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第五十六回 倫理委員会 議事録

京都民医連中央病院

日時 2014年3月20日(木)18:30~21:30
場所

京都民医連中央病院西館1階第一・二会議室

出席者

外部委員 原昌平副委員長、一家綱邦委員、岩橋多恵委員、勝村久司委員、富田豊委員、 広瀬東栄子委員

内部委員 川島市郎副委員長、井上賀元委員、内田寛委員、東正一郎委員、平田恵美委員

事務局 根石明彦、丸山俊太郎

オブザーバー 坂田薫、那須徹也

欠席

小原克博委員長、位田隆一委員、関谷直人委員、上林孝豊委員、富永愛委員、中村光佐子特別委員

議事

原 第56回倫理委員会を開催いたします。小原委員長が今日は来られないということで、原が進行を務めさせていただきます。最初に委員の変更について事務局から説明していただけますか。

 

議事(1)「委員の変更」

内田 特別委員をお願いしていました当院の中村科長ですが、前回に審議が終わりましたので、特別委員の任を解かせていただいたのと、内部委員の上林委員は内部事情で委員の交代をお願いしています。また、富永委員は当院の常勤医を退職されましたが、引き続き倫理委員会に関わっていただけるということなので、内部委員から外部委員へ移られます。次回までに内部委員等の選任をいたしまして、倫理委員会の方にご提案させていただきたいと思っていますが、今日は2つの案件についてご了解をいただきたいと思います。

原 何かご質問等はありますか。

一家 特別委員というのはどういう立場なんですか。

内田 エホバの証人の輸血拒否のテーマについて、産婦人科の立場から関わっていただいたのですが、諸般の事情によって後半は出席できない状態が長く続きましたけども、議事内容については先生の方にも報告し、審議に反映させていただきました。その案件が終わりましたので解任を提案させていただきました。

原 富永さんは非常勤になられるということですか。

内田 はい、身分変更です。

一家 今のお話は報告なので、承認は要らないという理解で良いのですか。

原 「委員は病院長が任命する」となっているから、良いんじゃないでしょうか。特別委員というのは、規定には明記されていないですけど、「その他必要と判断したもの」に該当するのでしょうね。宜しいですか。
それでは次に、前回の議事録についてご発言があるそうです。

 

議事(2)「第55回倫理委員会議事録について」

富田 ちょっと訂正があります。臨床研究に関わる研究者は各施設で倫理研修を受けなさいという厚労省の指導がありますが、議事録のP2の真ん中辺りで、位田先生から「本病院で倫理研修をされましたか」というご質問があった時に、ちょっと勘違いしまして「やっていなかった」と報告してしまったのですけど、実は2011年と2012年に各1回ずつやっています。それは医局の全体会議の場を借りた格好でやっていまして、もちろん初歩的な内容ではありますけど、合計で44人を参加させたということです。具体的な文面はまた考えなければならないですけど、アウトラインとしてはそういうことで、ご報告しておきます。

原 まだ議事録の修整をされる方は、タイミング的に早くする必要があるかも知れませんので、ご準備しておいて下さい。次は事例検討ですね。説明をお願いできますか。

 

議事(3)「事例検討」

※事例1例検討しました。

 

原 はい、ありがとうございました。たいへん参考になる意見がありましたので、参考にしていただければ幸いです。次に、「ターミナルセデーションガイドラインの改定について」という方をお願いできますでしょうか。

 

議事(4)「終末期医療関係」

川島 資料はC・D・Eで、Fは学会版のガイドラインです。Dが平成17年に倫理委員会名で作られた当院の「終末期の苦痛緩和を目的としたセデーションに関するガイドライン」です。資料Dと見比べないと分からないようになっていますが、資料Cの方に今回の改定案を示しています。
資料CのP2の[はじめに]の3段目ですが、[この間、学会ガイドラインが2010年に使用者の意見を反映させる形で改定され、当院には緩和ケア病棟が開設された。当院では、癌患者の多くをこの緩和ケア病棟で看取らせていただくようになり、主たる使用者からと院外ガイドラインの改定を求める声が挙がった]ということで、取りあえず、院内的に緩和ケア病棟の中務科長と相談をして、今、運用している平成17年度版のガイドラインで実際と違うではないかというところを修整したのが資料Cです。実際はそんなに改定しなくてはいけない箇所はなくて、マイナーチェンジになっていて、[Ⅰ.基本的考え]から項目を立てて、[改定なし]というのは平成17年度版のままで良いのではないかというとこです。
[Ⅰ.基本的考え]の[3.本ガイドラインの使用者]というのが、旧版では「終末期医療に携わる職員」というすごく広い意味で使用者を特定していたのですけども、もうちょっと具体的に絞って、[京都民医連中央病院の緩和ケア病棟や緩和ケアチーム]…、特別の病棟や一般病棟の緩和チームという意味、[あるいは、緩和ケアチームもしくは緩和ケアに熟知した医師]…、緩和ケアチームに入っているか、入っていなくても緩和ケアに習熟している医師ということ、[…の診療・助言の下で診療を行っている医療チーム]と、ある程度は特定しましたが、これは学会のガイドラインでも同じような表現がされています。
[Ⅱ.終末期の苦痛緩和を目的としたセデーションの概要]では、[2.対象患者]で、今までの「癌の進行のため死が差し迫った状態にある患者」という部分を[…状態にある入院している成人患者]としましたが、外来・在宅を対象にせず、ウチは小児癌はありませんので成人だけにしました。[3.実施のための要件]は「概ね良いのではないか」と相談したのですが、ちょっとややこしいです。旧版を見ていただくと、「4)患者がセデーションを希望している(患者の意思表示が困難な場合、患者が実施を希望していると推測できる場合)」だけを必要条件にしているわけですけど、それが推測できない時にどうするかということです。セデーションという治療がふさわしいという状況にあって、患者の考えを推定できる家族もいなくて本人意思が全く分からない時にどうするかということで、「セデーションをするのが適当だ」ということで目をつぶるのかということですが、これを考えていただきたい。話し合った中身は、例えば「家族と医療チームの意見の一致などを条件にした場合は良いのかな」ということです。
[Ⅲ.終末期の苦痛緩和を目的としたセデーションの実施手順]に関しては、[手順2.患者の希望の確認]の項目が大きな議論になると思うのですが、[2)セデーションに関する説明を行い、実施の同意を得る]というところが、旧版では「同時に心肺蘇生術の施行に関する意向を確認する」とだけ表明されています。これは「心肺蘇生術をしてくれ」という方も含めていますよね。ただ現実的には、DNARの指示を医者が出して同意を得られた人にしかターミナルセデーションはされていませんので、こういう項目が必要なのではないかということです。[手順3.セデーションの実施]に関しては、かなり医学的なことになっちゃいますが、[4)鎮静薬を選択する]で第二選択薬を、学会のガイドライン通りにプロポフォールに替えることを提案します。それと[6)薬剤の投与を開始する]の記載ですが、フルニトラゼパムは推奨しないことになっていますので削除します。
[その他]としては、「ターミナルセデーション説明同意書」という名称がありますが、これはガイドライン通りに[終末期の苦痛緩和を目的にしたセデーションに関する説明同意書]というふうに名称に変えた方が良いですね。その中身は、学会のガイドラインが出しているような中身でどうかということに変えました。後の☆印は、学会のガイドラインが「ぜひ活用してくれ」と言うチェックリストと患者・家族に対するセデーションの説明文の例文がありますので、それを活用させてもらった方が良いのではないかということで、提案をさせてもらいました。

原 はい、ありがとうございました。説明通りにあまり大きな変更ではないと思うのですけど。

川島 そうなんですけど、あえて学会のガイドラインが出た時に当院のガイドラインを作った大元と言いますか、学会との意見の相違点として、「本人の意思が推定もできないような時はセデーションをするべきではない」というのがウチの倫理委員会で意見として出ていましたので、[Ⅱ.]の[3.]にすごく影響しそうです。

原 元々、この病院のガイドラインの特徴を言いますと、精神的苦痛とか実存的苦痛という場合を対象にしていませんということですね。そこが緩和医療学会の考え方とは、議論を重ねた末に違ってきました。精神的苦痛とか実存的な苦痛、スピリチュアルな苦痛というものは、ケアとか介護を通じて、関わりの中でもう少しなんか解決をすべきではないかということです。それ以外はそんなに大きな違いはないと思いますけど。「推定」の話以前に[2.対象患者]のところは、悪性腫瘍が進行した患者だけで良いのですか。前に「実際はもっと他のものもやっている」みたいなことを聞いたと思うのですが…。

川島 非癌患者を対象にするということですか。

原 癌以外もあるでしょうし、ここは脳腫瘍の患者さんはいらっしゃらないのかな。

広瀬 名前は忘れましたけど、癌ともう一つがありましたよね。

井上 COPDや呼吸器疾患の末期の方もそうですし、神経難病もそうですね。

原 癌以外の患者さんというところでは、現場の実情的にはどうなんでしょうか。

川島 やっていないと思います。

井上 けっこうあるのはありますけどね。COPDとか間質性肺炎の末期で呼吸苦が強くて、だけども挿管は望まないという方については、しばらく苦痛が強いと…。

原 ここでセデーションと言うのは、あくまでもターミナルでそのまま亡くなるというとを前提にした言い方で、また戻るセデーションは必要に応じてやってもらえば良いのですけど。そういう患者さんの場合にターミナルセデーションの需要があると特には思われないですか。

井上 ここにそのまま載せるかどうかは別として、良性疾患でも十分に需要があるとは思いますけど。

勝村 間質性肺炎みたいな話をしていたけど、これを見てみたら、17年度版では悪性腫瘍しか書いてない。

岩橋 いや、私が委員会に参加してからですから、この後だったと思います。確か臨床事例で挙がったような気がする。

原 ガイドラインは最初に作りましたから、「あまり範囲を拡げるのはやめておきましょう」となりましたね。

勝村 では、17年度版は現状のガイドラインではないということですか。

岩橋 現状のガイドラインですけど、このガイドラインを論議している時ではなくて、事例の相談の中で…、

勝村 その時にガイドラインを変えようという話にはならなかった?

岩橋 その時に「それを考慮して検討しなくてはいけない」みたいな話をしていた記憶はあるのですけど。

川島 臨床で起こっていることの全部をガイドラインに則ってやられるわけではないですけれども…、

原 いや、前に問題になったのは、ターミナルセデーションをガイドライン外の症例でやっているのではないかという話だったのですよ。臨床のことはガイドラインに則ってやらなくとも良いと言われると困るのですけど。

川島 いいえ、そうではなくて、ガイドラインは癌患者しか指定していないですよね。癌以外の患者に対するものというのは、現状ではガイドラインがないわけですから、また別個の考え方が要るということですね。

原 今はないので、できないということなんですよ。

岩橋 それは多分「できないだろう」という話になるけど、拡げて緩やかにやっている危険性があるのだったら、「ちゃんとそれをガイドラインに入れなければならないでしょう」という話になります。

原 「これが対象にしていないから、他の病気はこれに縛られません」というようなことにはならないです。

川島 いや、そういう意味ではないですけど…。

原 …ということが以前に問題となったわけですから、組み込む必要が実際にあって、ターミナルセデーションを癌以外でもやった方が良いのではないかという問題提起があるのだったら、正面から扱った方が良いようには思うのですけどね。

川島 非癌患者の場合、ターミナルの定義の議論とかはすごく難しいですよね。それを各疾患毎に定義すること自体がたいへんで、それを含めるのであれば、ガイドラインとして成立するのかどうか分からないのですけど。

勝村 実際にこの病院で悪性腫瘍の末期以外でも同じ方法でセデーションをしているなら、「対象患者」のところにそれも含めておいた方が良いのではないか。

川島 一般化できるものなら…。

井上 具体的な言葉では「呼吸器疾患の末期」ですね。で、書いていただいているような「苦痛が耐えられなくて、予後が数日」という形は、そのままほとんど適しているとは思います。

原 他の学会とか他の病院での癌以外の話というのは、何かお聞き及びではないですか。

川島 検討課題に挙がっているだけで、非癌患者のガイドラインはないですね。各院所がどういう形…、1例ずつ倫理カンファレンスをしているのかどうか分からないですけども、個別対応で議論されて、もしするのであればしているのではないかと思うのですけどね。

井上 そういうふうに至った時に3つありまして、1つは「我慢してもらう」、もう1つは「ガイドラインを破ってこういうお薬を使う」、3つ目は「気管挿管してしまう」ということなんですけど、気管挿管してしまうとこういうお薬が現状では認められているので、充分に使えるというようなことで、そのままセデーションに近くなるというとなんですけどね。

原 で、現実にはいずれもあるということですね。

井上 そうですね、あると思います。

一家 呼吸器疾患を対象にするには、現行のガイドラインにさらにどこに手を加えることになるのですか。

川島 呼吸器疾患というところで見返してみないと、細かいところはちょっと分からないですが、いちばん問題になるのはターミナルかどうかということだと思います。

一家 それはどこですか。例えば、癌がターミナルかどうかという評価基準はこれに書いてありませんね。

原 P3の「3.実施のための要件」では、「1)患者の死期が数日から数時間と迫っている」…。

一家 この要件が癌に限っているようには私には読めなくて、他の病気でもこういうことはあるのではないかと、医学の素人からは読めるのですけど。

勝村 「目的」や「要件」のところに癌とかは書いてないですよね。

川島 あるかも知れませんけど、呼吸器の場合は人工呼吸器の下で他の術を使ったら、命を延ばすだけだったらもうちょっと…。ということは…、

勝村 肺の疾患の時にはいろんな方法はあるけど、セデーションをしようと決めた時にはこういうガイドラインが必要なんではないか。

井上 難しいところはやはり予後予測だと思うのですけど、癌は非常にデータも揃っていますので、ある程度「こういうところにくれば…」という目安を持っているのですが、良性疾患はそれぞれによってけっこう幅がありますので、「死期が数日から数時間に迫っている」というのは判定がけっこう難しいと思います。

一家 呼吸器疾患を載せても、ガイドラインにそこをカチッと書くわけではないですよね。そこの判断は結局現場の判断ということに、今のこのガイドラインでも投げていると思いますよ。

勝村 P3の3.の「要件」を読んで、それが肺疾患では適応しにくい?

井上 臨床医が「死期が迫っている」と思う場合というのがそういうことなので、ややちょっとぼやっとした感じにはなってくると思います。

原 と言うことは例えば、ターミナルだと思ってセデーションをやってみたところが、1ヵ月以上もそんな状態が続いていますみたいなこともある?

井上 癌でもあるかも知れません。

川島 それは、判断をちょっと誤ったということです。

原 続いていたら、「ちょっと間違っていました」と言って、鎮静を解いて戻ってもらえば良いのではないか。

川島 「意識を取って欲しいぐらい辛い」ということでスタートしているので…。まぁ間欠セデーションという選択もありますけど…。

井上 難しいですけど、一応、治療法としてはありますから、それが思いの外に効いたということも、たまには経験しますけども…。

原 治療法としては呼吸器か気管切開をしないとダメなんですね。

川島 人工呼吸器を着けないと基本的にはいけないような形ですね。

原 人工呼吸器を着けたらどれぐらい保ちます?

井上 これがまた難しいですね。それぞれの特性があるので。

原 神経難病の場合は延々と保ったりしますね。

井上 そうですね。人工呼吸器には性能の限界がありますから、限界を超えてしまうとダメですけども、そこに行き着くのはどれぐらいかというのは、お薬の反応であったり、その人の病気の進行であったり、いろいろだと思います。

原 でも、いくら呼吸器を着けても、COPDとか間質性肺炎だったらガス交換ができないから、そんなに保つわけではないのではないですか。

井上 永遠ではないですけど、人工呼吸器がガス交換をしてくれますから、ある程度は保たすことができます。

原 呼吸器を着ける着けないという、患者のもう一つの選択肢があることとの兼ね合いと、予後予測ですね。
どうしましょうか。必要に応じた改定はしたら良いとは思うのですけど、あまり些細な改定をするだけで意味があるのかなという感じがするのですね。

川島 いや、ターミナルセデーションに使う薬が替わっていたりとか、緩和ケア科長から出た説明同意書の文言の問題であるとか、そういうのを改定したいということですので…。

原 それで医学的に妥当なら、薬の種類は替えたら良いですけどね。そもそも薬の種類をガイドラインに書かないとあかんのかという問題もあるのですけど。あと、対象患者の拡大を検討するとすれば、資料Cの3.の[4)患者が実施を希望していると推定できない場合の救済措置]というのは、患者の意向がよく分からない場合をおっしゃっているのですよね。そういう場合に、パターナリズム的もしくは家族の意向も踏まえて、ターミナルセデーションをしても良いかという話ですね。

川島 「それはダメ」というのが前回の…。

原 ダメな場合は、例えば痛みが取れないとか呼吸器とかでのた打ち回る人を、そのまま置いとかないと仕方がないという話ですか。

井上 意思表示が困難というのは、苦痛は強いけど意思表示ができないということですね。

川島 苦痛の意思表示も難しいし、セデーションを希望するかしないかの意思表示もできない。

井上 苦痛で錯乱しているようなイメージです。

坂田 それから、認知症があって判断能力がないということもあります。

原 どうしましょうか。

東 意思が確認できない場合の救済措置というのが出てきた理由は、本人が辛どそうに見えるということで、周りの人が「なんとかしてあげないと辛どそうだから、救済してあげる」というニュアンスですね。

川島 「本人の推定意思も分からないような時にはガイドラインの適用はないですよ」ということだと、きついことがあるのではないかな。

東 そういう場合は、率直に言えば「端から見て本当に苦しそうなのを、楽にしてあげたい」ということでしょ。基本的にはそういうことを言っているわけですから、それがありとなれば、「もう楽にしてあげよう」となりかねません。救済措置というのは誰を救済するのですか。

川島 それは患者さん。

東 …でしょう。だから「救ってあげよう」というのがどんどん増えます。そのことが良いかどうかを議論したら良いと思いますが。

川島 もちろん、セデーション以外に辛どそうなのを取れないというアプローチが済んだ後の話ですからね。

原 現実にかなりあるのですか。

川島 現実にセデーションをしているのは緩和ケア病棟の医者が圧倒的に多くてですね…、

井上 それ以外の時はだいたい、苦痛がひどい人は意思がハッキリしている人が多いです。「苦しいやないか、何か使ってくれ」ということなんですけど、やはり認知症の方は微妙かなと思いますし、本当に錯乱状態の人などはちょっと…。多くはないですがいます。

原 錯乱状態というのを回復はできないのですか。ずっと続くのですか。

井上 死亡までの数時間を辛抱するしかないですね。

広瀬 「自分がそういう状態になった時はセデーションをして下さいね」と言っておかないと、してもらえないのですね。

東 そういうのを言っておけば、ハッキリと楽にしてくれます。

一家 意思確認が予めできている場合とできていない場合というのは、どうして差ができるのですか。もちろんそんなに上手くいかないでしょうけど、予め一律に聞いておくという対応はできないのですか。それを徹底した上で、それでも推定できない場合にどうするのかという話なのか、今はそこを徹底していないけども、現実に困ることがあるから、ガイドラインでそこを緩くしてくれという話なのか。

川島 できれば事前に患者さんの意思とかが訴えられる機会が仕組みとしてできたらいいなと…、

一家 予めセデーションについて説明しておいて、意思確認をしておくという仕組みがないことが、拙いこともあるのではないのですか。

川島 セデーションだけに限らず、緩和ケアプランニングでも一緒ですけど、そういうのは元気な内からずっと関われるような関係がいちばん良いと思いますけどね。

広瀬 前は、「どのくらいの期間とか、お医者さんは分かっているのだけど、本人になかなか言い辛くて、ギリギリ間に合う時もあるけど、トコトンのところまで行ってもまだ言い辛くて、苦しんで亡くなられるということもある」と言うてはったですね。だから、お医者さんもなかなか聞きにくいのかなと思ったのですけど。

原 推定的意思というのは事前の意思表示ではないので、そんなに厳密に考えなくて良いと思うのですけど。つまり、平成17年度ガイドラインのP5に「B:患者の意思決定能力が保たれていない場合」がありまして、1.が「…保たれてなくても説明をなるべくする」で、2.は「職員や家族の参加を得て、患者の意思を推測するための話し合いを開き、情報を出し合って患者の意思を推定する」、3.は「患者がセデーションを希望するだろうという推測が、医療チームと家族の間で共有できた場合には、家族に実施についての同意を得て、それを記載する。この際、空くまで患者の推定的意思に基づいて実施を決定するのであって、家族や知人の希望に基づいて実施の決定を下してはならない」となっていて、その後は、心肺蘇生術のDNARの話があるのであろうと思うのですけど。ちょっと単身者の場合の考慮は必要だとは思うのですけど、事前に言っていないとダメとか言うようなガイドラインにはなっていないと思います。

一家 ただ、だからそこに欠陥があるとも言えるのです。

原 ちょっとはあります。おっしゃるように、あやふやにしているところがあるわけですよ。

勝村 事前に取れないケースってある?

一家 あるのでしょうね。

原 これはやっぱり「なんぼなんでも本人も楽な方が良いと言うでしょう」くらいのことを許容している内容ですね。で、「端から見てて可哀想」ではなくて、「本人はそれを希望するでしょ」という論理にしているという…。

一家 患者サイドの希望というのは、患者本人の意思表示、患者の事前の意思表示、最後に家族などによる推定的意思と、理論的には3つが出てきたわけですが、学会のガイドラインでは、この3つをどう扱っているわけですか。

川島 学会では、「本人のそういう意思が確認されない場合は家族の…」ということで、「…と相談して」という形になっていたと思います。

原 P32の「患者の意思の推測」ですよね。

川島 「…家族とともに慎重に検討する」か…、家族の意見をかなり有力な意見として…、

勝村 一緒に「家族が全ての意思決定の責任を負うわけではない」と…。

原 だから、これは今のこの病院のガイドラインとだいたい同じではないですかね。

岩橋 ②-①に書いてあるのは「家族に期待される役割は患者の意思を推測すること」とありますね。

一家 この病院と学会のガイドラインは基本的に同じような気がしていて、敢えてこの病院のガイドラインを作るのであれば、事前の意思表示を取るというプロセスを盛り込めないかという提案をしたいと思います。それはもしかしたら、セデーションに留まることではないかも知れません。

勝村 入院の栞に全部を添付して、入院時にカードに書いて出してもらおうということをやったのだけど、やめたのですね。

東 あれ自体は、ガイドラインそのものが現場では「なかなか難しい」という感じになって、ガイドラインが決まらないので、それもできてなかったっけ…?

原 緩和ケアの話ですから、事前の意思確認も概ねは難しくはないでしょう。

川島 最初から難しい方も中にはおられますけど、基本的にはできます。

一家 緩和ケアのセデーションに限っても、そういうことができないでしょうかということです。

東 「そういうふうにしましょう」ということはできます。全員ができるかどうかは別にしても…。

原 それは盛り込んだら良いと思います。事実上、今、やっていただいても差し支えはないと思います。「最期に苦しい時はこういうものがあります」という説明を入院時にされてもおかしくはないですよね。ただ、そこに「事前の意思確認」を入れても良いですけど、単身の場合といったところに不備があるかなという気はします。
時間も超過していますので、どうしましょうか。

一家 幾つか出た論点は、今日は来られていない委員も協議していただいて、次回に必ずやるということで…。

原 意思の推定といった辺りの問題と、対象患者の範囲を拡大すべきかというのは大きなテーマですし、特に今日は倫理関係の方がおられないので、次回に持ち越したいと思います。段階的に何回もやるのもややこしいと思いますが、薬剤のところだけ変えておきますか。まぁ、薬剤にそんなに拘らなくても、適切なものを使っていただければ良いのではないかと思いますが。

勝村 現場の要望としては説明・同意書も変えたいということで、その説明・同意書は「学会ガイドラインに…」と書いてあるけど、同意書の雛形みたいなものはないのですか。

東 今やっている先生の話では、元々の説明文書にある「呼吸停止」「心停止」「急変」といった言葉が、患者さんに受け入れられないというか、怖がるみたいなことを言っていたような気がします。

勝村 2010年度学会ガイドラインのP35に説明文はあるけど、同意書は載っていないので、同意書をどう変えたいのかもちゃんと聞いておいてもらったら…。

東 説明文書はこれでやるという意味だと思いますね。

勝村 説明文書だけをこれに差し替えたら良いということですか。だから、そこを正確に知りたいというか…。

東 この原文のままで良いかどうかですね。

川島 次回は正式な文書にして…。

根石 最初の議論で出てきたのは、この説明同意書において、説明の中身についていいかがなものかという提案がありました。で、この場で皆さんのご意見をお伺いした時には、「これは説明同意書みたいになっているけど、説明文書としては非常に不充分ではないか」という意見がかなり出されまして、説明は説明書として、もうちょっとしっかりした文章で説明文を作ったら良いのではないかということと、それに基づいて同意書は同意書で完成を目指そうと…。ただし、今はガイドラインがありますので、そのガイドラインに則った説明文書にしないといけないということで、ガイドライン自身も見直しましょうと…。で、見直す中で、2010年度版学会ガイドラインには説明の中身についてかなり詳しく載っているので、これを参考にした上でガイドラインをまず変更して、説明文書ももう少し充実させましょうという経過です。

勝村 なるほど、よく分かりました。

原 でも、それを一応、拵えてもらわなければ仕方がないですね。事実上、分かりやすく説明するために使ってもらうのは構わないと思うのですけど。内容にそんなに違いはないですよね。薬剤の方も今日に改定の作業をやるよりは、まとめてやった方が良いと思いますが、現場で必要な薬剤は医学的なガイドラインに沿って使っていただくということを、この場で確認しておけば良いのではないかと思います。
ということで、この件は次回にさせていただくとして、次に倫理委員会の規定と次回日程を決めなあかんのですが、時間が超過していても、成立しているから規定の改定をしてしまった方が良いのですけどね。議論が必要なところはありますか。

 

議事(5)「倫理委員会規程の改定について」

根石 大事な規定ですから、今日は欠席の小原委員長も含めて議論したいと思いますし、一旦は提案させていただいて、「それでは不充分なので全体を見直しましょう」というご意見をいただいたので、改定する中身をもう少し見直した上で、ご意見をいただけたらと思っています。

原 それではご意見をちょっとだけ、伺っておきましょう。

根石 改めて提案を説明させていただきますと、大きくはまず第8条の2.で「審議結果は、全員一致の場合は『勧告』、過半数以上の同意の場合は『答申』」というふうに、分かり辛い言葉を使っていましたので、その辺は削除し、3.では事後処理について書いてあるのですが、ここでは臨床研究の審議というのが問題になっていたので、[臨床研究の審議結果については、多数決によって「承認」「不承認」「条件付き承認」「次回持ち越し」の判断を行う]と明確化した修文提案をしたいと思っています。
それから議事録の扱いなんですが、いろいろとご意見を聞いていますと、詳細な議事内容が公開されているので、その辺を少し配慮した方が良いのではということで、基本的にはプライバシーを尊重しながら公開するということなのですが、事例検討については、いくらプライバシーに配慮しても当院から出される事例ということで、どこまで配慮したら分からなくなるかということも難しく、事例検討を公開しないことが望ましいのではないかという中身になっております。
もう一つは、第6条の臨床研究の扱いについてで、「倫理的妥当性の検証なのか、審議なのか」ということでご意見をいただきましたが、2.の標題を[臨床研究の倫理的妥当性の検討]ということにして、[〜倫理的妥当性について審議する]というように修文してあります。後は文言上の修整がありますが、これは後で読んでいただくということで、今回の大きな提案は以上です。

原 詳細なディスカッションまでやる必要はないですが、この際に言うておくべきこと…。この間、「定則数が3分の2で良いのか」という意見も出ましたね。委員の人数が当初に比べて増えているので、3分の2を定則数にするとちょっと辛どいかも知れないね。半分でも良いかも知れないです。

一家 委任状をもって替えるとか…。ただ、小原委員長は「ここを変えるのはあまり…」という感じではなかったですか。

原 まぁ、その点も…。項目的には良いですかね。今日に決めるのはやめることにしましょう。

一家 ただ、少なくとも最後の[改定]のところですが、これを変える時にはここに定められているだけの要件が要るので、皆さん、次回は頑張って来ましょう。

 

議事(6)「2014年度倫理委員会日程について」

原 そうなんです。進行がモタモタしてすみません。新年度を含めた次回日程の提案をお願いします。

根石 この間の出席状況等々を見まして、不定期になったりしたこともありましたが、「委員の皆さんの予定を組み込むについても、年間計画を立てた方が良いだろう」というようなご意見をいただいていますので、年間計画等を院内で検討させていたただき、次回に提案させていただきたいと思うのですが、当面は「木曜日」というのが大多数のご意見でしたので、木曜日という曜日でなんとか設定したいと思います。で、次回としては5月29日の第5木曜日を提案したいと思いますが、もし不都合な方が多ければ6月5日の第1木曜日を提案いたします。

一家 どちらの日が良いかは、今日はおられない方も含めて、事務局で確認していただけませんか。

根石 分かりました。2つの日程でどちらかを判断させていただいて、改めてご連絡させていただきます。

原 はい、ありがとうございました。これで倫理委員会を終わりにします。

 

 

 

(入力者注)

文章は全体を通して、話し言葉を書き言葉に改めたり、意味の通じにくい言葉を言い換えたり、同じ発言の繰り返しを省くなどの推敲を行い、やや要約した形になっていますが、発言者の意図を正確に伝えることを最優先にしています。

 

 

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