倫理委員会

Home > 倫理委員会・臨床研究 > 倫理委員会 > 議事録・議事要旨 > 第六十二回 倫理委員会 議事録

第六十二回 倫理委員会 議事録

日時 2015年6月4日(木) 18:30~20:30
場所

京都民医連中央病院西館1階第一・二会議室
太子道診療所3階多目的室

出席者

外部委員 小原克博委員長、原昌平副委員長、勝村久司委員、広瀬東栄子委員

内部委員 川島市郎副委員長、内田寛委員、冨田豊委員、東正一郎委員、平田恵美委員

事務局 影山大悟、根石明彦、丸山俊太郎

オブザーバー 本井真樹

欠席

岩橋多恵委員、関谷直人委員、井上賀元委員、那須徹也委員

議事

小原 第62回倫理委員会を只今より開始させていただきます。お手元にある議事に従いまして進めさせていただきます。お手元の資料には前回の議事録がございますので、何かあればお指摘下さい。今日の1番目の議事は事例検討ということで、資料Bに基づいてまずご説明していただきたいと思います。宜しくお願いします。

 

議事(1)「事例検討」

※事例1例検討しました。

本井 ありがとうございました。大変参考になりましたので、病棟の方にも報告して…、

小原 そうですね、シェアしていただければと思います。
では次の議題ですけども、「DNARガイドラインの見直しについて」ということで、お手元の資料Cの後半に現状のものが付けられておりますけども、いろいろ書き換えられたものが前半にあります。今日に決定して運用ということではありませんので、改訂案を説明していただき、ここで議論したものをさらに院内で揉んでいただいて、時間を掛けて最終案を作っていきたいと思います。ではご説明を宜しくお願いいたします。

 

議事(2)「DNARガイドラインの見直しについて」

川島 資料CのP1に前回の議論を参考にしながら作成した改定案の要旨があります。改定の目的は診療の流れに合った運用し易いガイドラインを出すということで、折角しっかりとしたものを作っていただきながら運用できていない現実を、なんとか運用できるガイドラインにということで、改訂させていただきました。
①は前回に出ましたが、DNARオーダーの記載場所の徹底。電子カルテを確認しましたら、確かに師長さん方が言っておられたように、記載場所をしっかりと確認できるようになっていましたが、実際にDNARの確認が必要条件になっている緩和ケア病棟では、半分以上でチェックが抜けていました。場所の徹底や誰がチェックをするかも徹底されていないので、これを徹底するようにということを挙げさせてもらっています。
②は医師による説明内容の差がないように説明確認書の内容を変えていくということで、P9~10にありますが、前回の意見をいただいて文章を直したのと、前回には欲張りましてアドバンスケアプランニングのチェックも含めましたけど、DNARガイドラインはDNARのことだけにした方が良いということで、それは削除させてもらいました。で、ガイドライン本文と矛盾がないような形で整理しておかないと指摘されましたので、そういう内容で書かしてもらったつもりです。
③は当該病棟師長の役割強化で、実際はDNARオーダーの確認や適切に運用されているかどうかのカンファレンスとかは、各病棟に任されている面が多いですので、やっぱり師長さんに担ってもらおうということです。
④は、医療安全委員長イコール院長ですけども、院長の役割としては不可能な内容になっていますので、院長も職員の1人として監視していただく義務は維持していただきますし、常務会などの管理会議のルートで状況を把握してもらう必要はありますが、ガイドラインの流れとしては院長の任務を明記しないことにしました。実際はDNARオーダーが出された後にどんな流れになるかと言うと、ガイドラインに則って主治医が指示を出し、病棟カンファレンスで集団的に議論をして問題のないことを確認し、病棟師長がオーダー数や患者リストを把握して、病棟医長と病棟委員会に報告し、そこから常務会と院長に報告するということになります。これは通常の臨床で決定された時の流れでもありますので、通常の流れに乗った方が運用されやすいのかなと考えました。
で、ガイドラインに沿った具体的な内容というのは既に修文していまして、P7~8にあります。現ガイドラインの上に二重線を引いてある部分が修文、波線が補筆という形で表しています。
「6 DNAR指示の妥当性の確認」ですが、1)は「関わる職員は皆が目を配りながら」ということで、これは非常に大事な面ですし、この職員の1人に院長も入っているということで、この文章は残します。2)は、実際に主治医が指示を出した後、1ヵ月毎にそれを評価するのは難しいということでしたが、病棟では毎週のようにカンファレンスが開かれ、集団で議論した結果がカルテにも反映されますので、ここで議論した結果を師長がカルテに記載し、病棟委員会の方にも報告するということにしました。毎週開かれる「カンファレンスで確認する項目」は現ガイドラインにはないですが、妥当性の評価として、「病状に変化はないか」「患者・家族の意思に変化はないか」「CPR以外の必要な治療やケアに差し控えはないか」という、必ずチェックしなければいけない項目を具体的に追記する提案をさせてもらっています。
「7 DNAR指示の取り消し」の項目ですが、これも「集団で議論して」という流れに波線で記載しています。
「8 DNAR指示の安全性、倫理性確保の為のチェック」では、「8.1 職員の任務」の2)は不可能なことが書かれていますので、削除させてもらいます。「8.2 主治医の任務」は現ガイドラインそのままですが、「8.3 当該病棟師長の任務」はこの改定案の柱である病棟師長の任務の強化ということで、具体的に「カンファレンスの運営、病棟医長と病棟委員会への報告、患者・家族に対するケアの質の評価」を挙げました。また、「8.4 医療安全委員長の任務」は現実的に不可能なので削除。医療安全委員長イコール院長ですが、8.5の「院長の任務」は現ガイドラインにもあります。以上です。

小原 ありがとうございます。ご説明いただきましたように、現行のものからの変更点が分かり易く記載されておりますので、まずその辺り、特に修整点を中心にご質問・議論を自由にしていただきたいと思います。

 手続き的な質問ですけれど、病棟委員会というのはどういうものですか。病棟毎にあるのですか。

内田 病棟医療分野の委員会で、11ある病棟の師長の全員と、医師は全部の病棟医長は入っていないのですけど、内科・外科を含めた主だった医長が入っていて、職種横断の形でやっていますので、技術系の職員も主だった者が入り、後は事務という構成ですね。

小原 全部で何人ぐらいいて、どのくらいの頻度でやっているのですか。

内田 全員で30人近くいまして、月に1回です。後、事務局というのがありまして、そこで全部の運営の整理をして、病棟委員会の全部の情報を集中して確認するみたいなのがあります。

 要は入院医療に関しての全体を把握するような委員会ですね。

内田 そうです。そして、それが常務会という院長のところに全部上がっていくわけです。

小原 8.1の「2)このガイドラインに添わない不適切なDNAR指示には従わなくて良い」というのは、元からあるやつかな。

川島 それは元々ありますね。

小原 元々あったやつの番号を変えただけですね。

 非常にしょうもないことですけど、「添わない」の字は「沿わない」ですね。

小原 ついでに直しますが、誤字がずっと残り続けていたということですね。

川島 P9の説明確認書の文章の方ですが、患者・家族が見たら傷付くような表現はないかとか、ちょっと不適切な表現はないかとか、そういうことも含めてご意見をいただけたらと思いますが…。

小原 現行のものと比べると、かなり変わっていますね。

勝村 話を戻しても良いですか。お医者さんというのは各科毎に医長がいると思いますが、それとは別に病棟毎の医長というのがどこの病院でも必ずいるのですか。

川島 その病棟の責任者の医師という意味では、大概の病院はあると思います。

勝村 病棟委員会というのは、日本中のどこの病院でもあるのですか。

川島 入院医療部門のことを報告なり話し合われる委員会はあると思います。

勝村 各病棟を統括する入院医療のトップの会議というのは、ほぼ日本の医療機関で病棟委員会と呼ばれているのですか。

内田 別の名称のところもあると思います。大きくなればなるほど病棟の性格が違ってきまして、病棟が臓器別になったり科毎になると思いますが、病院としての決め事というのはありますから、職種の横断的な決め事は当然、各病棟が勝手にやるわけではなく、お薬なら薬剤科がきちっとそのことについてやっているので、そういったことも含めた決め事を確認するようなことはどこでも必要だと思います。人の管理とかは、全病棟の看護師長が病棟委員会に入っていますが、看護師は看護師の部門のラインがありますから、そこできちっと管理していただきますので、主に職種横断的なことに関わっています。

勝村 医長とか師長というのは素人でもイメージできるのだけど、病棟委員会という単語はどういうものかイメージできないですよね。

内田 ただ、病棟委員会が患者さんの前に出てくることはまずなく、実際には各病棟の師長や主治医とかそういった方が接しますね。

冨田 現場監督の集まりみたいなところです。

勝村 ただ、これを公開して一般の患者も見るとしたら、病棟委員会のことが分かるのですか。

 それが分からないから、先っき質問したのですけど。なんだったら「病棟委員会(病院内の入院医療に関わる責任者が集まる会議)」とか…、

冨田 実務責任者みたいな感じですよね。

 病院で1つのものやということがちょっと分かるようにした方が良いかとは思います。

小原 ただ、病棟委員会という表現は患者向けの文書には出てこないと思います。

勝村 ただ、このガイドラインは内向けなんだけど、職員以外の人も見られるようにした時に、病棟委員会が病棟内の会議なのか病棟を横断した会議なのかは、一般的には分からないと思う。

川島 P1の「DNARオーダーが出された後の流れ」というのは、ガイドラインに載せていただこうという趣旨ではなくて、前回の議論で原さんの方から「現場でチェックが完結してしまって問題がないのか」というご意見が出されたのですけど、現場で完結するものではなくて、皆で状況を把握しながら確認し合う場所が院長のところまでありますよというのを、できるだけ分かるようにした方が良いかなと…、

 そのシステムは分かりましたが、外部の人とかが見た時に病棟委員会が病院内の全体を束ねているということが分からないので、丸括弧か何かで補足しておいた方が良いかなと思います。

川島 ですから、この流れの部分はガイドラインに載せていただくつもりは全くなくて…。

 でも出ているでしょ。

勝村 P7ですね。

川島 そうですね、何回か出てきてしまいましたね。分かりました。

小原 議論の場という結構大事な部分ですから、ここが一義的に分かるような説明があった方が良いですね。
それから、改定案の説明確認書についてお聞きしたいのですが、現行のものと比べるとより詳細になっている気がするのですけども、どの医師でも同じ説明ができるようにこの説明確認書を使うということですよね。で、現状ではこれぐらいのことを説明されていると理解して良いのですか。例えば「副作用として胸部の真ん中の骨が折れますよ」といった辺りのことは、ごく普通に説明されていると理解して良いのですか。

川島 ガイドラインには書いてありますが、バラツキがあるのではないかという不安もあります。

小原 その辺りで実際にされていることと、目指していることとのギャップを確認したいのですが、これが決まった場合、これに沿って説明するわけですから、「副作用の確認」というところも患者さんに対して問題なく説明できるような状況があると理解して良いのですか。特にここは、患者さんからすればあまり聞きたくないようなことが結構含まれていますよね。「今はバラツキがある」と言われたように、患者さんへあまりストレスを掛けたくないという配慮で言わない人もいれば、正確を期して、全て言われている人もおられると思うのですが、もしこれが決まったら、こういうことを快くきちんと説明して下さると考えて良いですか。

川島 選択項目もありますが、どうしても抜け落とせない中身として必要最小限のことを書いたつもりです。

小原 ですから、全員にこれぐらいのことは言って欲しいという内容だということですね。分かりました。

勝村 今まではP11~12の説明書を渡した上でP13の確認書を使っていたのを、P9~10が説明書も兼ねるという意味ですか。

川島 実際はP9~10が渡されることになります。

小原 現行のP11~12は、これまで渡されていたのですか。

川島 これは渡されるべきものだったのですが、それが運用されていないのです。渡っているケースもあるかも知れませんけども。

勝村 だから、P11~12の内容を説明確認書にコンパクトに入れ込んだというのが今回の改定の趣旨ですか。

川島 実際に患者・家族に話をする時に、説明同意書を見ながらお話をすることが多いので…、

勝村 実際に渡されるべきだが渡されていない現行の説明書の扱いは、今回の改定案ではどうするのですか。

川島 ほぼ同じような中身がP9に入ってしまっているので、P11~12は要らなくなるかも知れませんね。

小原 これまで渡されなかったP11~12の内容を、P9にまとめてP10とセットで説明してお渡しするわけですね。

勝村 だから、P11~13の3ページ分がP9~10に代わると理解して良いのですね。

 でも、DNARの話を切り出すのもやりにくいから、この説明書とかを入院する人みんなに渡してしまうという話になっていませんでしたか。

広瀬 現実にはやられていますね。高齢者には「いざという時はどうしますか」と入院する時に聞かはりますと、患者さんから聞いたことがあります。

小原 それは、入院する時にほぼ機械的にされているということですね。

広瀬 「家族の人が聞かれた」と言われている人はいました。

小原 それは、タイミング的にはターミナルではなく自動的に…、

広瀬 つい3ヵ月ほど…、もうちょっと前かな。

小原 最近にそうなったのか、前からそうだったのか、どうなんでしょうね。

広瀬 前はあまり聞いてなかった。

 ここで「運用をどうするか」「これをいつ渡すか」という話をした時に、「皆に渡します」と…、

勝村 入院の栞みたいなところに入れちゃうみたいな…、

 そこに入れちゃって、一々その話を具体的にするわけではないけれど、取りあえず渡してしまうみたいな感じにしていた。

小原 最初はそうなっていたのだけれども、後日に確認すると、そういうのがなくなっていて、運用もされていないということが分かって、もう一度、今やっているのですね。

川島 病棟委員会に確認されないと渡されないのですけど、だいぶ体が弱って入院される方と、二十歳でお尻の手術をされる方に、一律に渡すというのはなかなか難しい。

勝村 だけど当時の議論は、選んで渡すよりは一律の方がまだ渡し易いという感じ…。

川島 渡るという意味ではそうですよね。ただ、何もこちらから話もなく、ただ渡されても、難しい問題ではないかと思うので、渡された方の為にならないかも知れませんね。

小原 そこは前も時間を掛けて議論したところなんですが、では「どういう人に渡して、どういう人に渡す必要がないか」という境界線がハッキリしますか。

川島 ですからそれは、説明確認書の「現在のあなたの病状は、1.〜、2.〜、3.〜」。

小原 これに対応する人ですね。分かりました。

広瀬 「蘇生を行った場合〜稀に退院できる場合もあります」と書いてありまして、これは10%以下ということなんですけど、書く必要があるのでしょうか。これを見ると、例え10%以下でも迷うと思うのですよ。

小原 これは医学的なデータとしては出しておいた方が良いという判断ですよね。

川島 やることによる問題点、やらないことによる問題点は一応、情報として伝えなければならないのではないかという…。表現の仕方にはいろんな意見があると思いますけど。

広瀬 「退院」と書いてあると、ちょっと…。

冨田 「10%」というのに何か根拠はあるのですか。

川島 これはガイドラインに載っていると思うのですが、ある論文にそういうデータがあるという程度のものだと思います。10%以下というのは0.1%かも知れませんし…。

内田 「10%」と書いていたら、10にしか目が行かないので、10人に1人だと思ってしまう。

小原 10人に1人だと多いですよね。

川島 あまりこういう臨床研究が進んでいるわけではなくて、データも古いものしかなくて…。

冨田 多分、統計上に出すというのは至難の業で、対象をどう選ぶかでもかなり数字が変わりますから、ここでの対象はかなり状態の悪いイメージなので、予想より高いということで…、

小原 この数字は微妙ですけど、「10%以下という確率」と読めば、10%を僅かに切るぐらいの確立、つまり9.5%とか9%ぐらいを想像する人が多いと思います。10人に1人なら、自分も助かるのではないかと思いますよ。

川島 そうですね。

小原 10だと僅かではないと思うのですよ。

川島 そういう事態に陥った場合に助かりたいと思う人は、そもそもこれに同意しないとは思います。ただ、誤解を生まないように「僅かな確率で」ということにします。

勝村 今までは、P11~12の内容を患者に説明したら良いのではないかと言ってきたわけですよね。そのP11で心肺蘇生の効果として「一旦は再開する可能性は40%ある」という表現をしていますが、P9でこの表現をやめてこっちの表現に換えた理由は何かあるのですか。

川島 一旦は再開する可能性が40%というのは、実は意識が戻るとかではなくて、心電図上で心臓がちょっと動くということなんですけど、これが40%あることはあまり患者・家族にとって有効な情報とは思えないですね。

勝村 事実としてデータが古くなっているということはない?

川島 データも古いですし、そういう研究をこれから先もされない可能性が高いのですけど。つまり、心臓がただ自分の力で動いているだけの数字が40%ということで…、

 …だけの数字とは限らないでしょ。多少の意識が戻っている者もその中に含まれるわけでしょ。P11~12の説明を変える必要性がどこにあるのかと…。で、改定案の方で見ると、例えば病状の例を挙げることにニーズがあるのかも知れないなという気がするのですけど、あるいはそこのエビデンス部分を修正する必要があるのだったら修整をしたら良いと思うのですが、どういう理由でどう書き換えた方が良いというのを示されないと、改定趣旨がよく分からないですね。例えば現行の前文のところから始める方が分かり易いような気がしますし…、

小原 そうですね、説明文としてはこういうのがあった方が親切な感じはしますね。

 例えばP12の5番には、病状進行以外の心肺停止時の対応についての説明もありますが、それが抜けていたり、6番の「意向は変えることができます」ということが入っていなかったりするので…。

川島 数字を書いてしまうと、実際にどれぐらいの確率なのかは知る術がないので、こういう数字による表現は避けた方が良いということですよね。

 避けた方が良いとは思わないですけど、データがあるのなら別に書いても良い…、

川島 そうですね、自分の身に直接反映されるような数字であれば、あった方が良いかなとは…、

勝村 P11~12の現行のものが使われなかった理由が、倫理委員会で「これを全員に最初から配れば良いじゃないか」とした配り方の手法が現実的でなかったということだとしたら、これからは、P9に選択肢で挙げられたような条件の人に渡すという形に変えることによって、P11~12が使えるのだったら、P11~12の一部を変えることはあっても良いと思うのですけど、基本的に沿った形でやってもらった方が、過去にかなり議論して作ったものなので、安心感はあります。

小原 つまり、P9のものは省略され過ぎているということですね。

勝村 そうです。P11~12の中身に問題があるから変えるということなら、どんどん変えていったら良いと思うのですけど、全員に渡すということの問題で使われていなかったというのなら、現行の方が患者からしたら良いような気がする。ただ、どんどん新しい目でバージョンアップできるならした方が良いとは思います。

小原 それは一案だと思うのですね。とすると、現行のものをベースにしながら、新しく作っていただいたもののどの部分を取り込んだら良いかという、その辺りはどうですか。例えば、最初の「□病状の確認」「現在のあなたの病状は1.〜、2.〜、3.〜」という辺りは現行のものには入っていないですよね。

 例示をするならこの1.2.3.に加え、4.として「その他」を付けておいたら、そういうような場合にDNARという選択肢があるのかなというのが分かると思います。

勝村 例えば、P11の最初の4行を使い、その次にP9の「□病状の確認」「□心肺停止になった場合の処置・対処法の確認」を入れ、「□心肺蘇生を施した場合の副作用の確認」からまたP11の2番に戻るというのはどうですか。

小原 ということは、P9の「副作用の確認」以降は使わず、現行のものを基本的には使うということですね。今の案はなかなか良いのではないかと個人的には思います。恐らく患者が読んだ場合には、現行案の方がスーッと読めるような、説明としては丁寧な感じがするのですけどね。ですからこれをベースに、しかし改定案の良いところも生かすということで、前半部分を現行の4行目以下の部分に挿入してはどうかという提案です。

 病状についての少し具体的な例示というのは、あった方が使いやすいとは思うのですが、「蘇生は困難なのか」「一旦蘇生できた後の見通しがどうなのか」というのを書いても多分、ドクターサイドが選択できないと思いますので、ここはあまり要らないと思います。全体的な形式で言うと、ちょっと改定案の方がDNARの医療サイドからの提案という形になっていて、それを確認するという形になっているのはちょっと拙いだろうなと思う。今のスタイルは、「こういう選択肢がありますよ」というのを提示して、本人側に選んでもらうという形になるから、P10の意向表明書の方は変わっていないと思うのですけど、これは患者サイドが選ぶわけですから、説明書の方も提案するのではなくて、「ありますけど、どうされますか」という現行のような説明の方が良いと思います。

小原 川島先生、現行のものと改定案を組み合わすという提案についてはいかがですか。

川島 この文書を取る状況というのは、実際はいろんな関わりの中で文書以外のことによって済んだ後に、最終的に確認するみたいな感じになるのではないかと思っているので、文書はすごく大事かも知れませんが…、

小原 やはり、より簡潔にした方が良いということですか。

川島 いろんな情報を沢山入れるのは簡単なんですけど、いろんなことが沢山書いてあると…。

小原 そうですね、改定案ではA4の1枚で収まっていますが、再提案の案だと2枚分になると思います。ただ、量は増えるのですが、読み物として読んだ場合には現行の方がスッと読めるのではないかなという気がします。しかも説明されるだけでなく、ご本人や家族が手元に置いて繰り返し読むものですから、簡潔にするよりかは、これぐらいの分量があっても分かり易い説明がされている方が納得されるのではないかという気がします。

勝村 普通、DNARというのを聞いたことがない人が殆どだから、最初の4行みたいな分かり易い説明は必須だと思う。後から他の家族が出てきても、文書があると説明も楽ですし、最後まで心肺蘇生を頑張ってくれるものだというイメージがまだ国民にあるとして、その常識をなくしてもらおうというのなら、一定の説明は必要ですので、例えばP11の4番のような文言というのは、しばらくは置いておいた方が良いと思いますね。つまり、いい加減だから心肺蘇生をやらないのではなく、この病院ではこれだけのことをきちんと判断した上で提案しているという趣旨とかを、分かってもらえる部分があった方が良いですね。

小原 今、これを読み直している中で、何年も前に議論してきたことを思い出してきたのですが、例えば非常に小さい文言ですけど、P12の6番や7番なんかについても結構議論したと思うのですよ。6番の「DNAR指示はいつでも取り消せます」というのも入れるべきだという議論になりましたし、7番も「必要なケアは続けますよ」という病院側の基本的な姿勢をしっかり伝えた方が良いということで入れているので、簡単に取り除かない方が良いですし、DNARの説明書を通じて、この病院が最後まできちんと向き合いますよという姿勢が伝わっていますので、そういう意味では簡潔に過ぎるよりかは、今読み直すと現行の方はなかなか良くできているなと思いますので、最大限に生かしたらどうかなと思います。
今日に結論を出す必要のない提案ですが、現行の4行目までを残して、5行目以下と1番をカットして、その中に改定案の前半部分を挿入する形で再改定案を作成し、それを院内の関心のある方々とご議論いただいて、再改定案で運用できるかということを院内で確認して欲しいのですね。運用できなければ意味がありませんので、医療者の側から「現行のものはこういう点が問題で使いづらい」といった意見が出れば、それはやはり改めるべきですし、ここには40%といった数字も入っていますが、こういったところがこのままで良いのかということも含めて、もう一度ご議論いただいて、次回に再提案をお願いします。宜しいですか。

 何故、説明確認書が使われなかったかという話が出ましたが、確認書そのものに問題があったわけではなくて、ガイドラインの中身のハードルが高いということが大きな議論になったのですね。例えば「研修医を除く複数の医師で確認しなければいけない」とか「看護師の同席」、さらに「死が差し迫っている」に限定していますよね。「現場では、慢性期である程度そういうことが予測されることも含めた形でやることが多いので、そういうのに合わない」とか「厳密に守ればDNAR指示を出すのが非常に困難だ」とか、特に、主に内科の医師から「この現実にこういうことを適用するのだったら、とてもそんなんは使えない」という話が出て、それでペンディングになったのですね。ガイドラインがペンディングになったので、確認書も一体のものだから使われなかったというのが実際なんですね。それが、確認書の改定案の中では「現在のあなたの病状は」の1.が「癌に対する…」で、2.は「慢性疾患の病状が進行し、今までの治療効果が少なくなっています」というような緩やかな表現になっていますね。ただ、3.の「衰弱した状態です」といったニュアンスは現行のガイドラインにはないのです。だから逆に、ガイドラインが受け入れられないと、説明確認書を簡便にしても、ガイドラインに沿った説明確認書ですから、なかなか使われるようにならない可能性が高いと思うのですね。基本的には蘇生を行うんだという立場には若干、現場との温度差・距離感があって、現場では今言うたような形で対応することが現実には多いので、そこのところがちょっと合っていないというのがいちばんの問題だったと思うし、その後も議論を深める我々の努力が足りなくて、そのままベンディングになってしまい、確認書も使われなかったというのが、経過だったと思います。

小原 ということは、改定案のP9の冒頭にあるような病状に関する説明というのは、より運用し易くする意味では効果的だということですね。

 これは、現行の中身よりかなり緩やかになっていますね。そういう意味では現場で使いやすいですね。

小原 そうですね。だから、これを説明確認書に入れるとするならば、それと対応する形でガイドラインの中身を書き直す必要があるので、例えばP5辺りも対応した表現に直す必要があるということですね。

 簡単に言うと、死が差し迫ったという医学的要件のところですね。差し迫ったという定義をもうちょっと幅広く捉えた方が良いのではないかという感じですね。

 これを実際にやる時に「とても忙しい現場でやれるか」みたいな話があったと思います。

小原 P5の記載が厳密過ぎ、3.の「衰弱した状態です」というところまで含めた方が扱い易いということですね。分かりました。川島先生、今日の改定案の冒頭の部分に対応する形で、ガイドライン本編の方も合わせる必要がありますが、今は矛盾していると思うので、特にP5の部分等を一貫する形で修整していただくことと、東先生が言われたように、現場の医師がある程度納得して使えるようなものにしていただきたいので、ご議論いただいて、運用可能性が充分に保証されるかどうかをご確認いただいた上で、また次回にご提案いただきたいと思います。で、修整されたものを次回、改めてその条件で良いかどうかということを検討したいと思います。

 解説編は良いですか。そこで言うと、P22冒頭の「差し迫った時期」とか…、

 「差し迫った時期」とかいう表現はダメですけど、当時の議論では非常に限定すべきだったのですね。

小原 現状では本編と解説編がありますが、これから効果的に運用していく上で解説編は必要なものですか。

川島 これには一般論が書いてあるのですけども…。

小原 情報が沢山あり過ぎることでハードルが上がっているとしたら、無駄なものがあれば幕を下ろした方が良いと思うのですよ。ただ、解説編を残すのであれば当然、本編と併せる形で改定しないといけないことになりますから、そもそも解説編が役に立っているのかどうかということをお聞きしたいのですけど。これは10年近く前のもので、医学の進歩と共に内容的に変わっていく部分もありますから、場合によっては書き換えなければならない部分もあり得ると思うのですね。

 この中身は、よく知っている人にとっては当然のことではないかと思いますが、そうではない人、例えば若い先生なんかはこれを読むと非常に良いと思う。僕自身は、議論の結果の成果として出てきたものなので、それはそれで良いと思う。ただ、内容的には整合性も出さなければいけないだろうとは思います。

小原 今ここで全体の整合性を確認する時間はありませんので、川島先生の方で本編を手直しする時に併せて、解説編と大きな不整合がないかどうかということをご確認いただけますか。もしあれば、解説編の方も部分的に改定して、次回に出していただくということで、今度は全部セットで議論の俎上に上げたいと思います。

広瀬 前回にこの議論をしていた時、他の院所が作った一般の人向けに分かり易く蘇生について解説したパンフレットを3種類ほど取り寄せられ、こんなのを作ったらどうやろうという話があったのですね。いきなり難しい話をするのではなくて、認識をずっと持っていただいたらどうやろうという案も、その時に出たと思います。

小原 誰もがパッと取れるようなちょっとしたパンフレットですね。

 それがあって、「それも面白いから、入院の栞に入れましょう」となったのですが、それも全てガイドラインの下に作らなければいけないので、基の憲法を作る段階でペンディングになっている状況なんですね。

小原 ということは、これが確定すれば、患者さん向けの情報としてパンフなんかも作られることがあり得るということですね。それもぜひ視野に入れて、議論できればと思いますね。では、この件を次回に引き継いでいきたいと思います。ありがとうございました。
では「(4)その他」のところで、「臨床研究迅速審査報告」を資料Dに基づいて宜しくお願いいたします。

 

議事(3)「臨床研究迅速審査報告」

冨田 この間に6件が行われていまして、66、67、68は新しく出されて、いずれも承認をいただいています。特徴的なのは21-2、43-3、45-2で、これらは以前にプロトコルが承認されて動いているやつで、患者数が足りなくて期間を少し延長するというのがあったり、部分的にプロトコルを修整するということがあったりと、そういうのも最近はポツポツと出ていまして、それらも了解いただいて動いています。特に問題も起こっていません。

小原 では、続けて「治験審査委員会報告」をお願いいたします。

 

議事(4)「治験審査委員会報告」

冨田 これも3課題ですが、これまでと同じで、1番目はノバルティスのものですが、多発性硬化症の進行型の人への治験が進んでいるということと、P3の2番目は多発性硬化症の歩行障害に対する治験がされていることと、最後のものは視神経脊髄炎という多発性硬化症と似た症状で原因が違う病気の治験薬が動いているということで、どれも今のところは特別に大きな問題はなく順調に動いております。

小原 ありがとうございました。臨床研究迅速審査と治験審査委員会報告にもし何かご質問があればどうぞ。

勝村 迅速審査のそもそも論を教えて欲しいのだけど…。ちょっと慣れてきて、送られてきたものをサッと読んで、どういうところが重要なところかということも分かってきて、これは確かに臨床研究として問題ないと直ぐに思うものと、読んで幾つか分からない部分が出てきて、教えていただいて「なるほど」と思うものもあるのですね。ただ、67番は産科の研究ですが、最近、産科の学会のトップクラスの人達が発表した疫学研究の結果が、整形化させてミスリードされた結果で非常に良くないと、僕はいろんなところで批判したり、厚労省や学会でもやりやっているような状況があるのですが、それが学会のスタンダードになっちゃっているのですね。今回の設計自体になんの悪意があるわけでもなく、とても大きな不安や不満があるわけではなかったのですが、先の研究結果にやや沿っている感じがして、若干の不安があったので、その不安を解消したかったのですが、そういうのってなかなか表現しにくい面もありまして、迅速審査のやり取りでは僕もきついし、先方もきついと思ったのですね。このような時に何か手続きはあるわけですか。

小原 迅速審査には一応基準がありまして、いずれも他の研究機関、今出たのでは京大が主たる研究機関になって、ここが分担研究するという場合は迅速審査の要件に入るのですよ。一旦私が受けて、要件に当て嵌まると判断して、今はお二人しかいないのですけど、審査してもらうのですね。ただ、今言われたように、迅速審査として回されたけど、審査される先生方が迅速審査に相応しくないと判断された場合は、差し戻していただいて通常の審査に回しても良いと思うのですよ。

勝村 迅速審査の方が結果として手間が減っているのが殆どだと思いますけど、前に1回、僕の質問したいことがメールのやり取りではなかなか伝わらない時があったのですね。多分、僕は良いと思って了解すると思うのだけど、お互いが分かり合う為にやり取りを続けると、お互いに「迅速の方が辛どいね」と思ってくるので、かえって通常審査にしてもらった方が良い時があります。

小原 全部のやり取りを見せていだいているのですけど、本当に丁寧にしていただいていて、感謝の言葉もないのですけども、前提にあるのは、迅速にできる程度のものだから迅速審査でやるのであって、迅速にできないような内容を含むものは倫理委員会でやるべきなんですよ。ですから、担当の先生に来ていただいて、ここでやり取りする中で納得できる結論を出すというのが筋だと思います。

勝村 審査する内容に批判的ということでなく、質問のやり取りが簡単でないだけの時でも、日程の関係で倫理委員会が近かったら、そこで質問させていただきたいと、こちらからお願いしても良いのですか。

小原 迅速で一旦始まっても、本当に引っ掛かる場合は返していただいて結構です。で、割と近い日程で倫理委員会があって、説明していだく担当の先生に来ていただくことも前もってできますから、その辺ができるかどうかということも判断した上で、通常審査にできると思うのですね。

 迅速審査を担当していて「これは承認できません」というのも、全体に掛けるという意義もありますね。

小原 そうです。それも充分にあります。ありがとうございました。
今日に予定しました議事は全て終了しました。次回日程は8月6日18時30分ということで宜しいですね。では、特になければ今日は早めに終わりましょう。ご協力ありがとうございました。これで倫理委員会を終わります。

 

 

ページの先頭へ

京都民医連中央病院

〒604-8453 京都市中京区西ノ京春日町 16-1
電話:075-822-2777 ファクス:075-822-2575