし、死が差し迫っていて、その効果が限定的であると考えられる場合、蘇生できる可能性が極めて少ないということが予想されます」というようなことを繰り返しても良いのではないかと思う。そうしたら「上は一般論で、今言っているのはもっと条件が悪いことなんだな」ということがもう一回分かるのではないですかね。

勝村 普通の家族がこの説明を受けても、聞く能力は色々あるので、聞いても理解しきれなかった方が慌てて説明書を読み直して、40%を見たら、絶対にやってもらおうという人が増えると思う。

 「実際には40%もありませんよ」というニュアンスのことを、ここでもう一回繰り返して言えば、誤解は少なくなると思う。ただ、一般論としてこの数字が出ているのだったら、これを隠して誘導することはいけない。

勝村 だから、出すなというのではなく、正しく出した方が良いということです。

川島 きちんとしたデータがないので困っているのですけど。そもそもこれを提案するのは、新派蘇生の効果があまり期待できないゼロに近い人に提案するのですよ。

勝村 そういう人達にも「やっても良いよ」という選択肢を与えているわけだから、そういう人が「やった場合はどうなんだろう」と見て、そこで40%という数字が出てくるから、こういう場合も40%ぐらいは少しは戻るのかなと思ってしまっても無理がないと思うので、そうならないような断り書きが必要だと思う。

 それでは論文をもう一回読み直していただいて…、

川島 新しい論文というのはなく、20年近く前の論文になりますので、それを読んだところであまり患者さんへの情報は…、

 それは良いのですけど、どういう条件で採られたデータかは示せると思うのですね。

川島 それを書き加えるということですか。

 院内サイドで改訂案を作ってもらわなければ仕方がないと思うのですが、こうやって色々出てくるので、お一人ではなくて、複数で相談してもらってやっていただく方が良いように思うのですけど。

川島 それはそうですね。

 過去にこの場でどういう議論をしたかという自体、皆が忘れているので、分からなくもなるのですよ。だいたいの合意に基づいてこの案を書かれているのか、改めて川島先生の考えとして書かれているのか分からないところもあって…。

川島 私の意見は一切反映されていません。

根石 院内での医師の集団としては議論できていないのですけど、終末期に関する協議をするような検討チームができまして、そこでも集団で意見を出していますし、倫理委員会の事務局の中で倫理委員会の議論を受けて中身の検討をしてますので、集団的にしてはいるのです。提案されたのは川島先生なんですけど、意見のやり取りをしながら、倫理委員会で意見を出されたのを反映して、何回も修整してきたという経過です。ただ、元々のガイドラインができた当時の人達の意向がどうだったとか、今、実際に使っていて使いにくいというようなこともあって、現状を反映した上で修整していくのがちょっと難しい面もあるということではあるのですけど。

 例えばP5の8.3は、「倫理委員会に報告するという話で良いだろう」ということでまとまったのでしたっけ。

根石 これを議論した時は、あまり分散して多く書いてあったらということで、文言としては「倫理委員会だけを残したら良い」という話になりました。また、ここの議論でポイントになったのは、DNARの状況を誰が把握するのかというところで、最終は院長というのがあるのだけど、どこまで院長が具体的に関われるかということで、現場毎に一定の状況を把握するとしたら、病棟師長だったらできそうということになり、病院全体の状況の把握は、業務的には病棟委員会というのがあるので、病棟委員会にその状況を報告することが適当かなということで、病棟委員会という文言が出てきました。ただ、「率だけ報告していてもあまり意味がないな」というのがこの前の原さんの意見ですけど、この前、院内の病棟毎にどれだけの率があるのかというのを出すと、病棟毎に患者層も違ってくるので偏りがあって、何十人もいる所から全然いない病棟もあるのですけど、そういう偏りがあるのならむしろ病棟際で、対象の患者さんがいる所はきちんとそこの病棟で管理しながら、どこかに報告するかして、把握していけば良いかなと思います。

勝村 P5~6は実際に形になっていっているし、ゆくゆく問題が起きても、そこを変えれば良いだけですよね。

 先っきのダブル部分は、前半の方が長いですから、後半は要らないですね。そんなとこですか。
 基本的に病院内のコントロールは、師長がそれぞれの病棟でやって、全体状況は、データを見るという意味で情報管理課が把握するが、個別把握まではやらないということですね。それで良いですか。ちょっと宿題は残ってしまいまして、いつまで経っても終わりませんけど、すみませんが次回に…。
 次ですが、臨床研究の報告は今回なく、治験審査委員会の報告は必要なことはありますか。

 

議事(5)「臨床研究迅速審査報告」「治験審査委員会報告」

冨田 10月・11月は2つの多発性硬化症の治験と視神経脊髄炎に対しての治験が続いていますが、大きな問題はなく、順調に進んでいます。来月から新しい視神経脊髄炎の薬の治験を始める準備を今のところしています。

 はい、ありがとうございました。それでは本委員会は宜しければこれで終わりたいと思います。ありがとうございました。

 

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