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第四十回 倫理委員会 議事録

京都民医連中央病院

日時 2010年12月21日(火) 18:30~21:40
場所 太子道診療所3階多目的室
出席者 外部委員 原委員長、勝村副委員長、位田委員、広瀬委員
内部委員 北村副委員長、内田委員、東委員、吉中委員
事務局 丸山
オブザーバー 神田(事例報告)、前川(臨床研究申請)、野崎(臨床研究申請)、富田(治験申請)、清水、田中
欠席 岩橋委員、関谷委員、赤木委員、井上委員、中村(特別委員)

議事

 原 まだ後からお見えになる方がいらっしゃるとは思いますが、時間ですので進めていきたいと思います。今日は議事予定が幾つもありますが、事例検討から始めたいと思いますので、説明の方をお願いします。

 

議事(1)「事例検討」

※事例1例検討しました。

 神田 ありがとうございました。(神田氏退室)

 

議事(2)「臨床研究申請案件(2例)」

 原 次は、臨床研究をやりましょうか。事前資料C-2の分は迅速審査という手順を導入した分で、もうやっていますから、一からやる必要はないのですけど、どうしたら良いのかな。

 富田 迅速で決めてしまって、ここで報告していただくという流れに、指針ではなっていますが、今回はまだ決定まではされていないので、前川先生に来ていただきました。ただ、委員長と北村先生には「了解」というところまで、コメントを出していただいています。

 北村 手順がちょっと不明確ですから、もうちょっと詰めていただこうと思って…。

 原 ごく簡単に、かいつまんで説明してください。

 前川 課題名は「筋層非浸潤性膀胱癌症例に対するPirarubicinのTUR-Bt直後単回膀注療法群と維持療法追加群による無作為化比較試験」。膀胱癌の治療なんですが、膀胱癌というのは、肉眼的か顕微鏡的かはありますが、わりと早期に血尿が見つかる場合が多くて、9割以上は内視鏡手術が行われ、それがTUR-Btなんです。患者さんにも説明するのですが、内視鏡で削るだけなので、癌に冒された膀胱がそのまま残るため、再発率が高く5割ぐらいあります。その再発を防ごうと泌尿器科では何十年もやってきていまして、昔からいろんな抗癌剤を膀胱内に注入し、内視鏡的にも見えない小さな癌の再発に対して抗癌剤を接触させ、臨床的な再発に至るまでに癌をやっつけてしまおうという治療法なんです。昔からそれを手術後の一定期間、1~2週間に1回、患者さんに来ていただいて施行していまして、それなりに成果はありました。ただ10年ぐらい前に、「手術で癌を削る時に癌細胞をまき散らしている可能性があるので、手術直後の24時間以内に抗癌剤を注入すれば、患者さんに何回も来ていただかなくても、それなりに効果はある」という論文が出てきまして、それはそれで一定の評価を得ています。
 で、今回、「単回で良いのか、2週間毎に計9回注入していくのが良いのか」ということを、京都府立医科大学の泌尿器科のいわゆる関連病院、29病院の自主研究としてやろうという研究です。一応、保険適用薬で従来から同じ治療法は行われていますから、この研究も健康保険を利用してやっていこうということです。本部が京都府立医大内におかれていまして、適用の患者さんに対して、向こうで割り付けていただくのですけど。

 富田 保険内の薬の使用法として、回数が単回で終わるやつとその後に8回やる分とを比較したいということで、回数が多い方を前からやられていて、最近は単回でも良いと言われているけど、比べてみないと分からないということですね。

 前川 ぶっちゃけた話、何回もやるというのは京都府立がやってきた方法で、単回というのは名古屋大が中心で、「今まで我々がやってきた方法は良いのかどうか」ということの比較検討をしようということです。

 富田 で、委員長から「抗癌剤なので副作用も強いかも知れないので、回数が多い場合はその説明をした方が良いのではないか」というご指摘がありましたけれども…。

 前川 局所刺激ですから、いわゆる膀胱炎なんです。僕も研究したことがあるのですけど、この薬剤を入れると粘膜下層ぐらいまでいくのですが、血流のある筋層まではいかないので、血中に入ってしまうことはまずなく、日常的な治療としてやっていますけど、今まで全身的な副作用が出たという報告はなかったと思います。ただ、膀胱炎は刺激症状ですので、資料にも書いていますが、患者さんがイライラする可能性はあるのです。実際にやっていても、イライラされる患者さんはおられ、「どうもあの治療だけは嫌や」という感じでした。

 原 迅速審査という形で資料をいただいて意見を言いましたのが、私の方で注文を付けたのは、1つはP10の「期待される効果」というところで、「1回だけ投与した場合より、何回も抗癌剤を投与する方が、生存する期間が長くなることが予想されます」という趣旨の表現でしたけど、強い予測をするほどの根拠はないのではないかということで、[~延長するかも知れません]に改めていただきました。それから今、ご説明があった「予想される副作用」のところで、「薬を注入した時の刺激に対する反応」みたいなことだけの説明でしたので、「全身的な副作用は予想されるのかどうか」ということを補足していただきました。それから「臨床試験を中止する場合」という項目がなかったので、それを入れていただきました。患者への説明文書としては若干、全般に用語が難しいのですけども、そんなところです。

 北村 僕がご意見を申しあげたのは、患者さんへの説明文書の中で「研究の主体」というのがハッキリしなくて、つまり、実施責任者は前川先生であって、「実施計画の意義」というところで「我々は」といきなり始まっているのですが、これが誰を指すのかよく分からないということで、「誰が総元締めの責任者で、前川先生がどういう立場なのか、分かるようにしていただけると良いなぁ」と言ったと思うのですね。これはP6の「管理責任者:三神先生」のお名前の前に「京都府立医大」と入れていただいたのが、その修正にあたるのだと思います。

 原 はい。何かご質問は…。

 位田 迅速審査に回された理由は何なんですか。

 原 「多施設共同研究でメインの施設でない場合」というのを一応の対象にしていましたからね。

 位田 新しい治療法と以前の治療法、今回は両方とも並行してやっていたそうですが、期待される効果で、「こちらの方が良いと思われるから、それを臨床研究する」というのは理解できるのですけど、「どちらが良いのか分からん」という形で研究されるのは何か…。

 前川 1回入れただけで同じような効果があるのなら、患者にとってはそっちの方が良いと思うのですけどね、それをハッキリさせようかという感じですけど。

 位田 ハッキリと申していただければ、先生はどちらの立場なんですか。

 前川 僕は今、言った通りです。「1回…」はもう10年ぐらい前の論文なんですが、それを読んで、何例かは単回投与をやっていますし、2週間に1回ぐらい投与をしている方もいまして、症例数は当院で年間30例ぐらいあるのですが、やっていても「どちらが良いのかな」という感じなんですね。毎回やっている方の効果が劣るとは思わないです。ただ、1回で済んだら越したことはないなというのが理由ですね。

 富田 差があるとしても、微妙なんですね。

 前川 微妙なんですが、差が出てくるようでしたら、患者さんの負担になるかも分かりませんが、やっぱり維持療法を勧めますね。

 勝村 費用や侵襲性の違いはどのくらいあるのですか。内視鏡の検査はどうせするから、変わりませんか。

 前川 やればやるほど当然、費用はかかりますし、症状も強くなるかも知れませんね。

 勝村 1回分の患者負担はどのくらいになるのですか。そんなに大した額ではないのですか。

 前川 保険適用ですから、1割負担、3割負担がありますが、3割負担の方でしたら高額医療の範囲に入るかも知れません。月に6~7万…、そんなにいかないかも分からないですが、採血とかもしますし、抗癌剤ですから、薬価ベースでやっぱり1回に万単位はいくと思うのです。

 富田 抗癌剤ですから、成績が良ければ多少は負担してもらっても、そちらを選ぶという根拠にはなりますね。

 勝村 名古屋大の系列では、1回投与がかなり普及したままなんですか。

 前川 そこまではちょっと分かりませんが、10年ぐらい前に「1回で再発するリスクが低くなります」という論文が出されて、それから常にこの論文は出ていますので、それでやってはるのだと思いますね。

 原 ハッキリとこちらが良いと分かっていたら研究をするまでもないので、「こちらが生存率が長くなると予想されます」と書くと、被験者に対してちょっと誤導するような印象がありますから、「~かも知れません」程度かなという、実際のこの…、

 勝村 「差はないだろう」という論文が出ているということですね。

 前川 いや、それは比較ではないのですよ。1回だけやって、何もしない…。

 原 比較研究がないということでしょ。

 勝村 ないからやるのでしょうけど、名古屋大学は「差はないのではないか」と思っているからやめているわけではないのですか。

 前川 そういう考え方もあるかも知れませんね。

 勝村 「差がない」と思っている医師も存在しているわけでしょ。だから、こういうことの中で臨床研究をするのだと言う趣旨が本当のところですよね。

 富田 10年前と言うとある程度、エビデンスに基づいてキチッと比較するという方法が、まだ定着していなかった時代ですよね。だから、そこをキチッとやり直さないといかんという、時代の風潮かも知れませんね。

 位田 単回の人と複数の方を、こちらがブラインドで勝手に分けるのではなくて、希望を聞いてやるのですか。

 富田 府立の方で多分、無作為に割り付けをするのですね。

 原 もうよろしいですか。これは報告という形で受けていただければよいかと思います。

 前川 ありがとうございました。(前川氏退室)

 原 もう一つ、資料C-1の研究はまだ審査が終わっていないですよね。

 富田 ご意見はいただいているけど、ちょっとまだ結論を伺っていないという段階ではあります。

 北村 原さんと私からの意見は届いている状況なんですね。

 富田 えぇ、今日。というのは、北村先生から計画書に対してのご意見があったのですが、こちらだけで決められないところがあるので、それをどうするかは、野崎先生からご説明をいただいた方が良いのかも知れません。

 原 簡単で結構ですから、どういう研究なのかを説明していただけますか。

 野崎 簡単に言いますと、大腸癌の初回治療はFOLFOXもしくはFOLFIRIという抗癌剤にベバシズマブ(アバスチン)を併用するのですけど、標準治療のことは皆さんの持っている資料では…、

 原 患者向け説明のところの方が分かり良いのではないかと思いますが…。

 野崎 そうするとP72になります。臨床試験での被験者は75歳以下の人が大半で、80歳以上にどういう標準治療が良いのかという臨床試験は存在していないので、何が適切かまだ分からない。従って、各病院でてんでバラバラに治療しているのが実情だと思うのですね。この標準治療を減量でやるという考え方もありますが、単剤では比較的に副作用がないカペシタビン(ゼローダ)という5-FU系の経口抗癌剤と、セツキシマブ(アービタックス)という新しく出たお薬との併用を考えていますが、どちらも高齢者や状態の悪い患者さんに対しても比較的に安全に使えるお薬です。そして、80歳以上の高齢の方に2剤を併用した時の安全性を確認するのが第Ⅰ相試験、それで得られた推奨用量で有効性を確認するのが第Ⅱ相試験というのが、大まかな流れです。

 原 そういうことで、80歳以上にはこちらの抗癌剤を使った方が良いのではないかということで、それを試してみましょうという研究ですね。

 野崎 そうです。基本的に標準治療というのは、臨床試験で「こういう状態の患者さんにどういう治療をして」って、全部を明らかにしていった結果、全生存期間はこれぐらいであるとか、残りの生存期間はこれぐらいであるといったデータが出るのですけど、実際は80歳以上のデータが何もないので、標準治療を減量でやる方が良いのか、こちらをやった方が良いのかは分からないので、きちんとデータで残していくというのが趣旨です。

 富田 それぞれの薬はもう保険適用が採用されているのですね。

 野崎 なので、全てが保険の適用範囲内での試験ということになっています。

 富田 この計画書を作った癌研が元締めで、共同研究ということですね。

 野崎 そうですね。癌研には若い患者さんが多くて、「80歳以上は来ないわ」って…。

 吉中 投与量は少なくなる? 少ない投与量で試験をするということ?

 野崎 セツキシマブは通常に使う標準量を投与しますが、これの副作用で皮膚症状が出るのと、カペシタビンでも手足症候群という皮膚症状が出ることがありますので、併用でやる場合は、通常量のカペシタビンでは副作用が強めに出る可能性があるという臨床試験でのデータがありますので、カペシタビンは減量されています。そのデータはP36で、70歳以上のセツキシマブ単剤のデータと、中ほどに「70歳以上の高齢者に対してカペシタビンとセツキシマブ併用療法を一時治療として試みた。当初カペシタビンの投与量を2500mg/㎡にて22症例に対して投与を行い、Grade3以上の皮疹が23%、下痢が14%、手足症候群が18%に認められ、27%の症例が毒性のため治療を中断した。そのためカペシタビンを2000mg/㎡に減量して44症例に対して投与すると、Grade3以上の皮疹が25%、下痢が9%、手足症候群5%認められ、毒性のため治療中断の症例が9%認められた」ということで、このへんの結果に基づいて用量設定をしたのだと思います。

 原 Ⅰ相・Ⅱ相で比較という形は採らないということですか。

 野崎 そうです。Ⅰ相で推奨量を決めて、Ⅱ相である程度のデータが出ると、減量のFOLFOXのデータを取ったりして、最終的に「どっちが良いのか」という比較も出る可能性もあると思いますが、それはだいぶ先のことでして、今回の研究は比較ではないですね。

 富田 Ⅰ相で安全性を確認して、Ⅱ相は量を決めて効果を見るという流れですね。

 勝村 「高齢だから、今やられているよりも量を減らしてみて、どうだろうか」と考えていいのですか。

 野崎 それとはまた違いますね。

 勝村 P77の「8.期待される効果」の2行目、「この治療方法」の「この」というのは、今のスタンダードの治療法と、臨床研究する治療法との違いの…、

 野崎 「この治療方法」というのは、この臨床試験のカペシタビン+アービタックスの治療法で30~40%の奏効率を期待しているということです。

 勝村 この臨床試験以外に今の標準治療があるわけですね。

 野崎 標準治療を減量でやる可能性もあるということですね。

 原 通常の場合と違う薬を使うわけですが、薬がどう違うのか、分かりづらいのですよ。

 野崎 通常の大腸癌治療でも使う薬ですが、組み合わせがあって、その組み合わせ方が違うのです。

 勝村 いろいろある組み合わせの中から試す方向性として、全体の量を減らすことはできないかというイメージがあるようにも読めますよね。減らす必要がないのなら標準治療で良いから、標準治療よりもより効果が…。

 野崎 より副作用を少なく…。

 勝村 …でしょう。やや副作用は少なくて治療効果は一緒かも知れないと言うのなら、先っき研究と同様で、より積極的というより、ひょっとしたらこれ以上やっても一緒かも知れないこともあるということですよね。そういう雰囲気なんだということが、「期待される効果」のところでは読み取れないような気がします。

 富田 組み合わせ自体は新しいので、比較するものはないのではないですか。だから、80歳以上でこれを組み合わせてというのが…、

 勝村 いえ、そういうことなら、「期待される効果」のところに「何もしないよりは何かした方が良く、何かする場合は標準治療法というのが一般的だけど、この臨床試験はこういう点で違っていて、そのことで副作用が軽減されるかも知れない」と書くべきだとしたら、そういう文面としては読み取りにくいという気がする。

 野崎 一応、P72に書いてあるのですけど、これでは弱いということですか。

 勝村 いや、拘るところではないのかも知れないけど、「期待される効果」の表現に違和感を感じるのですね。

 原 私が注文を付けたのはP72で、「FOLFOX療法とかFOLFIRI療法がどういう治療法か書いていないので分かりません」ということですが…、

 野崎 それは確かに付け足しても良いかなと思います。

 原 「…良いかな」ではなくて必須です。「それにプラス、アバスチンというのが標準治療だけれども、80歳以上だと果たしてこれが適切かどうか分かりません」といって、量を減らすのではなくて別の薬を使うのでしょ。

 野崎 そうですね、アービタックスは3次治療で使う併用薬剤ですけど、初回治療から使って良いというふうに保険適用拡大になって、処方量が増えている薬です。

 原 「商品名アービタックスとゼローダというのを併用するのが今回の治療です」ということで、承認されている抗癌剤ではあるけれど、標準治療で挙げている薬と全然違うでしょ。

 野崎 組み合わせとしては、強い治療に耐えられない患者さんには考慮して良いという部類に入るのですけど。

 原 いや、この説明では「標準治療はこれです」と書いてあるじゃないですか。今回、治験試用としている薬はこの標準治療に入っているのですか。

 富田 80歳以上には標準治療はないのではないですか。だから、新しい治療法だという認識で、「期待される効果」のところも、無治療が比較の対象になっているのではないですか。それでFase1があって、安全性を確認するのではないですか。Fase1というのは全く新しいものを試す場合には使うのです。

 原 標準治療というのは別に年齢を区切っているわけではなく、今回、試験をしようというのは、高齢者のエビデンスが少ないから調べてみましょうという意味でしょう。標準治療そのものは一応あるのではないですか。

 野崎 はい、年齢を無視すればFOLFOXもしくはFOLFIRIにベバシズマブを併用するのが標準治療です。

 位田 これは研究計画をそのまま読んでいるような感じがして、80歳以上の人が読んで、本当に分かるのかと思ったのですよ。で、勝村さんがおっしゃったことは非常に重要だと思っているのですが、「今はこういう治療法があるんだけれども、こっちの方が良いと思う」もしくは「少なくとも副作用が少ないと思う」とか、何かプラスがあると想定するからやるわけですよね。そうでないと臨床試験をやる必要も何もないわけですから。そこの比較というか、「今までは80歳以上の人にはハッキリしなかった。だからこの試験をやるのですよ」ということは、確かにゆっくりと全部を読んで理解すれば、そういうことが言えるかも知れないけれども、80歳以上の人が読んで分かるようには書かれていないと思うのですよ。で、FOLFOXとか、いろんな薬の名前が出てくるのですけど、80歳の人はどんな名前でも良いのだと思うのですよ。でも、「こういう治療法を今までやっていた」もしくは「80歳以上の人にはあまりデータがなかった。だからあなた方にやるのですよ」ということがちゃんと伝わらないと、意図をキチッと理解してもらえないと思います。

 野崎 P72の説明では足りないということですね。

 位田 足りないというか、たくさん書いてあるのですが、例えばP76の表を80歳以上の人が見て分かるのですかという気はします。

 勝村 僕の感覚ではP77の「期待される効果」で、「この臨床研究に参加することで、どんな効果が期待できるのか」ということと、「副作用はどうなのか」というように、良い面と悪い面がどうなのかというアウトプットのところが背景よりも大事なんですが、この文面では「臨床試験に参加しますか。何もしませんか」みたいな二者択一の論法になっているので、「従来はこういうことをやるか、何もしなかったのだけど、新たにこういうことをしてみてはどうか」というふうにして、「従来の治療と効果はあまり変わらないかも知れないけど、副作用が軽減されるかも知れない」という趣旨だったら、このような表現にならないのかなと思うのですよ。

 原 P72の説明では研究のデザインが非常に分かりづらいですね。FOLFOXとかの言葉はものすごい専門用語ですから、大腸癌業界の人にしか分からないですよね。その説明はP28に書いてあるのですけど、オキサリプラチン+フリオロウラシル+ロイコボリンの3剤併用をもってFOLFOX療法という意味なんですよね。FOLFIRI療法は、3剤の最初の薬を塩酸イリノテカンに替えたものであるということですね。これらが一応、標準治療だけれども、年配の人にはどうかなということで、「別の2剤を使った方が副作用が軽くて済むかも知れないというのが、高齢者にとってはメリットになるのではないか」というのが、これを試してみようという理由ですよね。

 野崎 そうです。

 富田 そこの療法は説明を入れればいいですね。ただ、何度も言いますけど、「80歳以上は標準治療がない」と理解した方がいいのじゃないですか。ないのですよ。今の説明文の前提なんですよ。「だから今回、新しい治療法を試します」というのが趣旨だと思うのです。

 勝村 患者からすれば、標準治療でなくても良いのですよ。なくてもいいけど、一切の医療を受けないか、この医療を受けるかの二択しか書かれていないので、これ以外にやるとしたらどんな治療があるのか比べられないと、効果なんていうのは…、

 富田 比べるというのは、実はここではまだやられない。つまり、これはⅠ相・Ⅱ相の試験で、Ⅰ相は全く新しいものをこれからやるので、まずは効果じゃなくて、毒性がないかをチェックするのですよ。Ⅱ相というのは、その毒性が出ないギリギリのところで効果があるかということを確かめる。それはどの程度か分からない。そのレベルなので、「期待される効果」の比較対象は無治療なんですよ。無治療だと悪くなるのは分かっているので、あえて比べることはないのですが、とにかく新しいやり方をトライして、まず「耐えられるか」を見るのですが、効果も多少は出るから、そういうことを分かりやすいように説明してもらうといいかなと思います。

 勝村 本当に日本中のお医者さんが「この臨床試験をしないのなら、現状では何も治療できません」と言っているのだったら、説明はこれで良いですよ。でもそうじゃないのに、これを読んだらそう思ってしまうでしょ。

 富田 80歳以上でやった人はあまりないということです。

 吉中 現状はFOLFIRIとかFOLFOXとかをやっていることが多いわけでしょ。

 野崎 やっていることもあるし、「もう歳だから、やらなくていいでしょ」とやっていない施設もあります。

 勝村 だから、そういうことがちょっと「期待される効果」で触れられていれば良いのかなと思う。

 位田 今、説明されたようなことが、さっと読んだだけでは分からないという話なんですね。

 野崎 当然、説明はこの文書だけでなく、口頭で分かりやすく理解するまで説明を付け加えるのですけど。

 原 説明に書けていないことを口頭で説明できません。

 勝村 口頭で説明する内容の質を担保するために一応、文書を確認しているのだから。特に患者向けに説明する「期待される効果」の文面は、患者に誤解のないようなキチッとした表現であることが望ましい。ほんの少し書き加えるだけでいいような気がするのですけどね。

 富田 では、これのサマリーを例えば1ページものぐらいにして、患者説明同意文書に付け加える格好は…?

 勝村 理屈として今まで治療法がなかったということで、「期待される効果」では、何もしないかこれをするかの二者択一になっているけど、患者が臨床試験に参加するかしないかを判断する上では、理屈よりも現実的なメリット・デメリットが表現できていた方が良いと思うのですね。僕の家族がこれを勧められたとしても、僕はP77の「8.期待される効果」「9.予想される副作用」しか読まないかも知れない。

 位田 実際には癌研が作成したこれを書き直すことはできないのですよね。

 原 説明は大丈夫でしょう。

 位田 多施設共同研究では「この説明文書でやります」と言ってくるわけですから、基本的には説明文書も統一でやっているわけですよ。だから、もしやるとすると、もう少し分かりやすい補充の説明資料という形ですね。

 原 先ほどの膀胱癌の方の患者向け説明文書は修正してもらったのですけど。

 位田 勝手にできるのですか。

 富田 それは了解を取られて、オッケーということでしたが、規模はそれほど大きくないですし、これはかなりハッキリしていますので、書き換えはかなり難しいと思いますね。

 位田 了解を取れれば問題はないですけど、これは癌研ですから書き換えはできないと思います。だから、補足の説明資料みたいな形でもう少し分かりやすくされたらいいと思います。仮に口頭で分かりやすく説明して、80歳以上の人がこれを全部分かったとしても、その時にオッケーが出ない可能性があるわけですね。「ちょっと考えてみてくださいね」と普通は言っているわけですよね。で、考えるための資料としてこの文書を持って帰って、読んだら絶対に分からなくなりますよ。私の父親を考えると、こんなのを「読め」と言う方が無理です。だから、「現状がどうなのか」ということと「今度の第Ⅰ相と第Ⅱ相にはこういう意味があるのですよ」ということを分かりやすく言って、その上で「これをやれば『期待される効果』が出ると思っています」ということが伝われば、いちばん良いわけですね。FOLFOXとかいろんな名前は、患者さんにとってはどっちでもいいわけですよ。要するに、治る療法をやってくれればそれで良いわけで、そのために「臨床研究に参加します」と言ってくれるわけですよね。参加してもらうためには、やっぱり「今までのとどう違うか」ということがハッキリしないと、参加しようという気にはならないと思うのですよ。科学的にはここまで書いていただくと非常に正確だと思いますけど、科学的に正確だから患者に伝わるかというと、必ずしも正しくはないから。

 富田 ただ「期待される効果」は、厳密には「治るというよりは少し延命する」というのが実際の効果ですね。

 野崎 進行大腸癌なので、治癒のできる補助療法とかではないので…。

 勝村 副作用の軽減がいちばん強い目的ではないのですか。

 野崎 だから、副作用が少ない割に、結果としてお元気な期間が延びるということが目的で、癌が大きくなるスピードを緩めたりとか…。

 勝村 だから、そのことをそのままダイレクトに書けばいいのにと思っちゃうのだよね。

 吉中 単純に言うと、セツキシマブとカペシタビンという薬が得られて、この2つを使うことで従前の治療に比べると副作用がより少なくなって、QOLも改善するとかっていうことを期待しているということですよね。背景のところを読むとよく分からなくなってくるから。

 富田 厳密に言うと、耐えられる副作用の範囲内で効果があって、少し延命が期待できるというものですよね。あまりバラ色の効果があるというわけではないですよね。本文はちょっと難し過ぎる気はしますので、もっとシンプルに1ページぐらいにまとめてもらった方がよいのかも知れませんね。

 勝村 今のお話は何もしないことと比べて?

 富田 そうです。80歳以上であれば「もういいじゃありませんか」ということで、何もしないという選択もあるかというのが…、それは多分、書けませんけどね。

 原 あるのなら、別に書いてもいいとは思いますけど。

 位田 それを書かないと、「この臨床試験に参加します」と本気で言ってくれませんが、本気で入ってもらわないと困るわけですよ。これに参加しようと思う人は、自分の体が今より悪くなるとは思わないので、「参加したらどんなプラスがありますか」ですよね。その時に若干でも延命できるとなれば、その人にとってはハッピーなので、それはそれで良いのだと思いますよ。そこは微妙な書き方になりますけど、書いていただかないと…。

 吉中 P70の「2.現在の病状」なんかは分かりやすいですよね。この延長線上に書くと「今回の薬を使うと、効果は同等かも知れないけど、より副作用が少ないというメリットがある可能性があります」ということでしょ。

 勝村 そっちが本質と、研究者の人達は思っているということですね。なのに「期待される効果」を読むとバラ色の薬のように見える。「最終的に命を奪う」と書いておいて、「だけどこれを飲むと半分になるのが1/3以上いて、半分にならなくても小さくなる人がいる」。

 位田 「この薬がどうこう」というのが真ん中にドカッと入っていますが、述べる順番は、P70の「現在の病状」で「あんたの病状はこうですよ。で、こういう治療をすればこうなります。しなければこうなります」とだいたい書いてあるので、次に「この新しい併用治療方法をやれば、こういう効果が期待されますよ」というのが先にあってもいいと思うのですよ。で、「ついてはこういう薬を使うのですよ」というのが後に来れば、話は比較的に分かりやすいと思うのですよ。書いていてあることは科学的に正しいことが書いてあると思いますけど、80歳の人に読んでもらって、分かってもらおうと思うには、ある意味では詳し過ぎますし、「こんなことを言われても先生、分かりません。お任せします」という話になりますよね。

 勝村 「期待される効果」を率直に書いても、みんな参加されると思いますけどね。

 広瀬 この患者さんは手術をしてもしかたがない人なんですね。

 野崎 …か、もしくは手術ができない…。

 原 そうしますと、説明文書の作り替えが難しいとすると、民医連中央病院版の分かりやすい説明文書を作っていただくということになりそうですね。それともう一点、北村さんの方からの意見がありましたね。

 北村 私が迅速で述べたのは「80歳以上の方にそういうことを分かっていただくのは難しい状況があるので、臨床研究に参加することへの同意能力をきちんと確認するということを、プロトコルに加えて欲しい」という意見だったのですが、修正するのが難しいということであっても、今、ここで話されたような案が達成されれば十分に意見が叶うことになるので、80歳以上の方にも分かるようなサマリーを付けていただくなど、こちらをしっかりしていただければ、同意能力の確認を省いても構わないと思います。

 位田 「同意能力のない人は入れない」とは書いてないと思いますが、同意能力のない人は入れないのですね。

 野崎 さすがに入れないですね。

 北村 条件のところを見ると、パフォーマンスステイタスの話が出ていて、いわゆる意思決定能力まで含んでいるかというと、やや曖昧なところがあったので、「同意能力」の一文を入れて欲しいということだったのです。

 富田 例えばP41の「3.対象」のところに[(2)本試験内容について十分な説明を受け、本人の文書による同意が得られている]と、一応それにつながるような表現がありますが、北村先生の方が丁寧なコメントですね。

 北村 想像されるのは、80歳以上の方だから「先生の言っていることだから取りあえずサインしましょ」というように、実質の議論を抜きにされてしまう怖れがあると思うので、ちゃんと説明するような条項があった方が良いということで、「入れて欲しい」と言ったのですね。

 野崎 逆に言うと、「はい、はい」と言いながらあまり分かっていない人の方が、むしろこっちは怖くて、例えば内服薬とかをしっかりと自己管理できないと問題ですので、そういう人はこちらから断ることもあります。

 富田 癌研は若い人向けの文書ばっかりですからね。

 野崎 [本試験内容について十分な説明を受け、本人の文書による同意が得られている]というのは、認知能力というか、「しっかりと自己判断能力のある人ですよ」とイコールの文面だと思います。逆に言えば「除外基準」に[(15)臨書試験責任医師が本臨床試験への参加を不適当と認める]というのが入っていますが、(1)から(14)はあくまでも客観的なデータのみなので、「そうじゃないけど、この人はもう一つ理解能力が乏しく、臨床試験は難しいね」ということなら、その時はこの(15)に該当させて普通の実地臨床という感じでやることが多いので、北村先生のご意見は、この両方が入っているということでいいのかなと思います。

 原 これを計画書に入れるのが難しければ、「本人の同意能力については十分慎重に判断して、きちんとしたインフォームドコンセントをやってください」という、当院での承認条件を付ければいいんだと思います。
 そうしたらどうしましょうか、説明書の要約版みたいなものを作っていただくしかなさそうですね。で、それを迅速審査に回すという形なのか、あるいは皆さんに回すか。

 位田 それは委員長一任なり、もしくはお二人の先生で判断していただければ…。書いて欲しい内容は今、口頭で説明したわけですから。

 原 この議論を踏まえて迅速審査手続きで進めるということでよろしいですか。迅速審査手続きというのを確認しますと、迅速審査の担当委員の判断で基本的には終わり、それを承認したことは委員会の開催時に報告すします。ただ、迅速審査では無理だという判断をすれば本委員会に回します。ということでよろしいでしょうか。

 富田 文書量は1ページぐらいでいいですか。

 吉中 あまり長くない方が分かりやすいのではないですか。

 原 最初の方はこの程度で良いような気がするのですけど、間に「分子標的治療薬が…」「EGFR…」といった薬の説明が入ってくるから非常に堪らないのと、研究のデザインが分かりにくいので…、

 位田 1ページに収めないといけないと拘るのではなくて、分かりやすければ3ページでもいいわけです。

 富田 ただ、この同意書の説明文と重なるものをたくさん書いてもしょうがないですね。

 位田 「この説明文書が分かりにくいから、これさえ読めば分かります」ということなので、内容的には当然、かぶるわけやね。僕はもうちょっと字を大きくして欲しいし、行間も空けて欲しいと思うのですよ。

 原 補足というと中途半端になるから、これぐらいやったら書き直すと考えた方がいいかも知れませんね。研究デザインの説明は、プロトコルに書いてあるやつの方が若干、分かりやすいのですけどね。

 野崎 では、取りあえず癌研に「追加の文書を出しても良いですか」と聞き返してですね…。

 北村 これはこれでお渡しして、分かりやすいサマリーを付けるということですね。だから…、

 位田 そうです。だから書き直すという話ではないのです。

 吉中 そういう意味では、癌研の承諾を得ることではないですね。

 原 必要はないですけど、言うておいた方がいいでしょう。「この説明文書では具合悪いという意見が、倫理委員会で言われました」というのは、伝えていただいた方が、今後のためには良いと思います。

 勝村 癌研は若い人ばっかりを診ているから、「年寄りにはこんな配慮が必要だったのか」って、彼らにも勉強になる。

 富田 迅速審査を進める内容としては、サマリーを改めて作るのでは必ずしもないということですか。

 北村 今の話を確認すると、説明書は今のままで良いけれども、これの分かりやすい要約版みたいなものを新規に作成してもらい、それを迅速審査の手続きに回すということですね。で、プラス「その実施にあたっては本人の同意を十分に確認してください」という条件を付ける、こういうことが結論かと思います。

 富田 そうしましたら、迅速審査で了解が出た時点でゴーですね。

 原 そうです。説明文書の丁寧版でオッケーが出たらゴーサインという理解でよろしいと思います。

 位田 すみません、P68に実施協力医療機関の表があるのですけど、民医連が載っていないのは、これは?

 野崎 初版を作成した時にまだ声がかかっていなかっただけで、ウチがILBに通っていないから、そこに名前が入っていないので、通過すればそこに名前が載るのだと思うのですけど。

 富田 細かいバージョンアップというのは、向こうでも迅速に決めながら、改訂版が出るのでしょうね。

 位田 施設が増えていくとすると、目標症例数も変わってきますねぇ。ここの病院でⅠ相が1~2例、Ⅱ相が6~12例ですから、全体ではⅠ相が3~4例、Ⅱ相が41例というのは、3~4施設で十分にいってしまう数ですよね。

 野崎 そうです。6~12例というのはちょっと多く書き過ぎたと、今さらながら思っているのですけど。

 原 では、次は治験ですね。

 

議事(3)「治験申請審議」

 富田 治験関係資料と書かれた表紙の冊子を見ていただければと思いますが、これは既に動いています齋田先生の多発性硬化症を対象にしたBG00002(商品名TYSABRI)という薬の治験です。P9の真ん中あたりに「PartB」とありますが、現在はPartAが終了して、PartBの開始を待っている段階です。PartAでは副作用と薬物の量の確認といったことが目的で、オープントライアルでやられていました。PartBも基本的には中身は一緒なんですが、症例数が増えまして、実薬とプラセボのダブルブラインドになりますので、その承認をお願いすることになります。 薬についての説明は、PartAの承認時に直接、齋田先生からがありましたので省略しますが、PartAの承認時に問題となったのが副作用で、P46の「付録A」の4行目に進行性多巣性白質脳症(PML)という病名が書かれていますが、これが脳全体を萎縮させてしまう非常に重篤な有害事象になっています。薬は月に1回、静脈投与しますけれども、これが2年を超えると、急激にこの病気が発生しやすくなります。それは、普通なら病原性を持たないJCウィルスという常在に近いようなウィルスが、抵抗力が落ちてきた方に日和見感染で病原性をもってくるのです。そして中枢神経全体の広範囲に炎症を広げまして、場合によっては致死的な状況に至ります。その頻度は前回に議論していただいた時には、2年を超えると1000人に1人ぐらい発生するということでした。欧米では既に保険適用されていますから、その後も使用者は1万人ほど増えていますが、発生率は変化ありません。唯一、予防的に打てる術は、PMLが診断された時に投薬を中止することで、免疫力が回復してきてPMLの進行は止まります。ただし、ダメージを受けた神経は回復しません。特定の研究機関に外注してやっていた検査が自社でできるようになり、多少は診断が早まったようですけど、根本的な改善にはなっていないのが現状です。

 原 よく分からないのですが、今回、何を審査して欲しいという話なんですか。

 富田 PartBのダブルブラインド試験に進んでよろしいかということで、了解を得たいということです。中身は一緒ですが、PartAでは実薬投与だけで少人数の方に行っていまして、1年経った時点でBに進むというのは当初からの予定になっていたということです。今日、齋田先生が来れないので私は代理ということですが…。

 原 そうすると、PartAの結果はどこにあるのですか。

 富田 PartAの結果は、まだデータがまとまっていないのではないですか。

 原 それが載っていないと、Bのお話ができないのではないですか。

 富田 PartAの重要な目的の一つである薬剤の薬理的な解析は、まだ終わっていないと思います。治療効果そのものについては、諸外国でもう使われていますので…、

 原 P5の「概要」の「治験デザイン」では、PartAの説明の後に「PKデータを中間解析した後にPartBを開始する」となっていますから、「もう終わっているはずの中間解析のデータはどうなんですか」という話です。

 富田 それは分かりません。それか、まだもうちょっと時間がかかるのかも知りません。治験の場合には人種差というのが常に問題になるわけですが、そこを確認するというのが趣旨のようですけども、PartAのデータがないと先に進めないというものでもないと思いますけども。

 吉中 P9の「中間解析」では「中間解析の検討結果に基づきPartBが承認された場合」ということなので、検討結果があるはずですね。

 富田 それは私には分かりませんから…、

 原 人種差とかそういう議論の前に、「TYSABRIの安全性を中心にAで調べます」ということですから、一定のデータがないと、「90例に増やし、しかもプラセボと割り付けるというようなことをやって良いのかどうか」という判断はできないと思います。PMLという重大な副作用のリスクがそもそもあるということが分かっているのですから、もしもAで本当に多くの重大事象が出てきたら、途中でもやめないといけないので、一定の安全性の確認を示されないと、Bに進めないと思います。

 富田 臨床的な判断と薬物動態(PK)はそうだとは思うのですが、それがないと先に進めないというふうには聞いておらず、PartAは臨床的には特に問題なく終了したと聞いていました。

 原 ですから、「問題なく終了した」という説明データがないと分からないですよね。

 勝村 どこかにないですか。ないのが不思議やね。

 位田 「本当に問題がなかったか」というのは本当のことですよね。どこにも書いていないでしょう。概要の次はP14の「9 PartB」というところから始まっていますが、ここはAが中間解析されてBに進んだ場合の話です。

 原 P64~65あたりに何か書いてあるようにも読めるのですけど、違うかな。

 位田 これは説明文書ですね。研究計画の中に入っていない。

 富田 薬物動態の確認をしたいだけのように聞いたものですから。

 原 計画書と同意説明文書だけしかないですね。

 位田 P52以降は説明文書ですけど、「BG00002の安全性の云々」で、P53の「3.BG00002について」というのは、外国での結果ではないですか。で、P54の「4.治験の目的」は、日本人の患者さんに対して有効性・安全性・忍容性を評価するという話ではないですか。この説明文書はPartB用ですね。PartAは民医連の病院でやられたのですか。

 富田 はい、そうです。有効性も副作用も諸外国でのデータは出ています。で、薬物動態は基本的なデータとして最初に揃えるようですけど…。

 吉中 PartAは1年前にやったのですね。その中間解析の結果が要るわけね。

 富田 PartAとBを一つと理解されていたのかなぁ。

 勝村 2010年9月17日となっていますから、P52以降は今回、新たに書いて資料に入れられたわけですね。この前ぐらいに当然、中間解析の結果が挟まっていなければ…。

 位田 日本での治験だから当然、日本人について効くかどうかという話ですよね。説明文書の中には今までBG00002を使った時にこんな結果が出たとか、こういう副作用があったというのは、かなり詳しく説明してありますが、これは皆、海外の話ですよね。例えばP66の表は「海外で実施された臨床試験において有害事象は以下の通りでした」と書いてあるわけですね。

 原 今日に審議すること自体が無理だと思いますので、改めての資料提出と、担当ドクターにも来ていただく必要があると思います。

 富田 これが延びるとマズイのですよね?

 原 だって、それは無理ですよ。

 位田 そら、無理ですね。

 原 安全性の確認ができていないものを拡大する治験の了承はできないですよ。

 吉中 来てもらった方がいいのではないですか。

 内田 いつから予定しているのですか。

 富田 いや、もうだいぶ患者さんは待っているようです。

 勝村 この中間解析は終わっているけど、今日の資料として出てきていないだけじゃない?

 富田 出ているかどうかも、私は分からないですよ。後から出すかも知れませんが、データとして取っておくというふうな意味合いに理解していたものですから、あまり重視していなかった。今日はやっぱり齋田先生にも来てもらった方が良かったですね。

 位田 事前資料Dに治験審査委員会の議事録がありますね。P1の最後の「5.審議事項」でこの治験が示され、P2の「6.審議内容」に「(2)安全性情報に関する報告書」というのがあるから、これがPartAの結果であるかも知れない。

 富田 いや、この時にこれはほとんど話題にはなっていないです。

 吉中 症例の分は私宛にも来るので見ていますが、小さな一覧になって、「どの医師がどうやって検査してどうだった」という個別のかなり詳細な報告で、その都度、治験の進行上問題ないかという判定も付いています。

 位田 では、中間解析というものではないですね。

 富田 これは臨床データの報告で、ちょっと種類が違う。多分、製薬会社で問題にされる基礎データと思うね。

 原 どちらにしても、この場でゴーサインを出すことはとてもできませんので、改めて審査にかけていただかないと仕方がないです。治験コーディネーターといった方もおられるのでしょうから、もう少し段取りをやっていただくということでお願いします。時間的に余裕がないので次はどうしましょうか。エホバはずっと積み残しになっていますが、期待して待っておられるエホバの人達は困るでしょうね。

 北村 でも、ちゃんと議論をした方が良いので、次回に回していただきたいと思います。

 

議事(4)「医学研究の利益相反に関するガイドライン(2次案)」

 原 では「利益相反のガイドライン(2次案)」に移りますが、資料のP2の次の1ページが抜けています。これは、この間のご意見を踏まえて、項目の立て方を整理したのですが、2枚目がないとちょっと無理ですね。

 内田 ダメですね。丸山さん、原本のプリントアウトしたものはないの?

 丸山 プリントアウトしたものがないですね。

 原 P3は具体的な申告の線引きの例をピックアップしました。ジャンル分け方がまちまちで上手く整理できないのですけど、いちばん左側の日本医学会の分はまだ案で、各学会へたたき台みたいなものを送って来た段階ですが、ある学会の倫理委員を私がやっているので見せてもらったのです。その右側が文化省のものですが、これはガイドラインの作り方のガイドラインみたいなものです。で、厚労省。東北大学と徳島大学というのは比較的に早く、利益相反のガイドラインを作ったところの例です。
 今までにできたものを大雑把に言いますと、金額は例示なんですよ。例示というのは「基準を定める場合、例えば100万円超とするようなやり方があります」というように例として書いてあるだけで、具体的な線引きをしているのではなく、後は「それぞれの施設でガイドラインを決める時に好きに決めてください」みたいな書き方です。厚労省の分は「目安」と書いてあるので、例より少しは意味がありますが。ある種、作る側の無責任な感じを受けるのですけど、例だけを挙げて、例を独り歩きさせようという魂胆のように見受けるのです。で、線引きの金額は大まかに似ていますわ。よく考えると「合計で幾ら」というのと「分解して幾ら」というようにずいぶん違い、例えば「いろいろな収入を含めて100万円以上」という場合と、「講演料50万円以上、原稿料50万円以上」という場合は、どっちが高いかよく分かりません。あくまでも申告しなければいけないかどうかの線引きで、利害関係があるとアウトになるという意味ではありません。どうもアメリカのこの手のものが1万ドルぐらい、100万円相当なので、それを参考にしているのかなという話を聞いたことはあります。
 前は1万円で線引きしようと思っていたのですが、ちょっと煩雑になるかなという気がしまして、適当に決めればいいのですが、5万円という案を出してみました。大学の基準とか例示されているものとは、ずいぶん開きのある線を出したのは、この病院でそれほど案件はないでしょうというのが一つ、もう一つは、一般市民感覚からすると、挙げられている金額があまりにも高過ぎる気がします。例えば日本医学会のものでは、報酬が100万円以上でなければ届ける必要がないという話になり、講演料も50万円以下なら無いということになります。

 勝村 政治資金規制法でももっと低く、1円単位でやろうかという話が出ている。

 位田 「ガイドラインを作っていますよ」というだけで、ザルと言えばザルです。

 原 逆に、出さないことを認めるようなガイドラインを出しているので…。「利害があったらダメ」という話ではなくて、「あることを念頭において研究を評価しましょう」という話ですから、あまりにも煩雑にならない程度であれば、基本的になるべく出す必要があると思いますよね。

 勝村 政治資金も「貰ったらダメ」と言っているのではなく、「貰ったら出せ」と言っているのだけど…。

 原 政治資金をたくさん貰っていた議員が、国会でその業界に近いような質疑をしていたら、「そらおかしいやないか」と咎められるようなことと近い話ですが…。線引きはもうちょっと下げた方がこの病院としては良いのに間違いないですが、どの程度から煩雑になるのかというところが、現場の方に聞かないと分からないのです。

 北村 こういう収入がある人って、当院の職員の中にいるのかな。

 吉中 ないのではないですかね。

 原 兼職・株…。講演とかはあり得るのではないですか。

 吉中 株は分からないですが、講演とかは、ほとんど民医連の中なので違うと思う。

 東 ないんじゃないですか。講演料50万円とかって凄いですね。だけど、整形外科なんかの特別講演とかで教授を呼んだりする時は、30万円といった単位は出しますよね。僕は収支を見たりすることがありますけど、医学部にはそういう世界があるのですよね。大学間でそうですから、企業なんかはもっと出すかも分かりませんね。

 吉中 学会の何とかセミナーの座長とかをする人はほとんどいないと思いますけど、かなり出るのですかね。

 原 数十万単位で出ていると思います。個別の製薬会社の講演会とかもあるでしょうから。

 勝村 「30万円ぐらいやったら、一々、言わんでも良いやろう」と思って、医学会は50万で分けているのやね。

 東 ですよね。「30万ぐらいだったら普通にあるから50万…」ということでしょうね。

 原 「これを超えないと大金ではない」みたいな感覚なんですけどね。

 位田 医学会総会で講演をしたことがありますけど、何もくれないで記念品の印肉だけでした。

 原 前回は、一律1万円にしようかなとしていたのですが、今回、5万円にしたのは煩雑かも知れないなというのと、医学会に「旅行・贈答5万円」というのがあったからですが、10万円というわけにはいかないと思います。

 位田 文科省の科研費だと、例えば大学教授だと1時間1万8千円というのが単価なんですよね。で、2時間ぐらいの拘束で講演会をするとして3万6千…、まぁ4万円として、そこまでは多分、常識の範囲だろうと思いますよ。で、それを超えて、どこから上を利益相反にあたるかと考えると、5万もしくは10万ぐらいでしょうが、5万は今ではそんなに高くないかも知れないですよね。

 原 ドクターが講演に行けば普通、5万ぐらいは出るのではないですか。患者向けなんかは別でしょうけど。

 勝村 だから、どこから5万を貰ったかということも、出すだけなら良いと思うけど、煩雑さだよね。

 原 ジャンル別に細々とまとめるのも面倒くさい感じがするので、5万か10万にするのか、1万でも滅多にないというなら、それでも良いかも知れませんが。

 勝村 現実的に病院内部の人が納得できる範囲で、できるだけ公開するという趣旨だから、低い額でやった方が利益相反という意味が分かって良いですよね。

 原 そういうのを貰っていたって、別に恥じる必要はないですからね。

 北村 5万でいけそうですか。中身がないと分からないですね。

 吉中 この項目がどうなっているかが重要ですね。

 原 項目は、だいたいここに出ているのと似たような項目です。給料・報酬・株・研究費・ロイヤリティー…、ロイヤリティーはあまりここではないですけどね。講演料や原稿料はあり得ますよね。

 勝村 聞くとこによると、製薬企業ってジャーナリストに対しても利益相反をやることがあるといいますね。

 原 僕は薬関係にしゃべったことはないですけど、結構、高いと思いますよ。
 項目別に出すのは面倒な気はするのですけど、合計するのも面倒かも知れないので、どっちが楽かなぁ。

 吉中 あまり考えたこともないという感じもあるから、項目がないと分からないかも知れないね。

 勝村 「幾ら以上」というのは同じところから1回あたりということ? 1年間あたり?

 原 例示としているのも「同じところから年間」で、右側の大学は分かりやすく「年間」と書いてあります。

 吉中 それを個別に挙げるということですね。

 原 そうですね。もちろん、全部を申告してくださいということではなくて、その研究に関係するものですよ。

 吉中 株をやっている人が皆、間違えて書いたりして…。

 位田 これは個人情報ですからね。情報をどこかでコントロールしないといけないですね。ここに金額まで出すのか、「こういう人がこういう名目で申告しています」というだけで終わるのか、そのへんが難しいですね。倫理委員は守秘義務を倫理的にはかかっている。法律的にかかっているわけではないけど…。

 原 どうなんでしょうかね。最終的には、発表するとなったらそういうものは求められてきますけどね。

 吉中 どこまで書いていたかは覚えていないけど、ニューイングランドジャーナルなんかはかなり具体的に書いていたいような印象があって、最後の方で1ページを全部それに使っているようなのがありますね。

 勝村 研究に関係する企業というのは、どのくらいの範囲になるのですか。

 原 関係する企業だけでなく、同種の薬を扱っている企業も入れた方が良いのかなという気もしています。

 吉中 例えば抗癌剤というような括りですか。

 原 どれぐらいをグループ分けするのかは難しいですけどね。

 吉中 それは、競争相手の場合もあるという意味で言っておられるのですね。

 原 競争相手というわけでもなく、例えば薬物治療を一生懸命にやっているドクターが、ある薬の研究をやった後に、別のものをやるとして、別のものとは利害がなくても、実は「どんどん薬を使いましょう」という研究結果を発表し続けているということが、現実にあると考えられます。それこそ抗鬱薬のSSRIなんかの問題ではそういう話がされていますし、インフルエンザの薬なんかでもとにかく薬の好きな小児科医とかがいますので…。

 勝村 そうだね。製薬企業は全部やな。

 北村 ウチの病院の実態を十分に掴んでいないところもありますし、資料もないので、ご提案いただいた内容を病院に持ち帰って検討して、またキャッチボールさせていただくという具合でいかがでしょうか。

 原 今日に結論を出すのは無理ですし、病院サイドの実情というのは必要な要素ですね。ただ、例えば今回の臨床研究の審査でも申請書に「利益相反調査結果:問題なし:問題あり」と書いていますけど、何を基準にしているか分からないですよね。そういうもののままであまり続けていくと、実害が生じる場合も理論上はあり得ますけど、研究そのものが通用しなくなりますので…。

 勝村 「何万以上だったら問題あり」「何万以下だったら問題なし」という感じ…?

 富田 これは自己申告です。

 原 いや、「問題なし」と言っても、これでは分からないですよ。「問題がある」とか「ない」という考え方をすること自体、無理があるかなと思う。

 勝村 「貰ったらあかん」とかではなくて、「客観的な薬の研究、アカデミズムだ」という立場をとっていると言うなら、お医者さんと製薬企業とのお金の関係はやっぱり全部、出すべきだと思うな。

 吉中 原さんが言うのは、「問題ある」「なし」ではなく、「公表している」「していない」ということにしなければいけないということですか。

 原 要するに、利害関係があるかないかということですね。

 位田 もしくは「利益相反に関連する事項の表を1枚作って、そこに記入してもらう」という話ですよね。

 原 大学なんかではそういう用紙を作って…。

 位田 「利益相反があるからやってはいけない」という話ではなくて、「そういう研究は信憑性が疑われる」という話ですよね。

 原 「いっぱいお金を貰っていたりしたら、疑われる材料になりますよ」ということですね。ただ、線引きが無闇に高いと、実際は結構あるのに、何もないかのように見えてしまうので、それが具合悪い。ストップをかけるというのはやらないでもいいかも知れない。ということで次回へ回すことにして、終わらないけません。
 そこまでしか進めませんでしたが、議論を終えまして次回の日程…、

 富田 ちょっとよろしいですか。私の不注意で治験のPK・PDのところを確認していなくて、今日は進められなくて申し訳なかったのですが、これを至急に調べますので、議論を早めに集約していただくような態勢を、持ち回りみたいなものも含めて、考えていただくことをお願いします。というのは、別の問題がやっと解決して、患者さんが待機しているものですから…、

 勝村 実際は「中間解析が済んでいて、かつ、非常に良好な内容だった」というのなら、持ち回りでも可能ではないかと思うのだけど、そこが分からないのなら、中間解析の結果が説明を受けないと判断できないような内容かも知れないので、持ち回りは厳しいかも知れない。

 富田 いずれにせよ調べてみないことには、私も分からないものですから、報告させていただいて…、

 原 患者が待っているというのは、Aの治験をやった人が「引き続きBに入りたい」と言っている意味ですか。

 富田 いや、全く別の方が待っておられるということで、Aの方は継続で実薬投与が続いています。

 位田 何を待っておられるのですか。

 富田 薬の投与です。ハッキリ言って、この薬は効果があって副作用が少ないということも…。

 原 どうしますか。持ち回りというのはあまりやったことがありませんからね。

 北村 説明はどうしても倫理委員会で…、

 勝村 持ち回りでやろうとして、1人でも「きちんとやって欲しい」という意見なら、その段階でボツですよ。だから、よっぽど「これなら…」という感じでないと…。

 原 そこまで急ぐ理由があまりよく分からないのですが、プラセボ対象の治験でしょ…。

 富田 結局、急ぐというか、この病気自体が月単位で症状の所見が出得る病気ですので、やはりあまり先にするというのは…。いずれにせよ手元にデータが全くないですから、資料を集めて見てもらってからでも構いませんので、持ち回りが可能ならお願いしたいのですけど。

 原 しかし、そのデータそのものを出してもらうということですねぇ。

 北村 中間解析の結果を出していただいて、メールで資料を配付していただいて、ご承認いただければ進めたいということですね。一定、患者さんにとって利益になることであって、手続き上も問題なく踏めるのであれば、それは構わないものですが…。

 原 ただ、私は抵抗があります。

 位田 どういう形で解析結果が出てくるか分かりませんけど、薬の作用とか、症状がどうのこうのというのは、説明なしではおそらく僕には分からないと思います。で、いろいろお話を聞いていると、「これは問題があるかな」とかいう話はあり得ると思いますけど、結果だけで私は判断できない。

 勝村 確かに、文章だけではそうかも知れないね。

 内田 通常は2ヵ月に1回の開催なので、無理なお願いなんですが、例えば来月に、齋田先生に説明していただくことも含めて、日程を確保しておいた上で、中間解析の資料があることが前提ですから、資料が揃うようであれば、倫理委員会を開催するということで、調整をお願いできないでしょうか。今日、欠席されている委員の方も何人かおられるので、メールで回しても多分、何のことか分からないという感じもします。

 北村 倫理委員会をもうちょっと早めに設定させていただくということで、お願いできればよろしいですね。

 原 1月に設定できるのであれば、そちらで私は構いません。ただ、日程が合うかどうかですね。

 内田 もちろん、皆さんとの調整が要ると思いますし、齋田先生も連絡が取れないですよね。資料があるのかどうかということも確認しないと分かりませんので、そこから始めないといけませんが。

 位田 ちょっと確認なんですけど、治験委員会は通過したということですか。

 富田 はい。

 位田 で、「治験委員会と倫理委員会の両方を通らないといけない」というシステムなんですね。

 吉中 当初、決めた時には、治験についてはあまり想定していなかったのですけど、一応「倫理委員会でも審査する」という文言を入れているのですね。それで、二重構造で始めたという経緯になります。

 原 日程調整をしましょう。個人的には、この案件を持ち回りで進めるには無理があるような気はします。

 内田 今日は第3火曜日ですので、同様にすると1月18日になりますが、よろしければ一旦、この日に設定させてください。抜けていた利益相反の資料は今夜中にもメールさせていただきす。

 原 取りあえず18日に差し支えはございませんか。それはそれでやってしまえば良いではないですか。

 内田 ありがとうございます。では、1月18日木曜日の6時半ということでよろしくお願いします。

 広瀬 一つだけ質問したいのですけど…。しっかりと歩いておられるし、かくしゃくとした80代の方ですが、ある病院で相当進行した十二指腸癌で手術される時に「歩けていなかったら手術はしない」というようなことを言われたらしいのですが、そういう基準というのはあるのでしょうか。私はリューマチ患者会をしていますから、歩けなくなってそういう状況になった時に、そういう判断をされることがあるのかなと、不思議に思ったので…。

 吉中 ADLということで、「歩ける」「歩けない」といったことは手術のリスクに密接に関係していて、そういうデータがあるわけですね。麻酔科サイドの評価とか、何パーセントの死亡率かというのもグレードによって出ますから、そういうことに基づいて言われている可能性はありますよね。できないと10倍と20倍ぐらいは違ってくるのです。だから、「レベルが悪いけど大丈夫?」って、冒険みたいなところもあるし、「それで切ってもいけないだろう」というところもありますからね。「あんたはあんまり動けないから、手術はできない」と、言い放つのはどうかなとは思いますけどね。

 広瀬 はい。すみません、遅くに…。

 原 それでは、委員会はこれで終わります。ありがとうございました。

 

 

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