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第三十八回 倫理委員会 議事録

京都民医連中央病院

日時 2010年8月31日(火)18:30~21:00
場所 太子道診療所3階多目的室
出席者 外部委員 原委員長、勝村副委員長、位田委員、岩橋委員、関谷委員、広瀬委員
内部委員 北村副委員長、井上委員、東委員、吉中委員
事務局 丸山
オブザーバー 清水、田中、橋本、富田(治験審査委員会委員長)
欠席 赤木委員、内田委員、高木委員、中村(特別委員)

議事

議事(1)「臨床研究申請案件」

原  時間ですので倫理委員会を開催いたします。最初の議事は「臨床研究の扱いについて」となっていますが、これには2つのテーマがあり、1つは、具体的な2件の臨床研究の承認で、もう1つは、「もう少し簡便に審査する方が良いのではないか」というご提案がありましたので、これからの臨床研究の審査の進め方について検討するということですが、各論の方からやっていった方が良いかなと思います。それから輸血拒否のガイドラインも、さっさとやらないとどんどん忘れるので、検討を進めた方が良いと思います。今日、お配りしました「利益相反の関係のガイドライン案」は、私が起草して参考資料も付けていますが、これは「時間があれば」という感じで進めたいと思います。それでは臨床研究の申請案件2件ですが、今日は研究者の方が来られていないという…。

富田 今日はお二方とも都合がつかなかったので、私が代理で伺いました。

原  この2件は、従来通りにこの場で審査するという形にしたいと思いますので、説明していただけますか。

富田 実は、研究テーマは他にもいろいろあったのですが、立ち消え状態になっていまして、資料B-3のP1の表に載せた2件は動くだろうということで、審査をしていただければと思います。P3に1件目の臨床研究等申込書がありますが、これは、アウトラインを分かりやすく書いてもらうことにしようと私が勝手に作ったもので、これに沿って説明します。

1件目は腎臓内科の木下千春先生から要望が来ているものです。[1.課題名]は[TRAP study]で、日本名は[鉄剤とEPO製剤使用量と、患者生命予後に関する前向き観察試験]という題になっています。[2.研究責任者]とありますが、京大の腎臓内科のグループが基本的なプロトコル(指針)を作っておられ、「その研究に参加します」という格好で、手挙げをしたいという流れです。「利益相反はない」と本人から聞いております。P5の[6.研究概略]に移りますが、[(1)研究の種類]は臨床研究の範囲に入りまして、[介入を伴わない前向き研究]ということです。[(3)対象疾患領域]は[透析患者の貧血管理は、予後や合併症にも関与し重要である。エリスロポイエチン剤や鉄剤(共に貧血の治療剤)によりコントロールを行っている。ガイドライン的には、Hb(ヘモグロビン)10-12g/dlでのコントロールを目的とされている]とあり、[(4)研究及び医療の概要]は[エリスロポイエチン剤(Epo)製剤が(保険適用上で)包括化され、腎性貧血治療は大きな返還期を迎えているが、Epo製剤や鉄剤の至適投与法・量を明確にした報告やガイドラインは少ない]ということから、[対象は、1)腎透析を導入後1年以上で、状態の安定している患者、2)Epo製剤を含めた腎性貧血治療を受けている患者、3)18歳以上で75歳までの患者]で、[通常の医療活動に沿い、3年間の結果からアウトカム(評価ポイント)を評価する]としています。[詳細は研究実施計画書を参照」ということで、それをP9からP15に付けています。[(5)研究主体]がこの研究のポイントになるかと思いますが、[多施設共同研究で他の施設が主であり、申請者が所属する施設は分担研究]で、「ちょっと参加します」という格好になります。[(6)目標症例数]は、ウチでは10例が目標で、京大では全体で1000例ぐらい集めたいということです。P7の[保障措置の必要性の有無]ですが、半年に1回、採血検査項目に高感度CRPとプレアルブミンが入っている以外は、ほぼ通常の診療なので、特に必要はありません。以上がアウトラインです。

P9に、年間の検査予定表を載せています。3ヵ月毎と6ヵ月毎の検査を3年間、受けていただきますが、通常の透析患者の方はほぼ毎月、血液検査をされていますから、それに少し付け加えるだけで、現在の治療の中身が大きく変わるような内容ではないと思います。

原  確認ですけど、人工透析を受けておられる患者さんは、鉄分の補給か、ホルモンの一種のエリスロポイエチンか、どちらかを使っているという意味でしょうか。

富田 私も詳しい内容は分かりませんが、おそらくほとんどの患者さんがエリスロポイエチンを使っていると思いますが、鉄剤は必要に応じて使うということで、全員ではないのではないかと思います。

北村 鉄剤は全員ではないですが、併用はかなりされていると思う。

富田 鉄剤を使う使わないとか、エリスロポイエチンもどのくらいの量を使うといった基準がハッキリしないので、いろんな検査結果・経過を見て、適切な量を割り出せないかという研究だと思います。

原  「透析を受けている患者さんは貧血になりがちなので、そういう薬を使っているのだけども、どの程度にしたら良いのか、よく観察してみましょう」という趣旨ですね。「エリスロポイエチンが包括化されている」というのは、診療報酬上で込みの料金になっているということですね。

関谷 「使用する何かを意図的に変えて、結果を見る」ということではないのですね。

富田 そういうのは介入研究と言うのですけど、これは、通常の診療・治療が行われ、特殊な検査が加わるといっても、採血量がちょっと増えるだけです。

岩橋 「介入を伴う」「伴わない」ということを、もう少し具体的に教えてください。

富田 典型的な介入研究は新しい薬の治験などで、それまでの標準的な治療とは違い、治療者の意思がかなり入るような格好でやります。それから通常の治療薬でも、例えばランダムにグループ分けをして、グループ毎に違う処方をするといったことも介入になります。

関谷 その場合はもちろん、患者さんにそのことを説明してやられるのですね。

富田 もちろん。

原  決め方は、通常通りにドクターと患者の間で「これくらいで良いでしょう」と決めているのだけども、結果だけを研究として集計するというイメージですね。

富田 そうです。こういうのを俗に観察研究と呼んでいます。

原  検査の一部に「ABI、PWV(可能な施設)」と書いてありますが、これは何ですか。

富田 これは動脈硬化の程度を測るような検査で、ウチの病院ではできます。具体的には上肢や下肢の血管に超音波を当てまして、脈の伝わり方を見ますが、血管が硬くなれば早く伝わるので、動脈硬化だと分かります。プロトコルには一言も書いていないですが、おそらく「動脈硬化が背景となって何か悪さをしているのではないか」というのが仮説のように見えますね。

原  どちらにせよ、害のない検査ということですね。

富田 ええ、特に侵襲性はありません。

北村 足の血圧を測るというパターンで調べるのです。

関谷 患者さんのインセンティブは、将来の研究に役立つということだけで、なんのメリットもないですね。

北村 でもABIにはメリットがあるでしょう。透析患者さんはよく足の血管が詰まったりするので、年に1回はチェックしていますからね。

赤木 「患者負担はない」と書いていますが、検査は全部、病院でするということですか。

富田 高感度CRP、プレアルブミンというのは、どうも主催者側のツテで測るようです。

北村 測る人が決まっていますね。ウチの病院でも測れますけどね。

原  P13に「兵庫医大または三菱化学メディエンスでの測定」と書いていますから、送るのでしょう。

富田 測定する会社も特定しているので、ひょっとしたら何か特殊な測り方をするのかなと思うのですけど。

原  いずれにしても、患者負担および病院負担は基本的にないということですね。

富田 これ関する費用は、研究主体の本部が出すようです。後の項目は通常の診察・検査ということですね。

関谷 因果関係を調べるには、投与量とかもいろんな例が必要で、同じような例ばかりでは調査にならないけど、1000例も採ると、自然にばらつき、バリエーションとしては充分にいろんな種類が出てくるでしょうね。

北村 元々、貧血の程度も違いますし、鉄欠乏の状態も違うはずなんですよね。それを1000人の中でどう区分するかということを見て検討するのだと思うね。

富田 P15の[8.集計・解析項目および方法]の(1)に「生存率を求める」とありますから、おそらく何を調べるかということの1つとして、生存率にも注目していると思います。その他、ここに全部は書き切れていないですが、(2)を見れば、動脈硬化なんかも注目しているように読み取れます。そういうものと患者さんの検査値との相関を得て、原因・結果は分からなくても、何が悪さとの関係が深いかを見つけようということですね。

岩橋 P17の患者様宛の文書の[2.この試験の目的]に、動脈硬化という言葉が出ていますね。

富田 「長期的影響を検討したい」という例に「動脈硬化等の」と書いてありますね。で、長期的影響という中には死亡率も入っているのではないかと思います。

原  P17には「2000人」とありますが、P15では「1000人」ですね。

富田 私が分担研究者の木下先生から聞いているのは1000人ですが、「1000人でないとダメだ」とか「2000人でないとサイエンスにならない」という意味ではないと思いますし、1000人が2000人になっても患者さんそのものへの負担は全く変わらないです。要は「そのぐらいの規模だ」ということで、100人ぐらいの小規模でもなく、1万人といった地域住民データベースのような規模でもないということですね。

原  しかし、計画としてはどっちかでしょうから、本来、整合性は取らなければいけません。

岩橋 正確にしておかないで、「みんなが参加するのだったら良いだろう」と錯覚されると、逆にマズイですね。「2000人だったら参加するけど、1000人だったら参加しない」という人もいるかも知れない。

関谷 こういう観察検査が、介入に全くならないようなプロトコルというのはあるのですか。現場の先生方が「バリエーションが少ないので、もっと幅広いデータが欲しい」となって、自分の治療方針や処方を変えたりしないような仕組みというか、現場の人と観察する側は全く別になっているのですか。現場の先生は全くデータを意識せずに、普通に治療できるのですか。

富田 ここには治療に関しての提案や指示は入りませんので、そういう規制は掛からず、患者さんを担当する医者が診察したその場で最善と思う内容を選択すると思います。

関谷 研究する方が集めたデータを、折々に現場へフィードバックすることはないのですね。

富田 現場へ直接、この研究でのフィードバックをすることはないですね。

原  無作為割付をしたらサイエンスとしてはもっと良いのでしょうけど、そこまでやると貧血といった不安があるということですかね。どこまで意味のあるデータが出るのかなという不安は、ちょっと感じますけどね。

北村 治療自身を無作為にするのは非倫理的なことになるのですね。この2つの薬は腎臓などの貧血治療としては使うべき物なので、どちらかしか使わないといったことをするわけにはいかない。ただ、「使い方とか長期予後が定まっていないので観察したい」ということなんですね。

富田 そこらへんの治療法を編み出すための、前段階の実情調査という雰囲気に聞こえますね。

赤木 P15を見れば、症例登録期間は2010年7月までで、もう過ぎているようですが。

富田 この話を木下先生が持ってこられたのは2ヵ月ほど前で、P23の京大での承認書を得られたのが昨年の7月ですね。「いつ登録を締め切るか」というのは、中心の研究者がコントロールされるのでしょうが、ある程度集まるまで延長されるのではないですか。そこで終了しなければならないということではないと思います。

原  患者向けの説明書では、鉄剤とエリスロポイエチンもタイトルにしか出てこないですけど、何を調べようとしているのかをもうちょっと分かりやすく書いて欲しいという感じはありますね。無理に1ページに収めようとしている感じがしますね。

富田 個人的には確かにそう思います。結果の見通しをもう少し書いてもらって、それで説明してもらえると分かりやすいのですけど、それが少ないのです。

位田 遅れて来て申し訳ありません。京大の研究実施計画書やこちらの臨床研究等申込書では1000例ですから、「患者様へ」の文書で2000例となっているのは間違いで、書き直すということですか。

富田 どうするのでしょう。それほど根拠を持って「1000」とか「2000」とか言っておられたのかよく分からないのですが、実際に集めるのは難しいと思います。

位田 多分「そんなにたくさん集まれば良い」という話だとは思うのですけど、ただ、研究計画に「1000」と書いてあって、「2000をやりますよ」というのはおかしいですよね。

原  だから、患者向け説明文の方は修正していただく必要はありますね。

位田 「患者様へ」の文章は、説明が丁寧でなく、何を調べるのかは、実施方法を見ても「採血します」と書いてあるだけで、「それをどうするのか」というのは何も書いていないので、読んでも分からないと思うのですけど。

富田 患者さん向け文書ではなくプロトコルの方には、P15の[8.集計・解析項目および方法]に「何との相関を見ようと考えているか」ということで、生存率の問題とか、貧血の状態とか、脳卒中や心筋梗塞といった心血管イベント、何が原因か別として入院イベントが挙げられ、検査結果の間に相関があるのかどうかを出したいのだろうと思いますね。その下のABIやPWVは動脈硬化を調べるのですが、その相関も出したいのでしょうね。

位田 それを患者さんには教えなくても良いという話ですか。患者さんは透析をされているので、治療の分については良いと思うのですけど、それ以外にも採血して何か検査するなり、経過観察をするといった話でしょうから、どういう検査をするのかというのは当然、患者は知る権利があると思うのですね。それが何も書いてないので、患者さん向けの説明文書としては非常に不充分だと思います。これは京大で使われた物ではないですよね。

富田 いや、これは京大の分です。

位田 そうですか? 担当医師がここの病院になっておられるではないでしょうか。

富田 これは京大の腎臓内科が用意した統一した用紙で、各病院で担当する窓口の医師の部分だけを換えてあるのだと思います。

位田 以前、僕は京大の医の倫理委員会に入っていて、今は外れているのですけど、入っていたら確実に文句を言っていたと思いますね。

富田 これについてのフィードバックは掛けたいと思います。ただ、どこまで向こうが応じてくれるかは100%の保証はできないのですけど。

勝村 各文書のどのページを誰が作ったのですか。

富田 P3からP7は、京大の資料などを基にして、こちらでまとめました。P9から後は全部、京大から送って来たプロトコルで、最後のP23は京大での承認書です。それをそのままコピーして資料として付けてあります。

原  よろしいですか。結論としては「そのまま承認する」「注文を付けて承認する」「却下する」という選択肢がありますが、ご意見はいかがですか。本来、決議では申請者は退席していただかなければいけないのですけど、意見が対立している感じでもないので、聞いておいてもらう方が良いかも知れません。

勝村 P15とP17は同じ人が書いていると思われるのに、目標症例数が異なっているとか、登録期間が過ぎているといった話はハッキリさせておかないといけないと思いますね。

富田 それは確認をして、筋が通るように修正し、次回に報告ということでよろしいでしょうか。

原  そうですね。それは必要でしょう。

富田 患者様への文書も、できればもう少し分かりやすくということで…

原  患者さんへの説明文書の方は、「どういう問題意識を持って、何を調べたいのか」という研究の目的を、「分かりやすく」という以前に書いていませんので、一般の人間に分かるように書いていただくということですね。それから極端な話ですが、血液で例えば「遺伝子を調べます」ということもできるわけですから、採血をする場合には具体的な検査項目を示す必要があるのかなと思いますね。ですので、もう少し長くなっても、丁寧な説明文書にした方が、理解を得られやすいと思います。

勝村 説明文書の3.には「試験に参加頂いても、今までの治療を継続して頂きます」と書いてあるだけで、「試験に参加しても薬の量を変えたりせず、本当に今まで通り」といったことを伝える文面になっていない。

富田 それは、基本的にこのプランそのものが治療を規制するような条件は全くありませんので、主治医がその場で最善のやり方を行うというのは、これまで通りだと思います。

勝村 そのことがやや分かりにくいと言うのは、2.に「改善傾向にあるけど、十分に確立したとは言えない」「治療が有効であるか、更に他の合併症に与える長期的影響を検討したい」という表現があるからで、「治療を変えることは本当にないのか」と、僕なら確認したくなる。それから、「10ccの採血をする」とあるだけなので、「この採血でどんな検査をするのか」と聞きたくなる。

富田 そうしますと、「試験の目的をもう少し書いて欲しい」ということと、「試験で付け加えられている検査についての説明を加えて欲しい」という要望を出すということで、どういう返事になるかは分かりませんけれども、そういうことでよろしいでしょうか。

原  ここで審査する場合は「要望」ではありません。「条件」です。

富田 明日から9月に入りますが、「できれば9月分からスタートしたい」という担当医の希望はあるのですけど、そうしますと…、

原  承認する場合は、この場の議論で言いますと「一応、承認はしますが、そのように手直ししてくださいよ」という条件付きになるのかなと思います。で、「改めて倫理委員会に掛けてください」ということまでは、必要がないような気がします。ですから、説明文の症例数と負担についての確認をして、修正すべきは修正して、説明事項で研究の目的と検査項目は具体的に補足するということです。個人的な意見としては、2.の最後の「この試験により得られた結果は、あなたの治療やこれからの患者様に大いに役立つものになると考えています」という一文は、誘導的だから要らないと思いますね。「こういうことを調べたい」だけでいいと思います。

関谷 でも、これだけが唯一のインセンティブではないですか。これがなかったら、患者さんにとっては参加する意味がないというか、自分の血を取られる意味がないですね。

原  そうしますと、これが役立つかどうかはよく分からないので、少なくとも「大いに役立つものになると考えています」は書き過ぎだと思いますね。

位田 だから、「どう役立つのか」という説明があれば、これを書いてもいいけど、「こんな検査をして、その目的が何で、それをやれば大いに役立つ」という、中間の説明がないわけですね。

原  これの研究のデザインとしては「役立つ可能性がある」ぐらいだと思いますがね。

北村 役立つ結果が出ない可能性もありますからね。

関谷 「考えている」と言うと、いかにも科学的みたいだけど、用法的には問題ですよ。「期待している」とか、僕らの言葉では「信じています」とか、そんなところでしょうね。

原  「…ではないかと期待しています」というぐらいの表現なら、まだ良いかも知れませんね。

位田 「あなたに」ではなく「あなたと同じような症状の患者様に将来、大いに役に立つと思います」ですね。

原  「3年経った後は役に立つかも知れない」という意味じゃないですか。

関谷 「あなたの治療」とかいう言葉使いは、お医者さんの言葉ですよね。普通、お客さんに渡す文書で「あなたの」と言うと、ものすごい偉そうに聞こえるのだけど、そういうものなんですか。スーパーなどでは「あなた」とは書かず、「お客様」でしょ。「最近、患者様って言わなくなった」とは聞いているけど、それまで「患者様の」と書いているのに、いきなりここだけ「あなたの」って上から目線になって「役立つから、まぁ頑張ってやってください」みたいな雰囲気ですね。この文章はお医者さんが書いて、お医者さんが見て「良いやないか」と言っているような感じで、一般の人が読んでも「これは良いな」とは誰も思わないような気がしますね。もしこれにエディターを付ければ、全部を赤で直されて、「こんな文は訳が分からないですよ」と言われると思うのですけど、自己完結的な文章で、一つ一つの文は分からないし、不親切だし、ある種、投げやりで「分かるだろう」みたいな感じなんですよ。「分かってもらう」という気がないというか、まず、絵もないでしょ。普通、こういう文書には必ずイラストぐらいありますよ。

位田 いや、必ずではなく、少ないですね。絵を描いた方が僕も分かりやすいとは思いますよ。意見としては賛成だけど、実際には、説明をする人がそこで絵を描くというケースが多いですよね。

東  ただ、これは京大で作って多施設ということだから、他の施設で既に使っている可能性がありますね。今の「条件」というのは、「我々の施設でやる時にはやりなさい」という話なのか、「京大にも言え」という話なのかということで、そこまで条件を付けられるのかということなんですよ。そのへんを整理しておかないと、「京大の倫理委員会がOKと言ったものに対して、どこかの病院が文句を言っとる」みたいな話になりますね。

原  それは「この施設において」という範囲ですよね。研究のデザインそのものに関わることなら、他にも影響する場合もあるかとは思いますが、とりあえずは説明文書に関してだけですから。

富田 了解を取ろうとは思いますけども、こちらで修正しようと思います。

勝村 権限はないですけど、他の医療機関にも情報提供はしていただいた方が良いですよね。

位田 こういうので京大の医の倫理委員会が通すこと自体が問題と思いますよ。だって、こんなん分かれへん。

岩橋 説明文書の[9.相談窓口について]は既にこちら住所ですから、こちらで入れたのではないですか。

北村 ここは各施設で入れられるようになっているのではないですか。

位田 京大が中央機関ということでしたが、P15の[試験担当連絡先]では兵庫医科大になっていますけど。

富田 これはおそらくデータベースの集約を兵庫医科大でやっているようです。併せて、高感度CRPとプレアルブミンの検査もここでやるという取り決めになっていますが、それ以上の詳しいことは分かりません。

位田 そのへんの説明が研究計画書の中にないと思うのですよ。

富田 別の資料がありまして、そこには「データベースをここに置きます」ということで、インターネットからデータを取り込むようなサーバーを置いて、データ登録といった事務は兵庫医大の方で行うということですが、研究グループの方がおられるのかなと思っていました。次のプランもそうなんですけども、計画書を作られるところとデータベース等の管理をされるところが別というパターンもよくあります。

位田 データの集積先は兵庫医大なんでしょうけど、P13には「検体の一部は三菱化学メディエンスと兵庫医大で測定する」と書かれていますし、データだけが兵庫医大に行くわけではないでしょう。普通は患者さんへの説明文書に「これは京大を中心にしてやっています。グループ全体として1000人を対象にしています」と書かれるのが当然なので、「あなたはその中のお一人ですよ」という位置付けが分かると思うのですよ。しかし、これには「全体として2000人」と書いてあるだけで、京大や兵庫医大のことはどこにも書いていないので、患者さんにしてみたら「民医連中央病院で2000人を集めて検査をします。京大や兵庫医大は全く関係がありません」と読めますよね。仮に「京大でやります」と言ったところで、「実は兵庫医大に飛んでいるのですよ」という話は全く見えてこないですね。ところが知らない内に、患者さんの血液が京大と兵庫医大に行っているということですね。

富田 京大には行きません。兵庫医大の方には一部の検査のために行きますが、それほど特殊な検査ではありませんので、これは多分、費用がそちらの方で出るということだと思います。

位田 この検査自体の中身についてはあまり問題はないと思いますが、「あなたの血があなたの知らない間にあっちこっちへ行きますよ」という話だし、「それがデータベースに残りますよ」という話ですから、患者さんへ対して非常に不親切だと思うし、充分な説明にはなっていないと思います。

勝村 患者さんへはこの文書1枚だけで、別途の資料はないのですか。

富田 渡す文書はありませんが、実際にはもちろん口頭で説明はします。こういう検査をする前の段階で、ここに登録してもらえるかどうかという話からスタートしますので、質問があればお答えします。

関谷 紙1枚というのは少な過ぎるとは思いますが、かと言って、分厚い冊子をお渡ししても、かえって患者さんにご理解いただけませんから、どこまで書くかは難しいですね。ただ今の情勢では、自分の体の一部がどんなふうに扱われるかということについてはある程度、書かなければいけないでしょう。

赤木 血液とか尿といった検体はすごい個人情報なんですよね。だから、安易にあっちこっちへというのは、ちょっと抵抗を感じますよね。

富田 ただ大前提として、これは個人情報としては出ません。連結可能匿名化、つまり院内では特定はできますけれど、院外には出ないような格好になります。ですから、例えばAさんのデータとして外を飛び回ることはありませんが、検査されたデータそのものは別の病院に行くことにはなります。

赤木 説明文書を読む限りでは、10ccの採血をして検査結果を加工するようなニュアンスで、血液がどこへ行くというのも書いていないですよね。

岩橋 送るのだったら、目的がかなりキチッと特定された形で送らないといけませんね。

富田 もちろんそうですけど、それは符号にして送ります。

位田 でも、患者背景調査で性別・年齢・身長・体重・透析導入日・原疾患・感染症の有無、これら全部の項目がデータとして行くわけでしょ。そうすると符号化しても患者さんの特定ができますよね。

富田 いや、院内では可能でも、院外には対応表は出ませんので、それは無理です。

位田 対応表が出なくても、これはセンシティブな個人情報で、生年月日に身長・体重等々が入ってくると…。

富田 それはないです。いろんな検査でも、連結可能で匿名化することは一般的に認められています。

位田 おそらく連結可能匿名化でないと研究成果として重要ではなくなってしまうということは、理解できますが、「そういう情報も全てデータとして蓄積されて、それを基に研究される」という説明がないのですね。

富田 「匿名化します」という中身を書いた方がよいということですか。

位田 もちろんそうだと思います。

勝村 これにはこの病院と主治医しか出てこないけど、「臨床試験の主体がどこで、どういう大学や企業が参加・役割分担をしている」といった、全体のデザインがイメージできる情報があった方が良いのかなと思う。きっと「そんなに患者さんに不利益のない臨床試験だ」という安心感で、安易に書かれたのだろうと思うし、実際に大きな問題は起こらない可能性もあると思うけど、形式として本来は必要な部分が抜けている。

富田 全体の仕組みの説明ということですね。ウチの担当医と相談して、もう少し入れてもらいましょうか。

原  1000例中、この病院で10例ですから、かなりの多施設ですよね。

勝村 「全体の1000の内、この病院は10例」という表現は、イメージを掴むには大事な情報のような気がする。

富田 しかし逆に、本当にこの通り集まるかどうか分かりませんよ。実際はかなり難しいと思います。

位田 この検体は最後にどうなるのですかね。

富田 これは廃棄…。

位田 研究計画そのものにも、それは書いてないですね。

岩橋 それも同意書に説明しておかないといけないでしょうね。

富田 廃棄と言いますか、院内で通常の医療行為として検査しますから、兵庫医大に送る2項目分だけが…。

位田 この臨床研究用に10ccを採り、これが兵庫医大に行くわけですよね。そうするとこの10ccは、兵庫医大で分析された後にどうなるのですか。「廃棄する」というふうには書いていないので、普通は廃棄されるはずですけど、しばしば、残ったやつを後でまた使いたいと…。

富田 そこまで高度な対応はとらない感じもするのですけど、それは確認をするということでよいのでしょうか。患者さん向け文書に書く必要はありますでしょうか。

勝村 「採血した検体は兵庫医大で検査して、その後はこういううふうに適正に処分されます」とか、そういうプロトコルを定型化して書いた方が良いと思う。

位田 血がちょっとでもあれば遺伝子解析はできますよね。例えば、検査で残った2ccを凍結保存してあったとして、「せっかくあるのだから使いたい」と思っても、これの同意は得ていないのだから本来は使えない。ところが、同意を得てなくても使うケースがあり得るので、最近は少なくとも研究計画に「検体は廃棄する」と明記されると思います。

北村 国循で昔、遺伝子検査を勝手にやったというのがありましたね。

勝村 説明文書では、[7.プライバシーの保護について]の最後に軽く触れていますね。

富田 ただ、遺伝子検査をするには、対象の患者さんの疾患が、ある程度それに値する疾患でないと…、

位田 患者さんでなくても、コントロール用に遺伝子検査をすることは大いにあり得ます。透析に関連しない部分はコントロール用に使えますから、使い道は幾らでもあります。そこまで細かいことは言いませんけど。

富田 そうしますと、7.の[採集させて頂きました検体につきましても、本試験以外の目的で使用することはございません]に、更に「廃棄」と付け加えた方がいいということですね。

位田 そうですね。「試験期間が終わった後は廃棄します」とか…。

原  だいたいよろしいでしょうか。注文は主に2点ですね。「研究全体の京大や兵庫医大などの位置付けを明らかに書いてください」ということと、試験終了後に検体を廃棄するなら「廃棄する」と、廃棄しないなら「廃棄しません」と書かな仕方がないですけど、「…しません」だと具合が悪いでしょうね。研究デザインとしては、後から「これと遺伝子の関係を調べてみよう」と研究者は考えるかも知れませんので…。

北村 一応「目的外では使用しません」とは書いてありますから、多分、考えていないでしょう。

原  では、採決をしたいと思います。話の流れでは選択肢は2つです。1つは、「これまで言った点を確認した上で、修正すべきは修正して、かなり補足していただくという条件付きで承認する」ということですが、この場合、先に承認するとしても、修正した説明文書を改めて参考に出してもらった方が良いかも知れませんね。

位田 条件付きですから、「条件が満たされたかどうか」を、委員長一任かどこかで判断しないといけません。

原  どこかで判断しないといけないか。次回ではダメか。

岩橋 厳しく言えば、条件が満たされていない場合は、途中で止めさせることになりますね。

原  いや、条件が満たされるまでは始められないということですね。または、「10例ぐらいだから、もう止めなさい」というのが、もう1つの選択肢です。

位田 そこまで言う必要はないでしょう。止めないといけないほどの問題もないですね。

勝村 患者にとって何ら害のない検査だけど、ちょっと患者側の感覚に欠けた説明文書だというだけですから。

位田 そう、患者様が何とか桟敷に置かれるという話なので、自由意思による同意にはならない。

原  どうしましょうか、「却下」という意見はないみたいですが、広瀬さん、何かございませんか。

広瀬 難しいところですけど、患者さんのことを思えば、やっぱりやった方が良いので、今、言われた条件を揃えて、文書をもう一回出していただくということで、仮に承認するということではいけないでしょうか。

原  そうしましたら、説明文書の確認を委員長判断とするのか、全委員に回すというやり方もありますが…。

勝村 もう委員長一任。

原  よろしいですか。では、とりあえず委員長に届けていただき、私が疑義を感じたら他の方にも回すということで、条件をしっかりと守っていただくということでお願いします。説明文書の出来がかなりよろしくないので、これは研究者によく伝えてください。では、条件付き承認ということにいたします。

北村 条件を確認しますけど、患者様への説明文書をより詳しくするということが必要だという考え方ですね。その内容は、「研究全体の中で当院が占める位置付けを、京大や兵庫医大の関係を含めて分かりやすくする」というのが1つ。それから、「検体を廃棄するかどうかということを明確にする」ということ。それから、「1000人と2000人の人数の違いを確認して、正しいものにする」という、これぐらいでよろしいのですか。

原  何をしたいのかよく分からないので、元々の検査の目的と検査の内容を具体的に書いていただきたい。

位田 目的と実施方法の項目はありますが、何をするかというのが書いていない。

勝村 それから、症例登録期間が過ぎている。

原  期間に関しては、説明文とは直接に関係はありませんけども、延長しているなら延長しているということで、報告をしてください。当然その場合は観察期間も後へずれると思いますけど。

北村 説明文書とは別に、それを確認して、ご報告させていただくということですね。それと、[この研究が大いに役立つものになる]という表現を、「可能性がある」というぐらいに変えるということですね。

勝村 最低限の情報も不足している割には誘導的な強い文章で、「それほど問題がない」と強く思っているからそうなっちゃったのだろうけど、やっぱりちょっと基本的に…。

位田 「研究等申込書」というのは、この病院の申込書ですよね。

北村 まだ試作中のものです。

位田 試作中ですか。そのP5で、[(5)研究主体(いずれかにチェック)]のところは、③で良いとは思うのだけど、[他の施設が主であり]と言うのであれば、「どこが主であって、この施設はどういう立場で分担研究するのか」というのを書く欄がないと、全体が分からない。

原  P3の冒頭に[2.研究責任者]という欄があるにはありますけど。

位田 だから、その時に兵庫医大が出ないですよね。僕の想像だと、兵庫医大が本当の中心機関で、そこに京大が参加して、京大からある意味では枝分かれして当院の木下先生に「協力してくれないか」という話があって、「では10名分の血液を出しましょう」という話ではないかと思うのですが…。

富田 いや、実は京大の腎臓内科のグループとウチの腎臓内科のグループがいつも共同研究等をやり合っていますので、京大がメインだと思います。

位田 そうすると、兵庫医大は何故?

富田 兵庫医大もそのグループの中におられるのではないかと思います。データベースがどういうふうになっているかはちょっと分からないですが、事務的なことを請け負っているようですね。

東  これは登録も全部、兵庫医大ですもんね。その中身がどのようになっているのか…?

位田 兵庫医大って京大系ではないですよね。

北村 違います。あまりつながりはないですね。

東  科によって違いますが、個人的にはつながりを持っているかも知れないですね。

富田 少なくとも、分担研究者の木下医師に「どこが一番の元締めか」と聞いたら、「この京大のグループだ」と聞いています。そこが広く集まりをもっているようですが、兵庫医大が本当にそのグループに入っているかは、ちょっと分からないですけどね。いずれにせよ、先ほど指摘された[他の施設が主である]というところにハッキリ書いておけば良いですね。

位田 今後の問題ですけど、多施設共同研究の場合は書く欄があって然るべきかなと思います。それから研究計画としてはやはり、兵庫医大が後にくっついているのであれば、「兵庫医大がどういう役割を果たしている」というのは、どこかで当然に説明が入るべきだと思いますし、P11~P15の研究計画の中に京大が入るという話なのか、京大が兵庫医大と三菱化学メディエンスに依託する形なのか、そのへんがハッキリしない研究計画というのは、僕自身は形式的にあまり認めたくないですけど。

勝村 P9以降、「京大」は全く出てこないですよね。

岩橋 だから、その関係さえキチッとしていたら良いですよね。事務局が兵庫医大みたいなんだけど、どういういきさつで事務局になっているのかとかは、やる人は分かっておられないとちょっとマズイと思います。これを見ると、京大病院が主体でやっているというより、責任者が個人の京大の先生みたいな感じになっていますね。

富田 確認ですが、これを患者さん向けの文書に書く必要はありますか。

原  いや、分からないより、書いた方が良いと思います。

位田 詳しくは書かなくてもいいけど…。

富田 全体の構成と言いますか、そこらへんを書きます。

原  はい。ちょっと意外なtrapでしたけど、よろしいですか。それでは、次の疫学研究の方をお願いします。

富田 ではP25からの分ですが、これは外科の名嘉山医師からの申請で、[1.課題名]は[乳癌における骨転移発現を含む骨関連事象に関する実態調査]で、[2.責任研究者]は京大の乳腺外科です。利益相反についても問題ないということです。P27に移り、[6.研究概略]は疫学研究で、後ろ向きの観察研究です。[(3)対象疾患領域]は[乳癌に多い骨転移、治療関連に多い骨関連事象についての実態を調べる]ということです。骨関連事象というのはあまり聞き慣れない言葉ですが、骨転移も含め、痛みとか骨に関わるような広い概念のようです。[(4)研究及び医療の概要]は[乳癌診断後の治療(の内容)にかかわらず、治療経過中の骨転移を含む骨関連事象について検討]ということです。で、多施設共同研究でここも手挙げをするということになっています。[(6)目標症例数]は、申請者が所属するここは50例が目標で、多施設全体では1000例です。[(7)研究費拠出元]は、多施設共同研究グループの研究費から若干の補助があるようです。その他に特に付け加えることはなく、アウトラインは以上です。

概要は、P36の図からです。どういう患者さんが対象かという[主な適格基準]は、[1)2003年1月1日以降2005年12月31日までに新たに病理組織学的に乳癌との診断が得られている女性患者]で、[2)初回治療時に以下のいずれかに該当する患者]ということで[①リンパ節転移陽性の原発性乳癌の患者][②リンパ節転移陰性かつ2003年St.Gallenコンセンサスにて低リスクに該当しない(つまり中等度以上の再発リスクを有する)原発性乳癌の患者][骨転移を除く転移性乳癌(StageⅣ)の患者]ということだそうです。次に、[登録]は1000例が目標で、[調査対象期間]は2003年1月から2010年7月です。[症例の登録期間]は2010年の8月から2011年1月で、[登録期間中に当該臨床研究に使用して欲しくないと申し出た患者に対しては、登録から除外する]ということです。基本的には、ここの患者さんで基準にあった患者さんのカルテを、後ろ向きに調べるという格好になると思います。

原  どこかに書いてあるのでしょうけど、何を調べようとしているのかがちょっと分かりづらいですね。

富田 P37の[0.2目的]の[主要エンドポイント]には、[Skeletal related event(SRE:骨関連事象)発現の有無と発現までの期間]とありますが、「骨関連事象があったかどうか。それらが治療開始からどのくらいで起こってきたか」というのがメインのポイントです。それから、2番手のエンドポイントは[1)骨転移の発現の有無と発現までの期間]と、亡くなった場合には[2)全生存期間]です。おそらく中身としては、実態調査的な研究になると思いますが、初診時に転移などのリスクがあった患者さんの場合の、骨関連事象の状況を調べるのだと思います。

骨関連事象というのはちょっと特殊な言葉のようで、P40の3.3に[悪性腫瘍の骨転移によって発現する症状、あるいは発現した症状に対する処置を骨関連事象(SRE)と定義した。定義された各々のSREを記載し、更に各々のSREについての説明を以下に記載する]ということで、[海外試験及び国内試験において定義されたSRE]は[骨病変に対する放射線治療][骨病変に対する外科的治療][病的骨折][脊髄圧迫][抗悪性腫瘍薬の変更]とあり、更に詳しい説明が付いています。ですから、骨転移だけでなくてその周辺、治療を含んだ何かということですね。

北村 だから、骨転移の有る無しだけではなくて、「放射線治療をしたケースでどうだったか」みたいに、症状と処置についても調べないと具合悪いということですね。

原  冒頭の[目的]では[骨関連事象あるいは骨転移発現]と書いているけど、書き順が逆のような感じですよね。「骨転移とそれに伴うようなことが骨関連事象」と言っているわけですね。

富田 転移が必ずしも形態的に証明されなくても、症状があったり、治療をやっておれば含めるということで、多分、ちょっと範囲を広げたいのが趣旨かなと思ったのですよ。

原  乳癌で骨転移とかそういう事象がどの程度あるのか、それから生命予後にどう影響しているのかが、まだよく分かっていないという趣旨ですかね。

富田 はい。若干、ハイリスクの方に対象を絞ってということも特徴かと思いますけど、治療法は各時代毎に違いがあるので、治療法については特に制限をしないということなんです。この場合は、後ろ向きのデータによる疫学的な調査になりますので、患者さんに文書などを渡すのは必要ないということになっています。

広瀬 資料にないのでおかしいなと思っていました。

富田 はい。ただ、こういう場合にどうやって知らせるかということがあるのですが、一つのやり方として研究内容の公開をすることが勧められてはいます。例えばホームページ上で「こういう調査をやっています」とオープンにすることが、一種の代替措置みたいなことになるかも知れません。ちょっと中身を考えないかんのですけども、そういうことも必要かなと思っています。

関谷 「後ろ向き」というのは、「ご本人には一切、聞かなくても自由にやっていい」というルールなんですか。

富田 そうです。「後ろ向き」というのは普通によくやりますので…。

位田 でも疫学研究だから、「こういうのをやっています」ということを、例えば病院内にお知らせのポスターを掲示するとかをしないといけません。カルテというのは個人情報ですから、全く知る機会がない内にやってしまうというのは、やっぱりダメだと思うのですよ。

勝村 カルテに記載されている情報が病院の外に出るのですよね。

富田 と言いますか、個人情報としては出ません。例えば「ある疾患がどれだけある」とか、「治療成績は1年生存が5割だ」とか、そういう数字としてまとめるのが疫学調査の特徴なんですね。

勝村 患者には全く知らせないのが普通なんですか。

富田 程度の問題があると思います。例えばパイロット的に10人ぐらいの患者さんを集めて院内で検討しようとか、数も限られ発表も限られたところでやる場合には、今のところ制限をかけられないのが実情だと思います。ただ、今回のようにかなり多数になると、名前が出ない場合でも、何らかの格好で「調査しています」ということを公表した方が良いでしょうというのが、今の厚労省の見解です。

赤木 P52には[ホームページまたは施設掲示板等に公開すること]と書いていますね。

富田 ホームページの方が良いかなとは思うのですけども、どちらかあるいは両方で公開すると思います。

位田 「疫学研究に関する倫理指針」という当日資料のP7の、[(2)人体から採取された資料を用いない場合]の[イ 既存資料等のみを用いる観察研究の場合]がこれに当たると思いますが、[研究対象者からインフォームドコンセントを受けることを必ずしも要しない。この場合において、研究者は、当該研究の目的を含む研究の実施についての情報を公開しなければならない]とありますから、公表した方が良いというのではなくて、公表しなければならないわけです。ただ、その方法は何も書いていないので、確かにホームページに載せるというのは最近よくやられますけど、「患者さんが皆、ホームページを見に行くか」という話です。公開する側はホームページに載せるのが一番楽ですが、患者さんは見に行かないと分からないので、窓口に「お知らせ」のポスターか何かを掲示して公表することを考えられる必要があると思います。この場合、乳癌の患者さんが、その公表された情報をどれだけ知っているかという話ですから。もっとも、生きている人だけですかね。

北村 そうなんですよ。亡くなった方も対象になっているのですけど、それはどうしたらいいのかな。

勝村 すみません、P6の「個人単位」と「集団単位」とは、どういう意味なんですか。

富田 それは介入研究の場合で、今回は介入研究ではありませんので関係ありません。

勝村 あっ、これには「個人」というのはないのですね。

位田 まぁ、個人のカルテですけど、別に血を採ったりする必要はなく、「今から何かをします」というのではなくて、「過去のデータを調べます」という研究です。

関谷 病院に保存されていても、本来的にカルテのデータは患者さんのものですよね。それがこのような研究に使われることは、そもそも同意した状態で始まっているのですか。

北村 個人情報の保護との関係で、包括同意の項目には入れているのですね。

関谷 でもその方は、調査に使われるということはその時には分からないということですね。もし、患者さんが「カルテは削除してくれ」と言ったら、病院はそれを捨てるのですか。

北村 病院としては5年間は保存する義務があるのですけど、ウチの場合は、患者さんにとって良いことと考えて、全部を置いているのですね。そういう事例はないですけども、「破棄してくれ」と言われたら、5年後には破棄しなければいけないでしょうね。

関谷 患者さんの意向以上に、必ず保存するという義務があるのね。カルテは患者さんのものだとは思うのですが、病院が一旦データとして採ってしまうと、今の法律では病院はそれを自由に使えるのですね。

位田 いや、今回みたいな観察研究の場合には、「こういうことをやりますよ」と言っておいて、「私のデータはそれに入れないでくれ」と言われた時には、ドロップアウトできるという趣旨ですよね。だから、「一般に知らせないとダメですよ」という話になると思います。

岩橋 院としての個人情報のガイドラインみたいなものとかを貼っていますが、あれでは本来は充分ではなく、包括的な同意ということになるので、何かの研究に具体的なデータとして出す以上は、公開して、「情報から外してくれ」と拒否できる条件を作らなければいけません。

北村 ただ、亡くなられた方についてはなかなか難しいですね。どうしたらいいですか。

関谷 ご遺族なのか、誰がそれをするかという話ですね。

原  情報公開の問題以外に引っ掛かる点はないですか。こちらは責任者やデータセンターといった研究のシステムも具体的に書いていますからね。

位田 これは難しいけど、非常に詳しくて分かりやすい。前のやつも、せめてこれぐらいなら良かったのですが、「もうちょっとちゃんと作ってくださいよ」と思いましたね。

原  そうしますと情報提供の方法ですけども、ホームページに載せること自体は可能だと思います。後は掲示でもしようということですが、乳癌診療を担当するところだけなのか、プラスアルファなのかということですね。

勝村 これから治療を受ける人なら、どういう医療機関かを調べるためにホームページを見るかも知れないけど、もう治療を終わっている人達に対しては、どういうイメージなのかな。今からこの医療機関を受ける不特定多数の人も関係あるのだったら、公開的に多くの人に広めることをしなければいけないけど、過去のある特定の人だけに知らせればいいのだから、ホームページに載せるより、その人達に言いに行く方がよく分かる。

位田 ただ、これはレトロスペクティブですから、もう治療が終わって、今は来られていない患者さんである可能性も高いですよね。その人達にいちいち連絡をすると、住所不明で返ってくるケースが非常に多くて、それをやるほど、大きな話ではない。

勝村 ホームページに掲載するのは、広く多くの人達に伝えたい時かなと思ったのですけど、これは落とし物拾得の掲示板みたいに対象は極めて狭く、50件の症例としたら、その50人以外には意味のない情報ですよね。

位田 パッとホームページを開けた時に、その50人に分かるような情報でないとあまり意味がないので、「幾つもページを開けて、やっと辿り着きました」というのではあまり親切な情報公開ではないと思うのですよ。

北村 ホームページと施設の掲示板以外に、広報誌にも記載するという、この3つのセットではいかがですか。

位田 そうですね、それで良いのではないですか。

原  直接に関係のない人でも、「この病院でそういう研究をやることがあるのですよ」ということを知ってもらうことに意味はあると思います。調査に使われる可能性があるという認識を持ってもらうという意味もあるでしょうし、やっている研究の情報は伝えているということで、信頼感を高める意味もあると思うのですね。

位田 何も言わないとね、「何をやっているか分からん」と不信感が生まれるのです。

勝村 いや、伝えるべきですけど、逆に伝え方がその程度で良いのかなということで、あくまでもその個人に伝えたい情報ではないかと思ったのです。

位田 本来は一人一人に伝えた方が良いのは決まっていますが、疫学研究というのは例えばこれは1000人規模でこの病院だけでも50人ですから、一人一人に連絡して、来ていただいて説明し、そして同意を取るとなると、ものすごい手間がかかるのですけど、それほどの手間をかけるほどの重要なことかということなんですよ。

勝村 僕の最初の違和感は、もし僕がこれをホームページで見たら、「これから受診する患者も何かの影響を受ける可能性があるから、ホームページに載っているんだ」というふうに思ってしまうなと感じたのですね。だから、「今から病院に行く人には一切、関係のない話」ということをキッチリと書いて、「何年から何年までの間にこの病院を受けられた皆さんへ」としておいた方が良いと思うのですね。

北村 確かにそれを明示しておかないと、ちょっと誤解を生みますね。

関谷 タイトルを「何年何月から何年何月までに何々で診療された皆さんへ」と、リコールみたいにね…。

原  そういう見出しだと、危ない血液製剤を投与したとか、医療過誤があったようなイメージになって、ビックリさせるのではないですか。まぁ、3通りの告知ができるのであれば、出すことに越したことはないと思いますが、この文面ではやっぱり分からないので、もっと簡単で要点だけの文章にしてください。「何年から何年まで」というのは説明の途中ぐらいにして、タイトルは「過去に乳癌になられた患者さんのカルテを分析して、主に骨転移についての研究を行います」という程度に、平たく簡単に分かるようにしておかないといけません。

富田 もちろん、それはそれ用の書き方でしますが、ちょっと見出しはまた考えてみます。そうしますと、ホームページと掲示板と、広報誌もですね。

原  ただ、掲示はそんなにバカでかいものも必要ないと思うのですが。

北村 位田先生に質問ですが、インフォームドコンセントみたいな手続きを取る取らないという判断は、規模だとか手間だとか害とかを相対的なものとして判断して、今は整理していっていると理解したら良いのですか。

位田 臨床研究の場合は、1人ずつ同意書を取らないといけないのが大原則ですよね。でも疫学研究で、特にレトロスペクティブのやつなんかは、連絡を取ろうにも本当に患者さんに辿り着けるかどうかも分からない。しかも、患者さんに今から何らかの損害を与えるわけでもないし、カルテを使うとしても患者さんの名前を出すわけではなく、プライバシーも保護されるし、ある意味では統計的な処理が中心だと思うので、そういう場合にも一人一人の同意書が必要かというと、それは要求し過ぎでしょう。ただし、患者さんが全く分からない間に研究に使われているというのは、また話が別なので、「こういうのをやりますよ」ということを一般に知らしめておいて、「嫌な人はそこから抜けてください」ということを保証しようというのですね。これが介入研究だとそれではダメですよという話ですけど、1000人とか1万人といった大人数の集団単位で介入を伴う疫学研究を行う場合は、例えば説明会をやって、そこへ来た人に情報公開して、その上で「それなら私は嫌です」という人には抜ける権利を認めるということをやっているのですね。だから、研究するということの重要性と、患者さんの自己決定権やプライバシーなどを保護するということのどっちを重視するかということで、幾つかの場合に分けて決めているのです。ただ、ある研究が具体的にどれに入るのかというのは難しいですね。

勝村 一般的に考えると、「嫌だ」と言う理由としては、個人情報保護に対する不安ぐらいですよね。

位田 自分の情報がどういうふうに使われるか分からず、「ひょっとして私が乳癌だということが他人に分かってしまうのではないか」という不安はあり得ると思います。

勝村 「幾つかの情報を合わせれば私だと分かる」といったことは、実際にあり得るのですか。

位田 だから、そういうふうにはしない研究なんですね。

富田 匿名化の話について、一時前は、例えば誕生日とか、ちょっとでも具体的な情報が出れば分かってしまうのではないかという考え方だったのですが、今はそこまで厳しく考えられていません。ただ、匿名化では記号化して病院の外に出しますので、その時に何を使っているかというのが、実は議論になっていまして、実態としては病院でのIDを使っているところが半分くらいあるそうです。それでは危ないのではないかということで、最初は「IDは絶対に使ってはいけない」ということだったのですが、実際は、それで特にトラブルはないという話になっています。一方、長期の研究なんかをやる場合、担当者が替わった時に読替表がどこかに行ってしまい、読替ができなくなって誰のデータか分からなくなってしまうことがあるそうです。それで、病院から外に出れば逆に病院のIDの方が安全という考え方が、今はかなり浸透しています。

位田 でも、それは明らかに研究者側の論理ですよね。実態はかなりそういう形でやられていると思いますけど、結果的に問題が起こっていないというだけ話で、記号化が緩和されたというのは違うと思う。もし事故が起こった場合、責められるのは病院で、マスコミに叩かれる覚悟は要りますよ。国際的に一番標準のコード化というのは二重にランダムでやることで、特に遺伝子研究なんかではそうです。そんなものを一般の病院でやれと言われても難しいのは分かりますが。

富田 事務局体制がキチッとしておれば、それが一番安全でしょう。ただ、IDの管理さえ病院の中でキチッとしておけば、外から解明されることはかなり難しいのではないかなという気がします。むしろIDが漏れることの方が問題かも知れません。

原  今の点は特に条件的な話ではなく、「キチッとプライバシー保護はやってくださいよ」ということですね。他にはよろしいですか。この研究については「承認」ということでよろしいのではないですか。具体的な方法として情報公開については、ホームページと院内の掲示と広報誌の全て使い、なるべく分かりやすく、かつ、あまり誤解を招かないような説明を付けていただくということで、見出しが大事だと思います。それと、個人情報・プライバシーの保護はきちんとした扱いをしてくださいということです。

富田 情報公開の文面は、見てもらった方がよろしいですか。

原  それは要らないと思います。ということですから、特に条件ということではなくて、進め方についての意見という程度です。「承認」ということでよろしいですか。では、この申請についての審議を終えます。

次に「今後の臨床研究等の審査の進め方」について、これも富田先生の方からご提案という形でお願いします。

 

議事(2)「臨床研究審査の流れの確認」

富田 現在、臨床研究の取り扱いは倫理委員会の決定というのがあります。もう一つは、内部に臨床研究部というのがあるのですけど、ここにも規定があり、流れが少し淀むような感じになっていまして、そこを整理したいということです。

事前資料B-1の「本院臨床研究審査の流れ」のP1に、流れを図式化したものがあります。一番上の括弧の【研究責任者】から仮申込書を出してもらうところからスタートし、【臨床研究部】が院内の支援窓口となって相談に乗りながら、先ほどの議事でも出しました申請書、P3~P5にも書式を載せていますが、院内教育も兼ねてそれを作成してもらうことになります。そして、その下の欄の【倫理委員会】に諮ることになりますが、もう一つに、文科省及び厚労省で新しく改定された臨床研究等の指針の中に「迅速審査」という項目があります。で、迅速審査の対象であると、簡略的に審査できますが、これは委員長が判定することになっています。そして、もしも迅速審査であると認定されれば、委員長が指名する1~2名の倫理委員による迅速審査の方に回されて、「早く処理をして、倫理委員会には事後報告しなさい」というという格好になります。この流れになる例としては、例えば共同研究の分担研究があり、実は先ほどの2件の議事もこれなんですね。で、一般病院の場合は多分、大学等で計画を作られたものに対して「分担で参加します」という、このタイプが多いのではないかと思いますが、こういうものは迅速審査の流れに入れて良いのではないかと思います。他に、計画の軽微な変更などの場合も含まれます。もし、迅速審査の対象でないというのであれば、右側の通常審査になります。

それともう一つ、飛ばしましたけども、倫理委員会への申請の前に「付議要」と「付議不要」に分かれます。通常は「倫理委員会の付議要」ということですが、この要・不要を判定するのは、倫理委員会が「あらかじめ指名する者」ということで、この委員会で決めていただくのですが、その対象となる人は倫理委員でも他の者でもいいということになっています。で、私どもの案では、できれば臨床研究部のメンバーを責任者でもいいので指定していただき、そこで判定したいのですが、どうでしょうか。「付議不要」というのには、例えば症例報告があり、どこの小さな病院でもよくやりますが、院内の報告もありますし、地方会とかの報告もあったりします。それから、アンケート調査の一部や後方視研究(後ろ向き研究・カルテまとめ)の一部などで、「倫理委員会に掛けるまでもないのではないかという研究は、付議不要というシステムを採っても結構です」という指針が出ています。

この趣旨の1つは、一般病院の第一線で研究をするという姿勢(リサーチマインド)を持つということが、実際の診療に良いフィードバックがかかると、私自身は思いますので、ぜひ活発に「こういう研究をやろうか」と思える状況を作りたいということです。しかも割と草の根的な、放っておいたら消えていってしまうような研究をできるだけ掘り起こし、サポートしていこうというのも、趣旨にあります。そして、できれば臨床研究部がそういう役割ができればと思います。一方で、できあがってきたプランについてはキチッと審査をしていってもらうというように、そういうふうな仕分けをやるためには、こういうシステムはどうかなということで、ご議論いただきまして、よろしければご承認をいただきたいと思います。

原  はい。まず、質問関係をお願いします。

勝村 今日の1例目だったら、倫理委員会まで来て迅速審査になるのではないかというイメージで、今日の2例目だったら、付議不要に入るのではないかというイメージですか。

富田 いや、どちらも迅速審査に入るのではないかと思いますが、まぁ決まりはありません。

勝村 「後方視研究」と書いてあるけど、「院内でカルテを仕分けする程度」という意味ですか。

原  今の「付議不要の例」というのは、どこかに書いてあるのですか。

富田 P2に指針から抜き出してきましたが、上の方に[「迅速審査」に関して]というのがあり、真ん中以降に[「付議不要」に関して]というのがあります。で、「付議不要」に関しては、[1.臨床研究に関する倫理指針]というのがあって、これは厚労省が作ったものですけど、平成15年に最初に作って、平成20年に改訂版が出ていますが、その改訂版にこの「付議不要」が載っています。

原  「臨床研究に関する倫理指針」は資料のB-2にありますが、その何ページですか。

富田 [第2 研究者等の責務等]の[3 臨床研究機関の長の責務等]の(4)で、P13ですね。

位田 その①に[付議を必要としないと判断した場合]と書いてありますね。

関谷 でも、この付議不要の判断で、どれが付議不要になって、どれが付議に回ったかということが、定期的に例えば倫理委員会でエヴァレーションされないと結局、ザルになって、どんどん付議不要になる可能性があると思うのですが、それはどういう仕組みになるのですかね。

富田 特に仕組みはまだ考えていませんが、もし必要なら、報告事項に入れたら良いと思います。

関谷 でないと、倫理委員会の方で全く分からないという…、

位田 指針の今のところでは[倫理審査委員会があらかじめ指名する者]になっていますから、誰が判断するかは、倫理委員会が決めるのです。

関谷 それはそうですが、その人が判断したことが正しいかどうかを、評価する基準が全くなければ、その人がどんどん付議不要に回した時に、誰もコントロールできず、具合悪いと思うので、行った判断については定期的にまとめ、「これが付議不要に回りました」ということが委員会で分からないといけないのではないですか。

富田 それはそうですね。ただ、指針にも例が載っていまして、症例報告だけは載っていませんが、症例報告は一般的にそういうふうに考えるということになっていますし、アンケート調査は看護が多いですね。

原  アンケートというのは患者へのアンケートということですか。

富田 そうです。アンケートにも4つの要件がありまして、それが指針のP13の(4)の①のア~エです。

位田 アンケート調査であれば全部、付議されないという話ではなく、倫理委員会が選んだ誰かが新たに判断するということですね。

関谷 せめて情報ぐらいは出してもらって確認しないと、状況も分からないですね。

富田 これまでは資料もほとんど作っていないのですけど、いずれにせよ、誰がどういう表題で申請したかという資料は揃えたいと思いますが、それは報告事項ということでいいかなと思います。

関谷 報告事項で流れていって、みんなが「あれっ、これは良いのかな」ということも、どこかで見えた方が良いと思いますね。

位田 症例報告は全部、報告も何もなしで省いていいですよね。「こんなんまで報告しろ」と言われると大変ですからね。

関谷 ものすごい数にもなる。

勝村 「仮研究申込書」ってどんなんですか。症例報告も全部、「仮研究申込書」と「臨床研究申請書」を書かせるわけですか。この手順を見ればそうなりますよね。

位田 この書式に則って書いてもらえばいいわけですよね。

富田 P3~P5に付けました申請書に似たようなものを作って書いてもらうのですけど、研究の組み立て方みたいなものも覚えていってもらう必要があるので、ディスカッションしやすいような中身にするつもりです。

勝村 迅速化すべきことを迅速化することは賛成ですけど、「こういう理由で付議不要にしています」とか、その判断が一定は見えるように、倫理委員会で定期的に報告するという形がある方が健全だと思う。

富田 実は、今日の2件はまだ借り物の研究なんですね。できれば院内で小さくともプランを作り、この研究審査の流れに回したいという、そういう趣旨もあるにはあるのですけど…。

勝村 それは、やられたらいいと思いますね。

位田 重要なのは臨床研究部を作るという話ですね。

富田 臨床研究部はあるにはあるのですが、ただ実態的に、こことつながってやっていくという格好にはまだ充分にはなっていないですから、そういう流れを書いてみたということです。

勝村 付議不要にした分も、軽く簡単に定期的に報告してもらえば充分ですが、それは可能ですか。

富田 付議不要の方も何らかの格好で一覧にして報告するつもりです。

位田 [研究計画の作成支援]というのは、一番重要だと思うのですよ。1例目の「患者様へ」の文書みたいな内容にならないように、ということもここでやっていただくと、倫理審査に出てきた時にあまり問題にしなくて済みます。倫理審査委員会に出てしまうと、「あれ直せ」「これ直せ」という話で、研究を始めるのに時間がかかる感じですから、むしろ臨床研究部で、研究デザイン作りから研究計画書作成までの支援をやるということが重要だと思うのです。そこがキチッとできると、研究者と臨床研究部の間でやり取りをしていく段階で、「ああいうことも考えなければいけない」といったことも分かってくるでしょうし、倫理審査委員会に出てきた段階では本当に中身だけを見ればよい形になりますから、審査自体もやりやすいと思います。

富田 おっしゃる通りでございます。そうなってもらえると良いなぁというのが…、はい。

関谷 指導するスタッフの方が、それをできなければいけませんからね。

北村 それがなかなか大変なんですよ。ウチぐらいの病院だと、医師が研究をやろうかなと思った時に、倫理審査ということ自身が重しになってしまうという感じなんですよ。「そんなに面倒くさいのなら、やってもやらなくても給料も一緒やし…」という話になってくるのもちょっと具合が悪いという、微妙なとこがあるのです。一方で倫理原則の方は、次第に「こういうことも倫理審査しなさい」ということが増えてきていて、2005年の頃よりはもうちょっときちんとやらないといけないという、社会的事情も反映しているので、芽を摘まないようにしながら、ちゃんとそれに合うように苦慮していて、それで臨床研究部でサポートしようということなんです。ただ、必要な部分は迅速審査などにしたとしても、「とりあえずは倫理的な検討ということで、倫理委員会へ出してくださいよ」というふうにはしたいと思います。

原  基本的にちゃんと出すということが大事なので、漏れるというのは一番ヤバイことだと思います。その網の掛け方というのも、院内では問題にしないといけません。どうでしょうかね、付議不要の部分は当面、一覧報告みたいな形でのチェックシステムを作るということでだいたい良いのですかね。ただ、この迅速審査の手続きそのものと、実際に導入する場合に「誰がやるのだ」という課題もありますが、例えばメールを使うのだったら、「みんなに流してしまえ」という考え方も、今ならあり得るかも知れませんね。

位田 みんなに回すとね、「誰かが見てくれる」というよくある話で、みんなが見ない。「あなたとあなたしかいないのですよ」と言われると、どうしても見ないといけないと思うのですけど。

勝村 なるほど、責任感の度合いが違う。「あなたにだけ」と言われると、読んでしまう。

原  確かに、ある程度は絞った方が実際的ですよね。

関谷 外部の人が来てやるというのはなかなか難しいので、やっぱり病院の常勤スタッフということになり、1~2名となれば、臨床研究部あたりの人になるのではないでしょうか。

位田 ただ、例えばお医者さんだけが迅速審査にあたるというのもおかしいですね。だから、1名はサイエンティフィックな部分が分かっている現場の人なりお医者さんで、もう1名は患者さんの立場が比較的分かる人というように、少なくとも2名は必要で、3名にすればもう少し良いかも知れません。ただ、どのくらいの件数が出てくるかにもよりますが。

勝村 迅速審査も事後報告か。

原  こちらは事後に委員会へ報告するという形で良いと思いますが、委員会の案件も多いですから、場合によっては、全員に流してしまうという方法が効率的かも知れません。進め方についてはどうでしょうかね。

関谷 これは良いと思いますね。

富田 アウトラインを了解していただけるとすると、臨床研究部のことなんですけど、議論をして、付議不要も含めて決めるのに、あらかじめ責任者を誰か決めていただけると…。

原  臨床研究部の部分ですか。これの運用を直ぐ始めようということでしたら、人選を提案してください。

勝村 付議不要の判断も迅速審査の判断も事後報告をするのだから、何が違うかというと、付議不要は比較的に院内でやってもらうイメージで、迅速審査は院外の委員も関わった方が良いというイメージですか。

富田 もう一つは、迅速審査の場合は資料にキチッと目を通していただく必要があるだろうなと思いますね。

勝村 迅速審査は資料付きの事後報告であって、付議不要は一覧だけということですね。

富田 症例報告なんかは、例えば表題だけでもいいのかなと思いますけど。

位田 付議不要という話は、倫理委員会が指名する者が行うので、責任は倫理委員会にあるということです。ただ、倫理委員会そのものには掛けず、事前に判断するという話ですから、臨床研究部の中でやるという話とは、少し違うと思うのですよ。付議不要に3つの例が挙げられていますけど、症例報告は元々、倫理審査の対象から外しておいていいと思います。ただしアンケート調査は、疫学研究なんかの場合には倫理審査が要るケースもあり得るし、後方視研究の場合もあり得るので、これらについては付議要か付議不要かという判断をしないといけません。「症例報告は要りません」と言ってしまった方が良いのではないですか。どうですか。

勝村 指針にも書いてなかったのと違いますか。

位田 症例報告って、いわゆる通常の症例報告で論文を書くとか、ジャーナルに出すということですか。

北村 そういう場合もあります。そういう対象のジャーナルもあるので…。

富田 つなげられるものが出ればいいなぁと…。

原  まぁ、挙げておいた方が分かりいいですよね。

位田 そっちだと、そうですね。すみません、撤回します。3つを挙げておいてください。

原  事後報告してもらうというので、例えばめちゃくちゃ膨大になるということであれば、検討の余地はあるかと思いますけど。それこそ大学とかでは膨大になりそうですけど、ここだとそうでもないだろうなと思います。

富田 実績から見ると、それほどでもないと思います。

原  で、そういう形で当面、運営してもいいかなと思います。ですから私の考え方では、臨床研究部は院内の組織ではあるのですけれども、事前チェック的なところでは、倫理委員会の事務局的な一部の機能を担っていただくという意味合いを持ってくるような気がするのですね。それで人選ですが、付議不要等を判定する「あらかじめ指名する者」はどうしますか。富田先生プラスアルファですか。

北村 事前の判定は、富田先生か、臨床研究部の部長に中村というのがいるのですけども、彼かですね。

原  定数は複数でも構わないと思いますけれどね。

富田 中村先生もちょっと忙しくてなかなか掴まらないですし、内科も1人いてもらえた方が良いので、臨床研究部ではないですけど四方先生あたりがいいかも知れません。あるいは院長に決めてもらうように、ここで諒解を取っていただければ…、

原  これは院長が決めるのではなくて、倫理委員会が審議するものなんですよ。

富田 北村さんの奥さんは忙しそうか。

北村 これは臨床研究で、精神科、特に精神分析というのは全く違う分野なので、あまり実質的な審議は難しいですね。富田先生と四方先生の2名という形がいいのかなという気がしますけど。

富田 それではそれで走らせてください。

原  四方先生は何科のドクターですか。

北村 循環器系内科で、救急担当ですね。

赤木 症例報告は、例えば看護部の方の卒1・卒2とかになると、かなり膨大になると思いますが、院内発表も全てが含まれるのですか。

富田 どこまで広げるかというのは、まだ…。

北村 院内の方はどう扱ったら良いのですかね。私の頭にあるのは一応、対外的に発表するとか…。

原  院内の研究発表会というのだったら対象になり得るでしょうけど、検討会みたいなものは別だと思います。

位田 症例検討会で発表するのは要らないでしょうね。そこまでやっているととんでもない話になるから。ただ、症例検討会で発表したことを元にして、症例報告みたいな形でジャーナルに出すとすれば、内容によっては倫理審査をやらないといけないかも知れない。

北村 対外的な発表ということですよね。

赤木 例えば市病協なんかはよく発表するのですけど、対外的といってもそういう関係ですね。

北村 それは入るでしょ。

位田 院内でカンファレンスする時は、一つ一つは別に研究じゃないですよ。

原  中央病院では、年一回とかの症例研究発表会みたいなものはあるのですか。

北村 研修医とか看護師とかの分野に限ってはあるのですね。

富田 指針の中では、いわゆる研究活動の中にそういうのは入らないです。

位田 それが研究であるかどうかというところが分かれ目なんですよ。臨床をやるために他の人の意見を聞くという話であれば、研究ではないです。

北村 研究というのは、元々パブリックにするという意味合いが含まれていますから、そうですね。

岩橋 指針のP2で適用外に[①診断及び治療のみを目的とした医療行為]を対象としています。

原  このあたりは曖昧ですけどね。

位田 でも、それ以上細かくは書けないですよ。

富田 迅速審査を検討していただける方というのは、委員長指名になるということなんですけど。

原  委員長指名にはなっているのですけど、ここで議論しておく必要はあると思うのです。

位田 これも研究内容で変わってくるのではないですか。それこそ外科の研究計画が出てきた時に、内科の先生が迅速審査するのかという話です。

原  それも良いのかなという気もするのですけどね。どうなんでしょうか。

位田 だから、研究計画の中身が理解できる人が誰かいた方が良いと思うのですけど。医者という括りでやってもいいですし、内科系の研究計画だったら内科の先生が1人は要るということでもいいですが、医学的なことがちゃんとチェックできることが必要だと思いますね。

北村 固定的に決められませんか。

位田 固定的には決められない。研究計画によって…。

勝村 でも、通常審査はこのメンバーですし、このメンバーでないといけないのだから、お医者さんという括りで良いのかな。

原  そういう形もあり得ると思うのですけど、「委員長が指名する」ということになっていますと、形式的にはいちいち委員長のところへ回さなければいけないですよ。

北村 「委員長判定」ですから、そうですよ。

原  委員長判定で「院内は誰がやりますか」という話をするのか、ある程度は決めておくのか。

岩橋 とりあえず、お医者さんと外部の人でペアを作っておいて、お医者さんが「これは自分一人では判断できないな」と思ったら、別の人に依頼し直してもらうという形にされたらどうですか。

原  そうですね。ある程度、基本は決めておいた方が分かりいいと思うのですがね。

北村 今、委員に属している医者が、僕と吉中先生と東先生と井上先生と、高木先生もですね。

原  これには吉中さんはダメですわ。比較的に内科系の方がいいのかなという気はしますけどね。

北村 富田先生が委員だったらよかったのですが、違うからね。

北村 高木先生がいいのではないですかね。

北村 本人に何も打診はしていないですが、どうですか。

原  話はしていないのですか。

北村 決まって以降、まだ出席できていないという経緯があるので。

北村 具体名はまた改めて出させていただいて、ただ仕組みとして、委員長が指名するということで…。

原  これは、「その都度、指名する」で良いのですかね。その都度、人選を考えると、それだけで手間がかかり、迅速にならないので、院内は基本的に決めておいてやるということにして、候補を出してください。後は外部委員が1人加わるという形にした方が、多様な観点を得られるという意味合いと、やはり院内だけで倫理審査をするというのは本来の目的と違うように思いますので。と言うと、誰がいいのですか。

位田 それは誰も手を挙げない。

勝村 それで、誰が決めますか。

北村 外部の先生は、順番だけ決めておいて、1名ずつの持ち回りで回していくのはどうでしょうか。

位田 幾つ出てくるか分かりませんけど、どどっと来たら大変です。

北村 その事態が起きるかという条件もありますよね。

富田 先生、その心配はないです。そんなにはありませんから。

原  そうしたら、とりあえず外部委員の方は私がやるということにして、若干、手に負えなくなったり、判断が着かないとか、悩むとかいうことになると、本審査に掛けるというのも有りですし、その中間でしたら、他の委員の方の意見も聞いてみるとか、そういうような形で運用するということでどうでしょうかね。

位田 これは、最初から迅速審査が原則ではなくて、例に書いてあるように共同研究の分担研究や計画の軽微な変更等と、限定されたカテゴリーについては迅速審査にしてよろしいという話なので、通常審査をするというのが本来の原則だと思うのですよ。そんなにたくさん迅速審査に来るという方が、むしろおかしい。

原  ですので、ここはやはり倫理審査の形骸化のリスクが伴う手順だと思いますし、実際に今日の案件を見ていても分かるように、いろいろと意見は出ますし、いろんな人がいたら気づくことが多いというのは確かですから、迅速の形を採れば採るほど不充分になるという傾向になるのは否めないので、形骸化しないように慎重に進めたいと思います。手順としてはそういうことでよろしいですか。で、一定、これはこれで導入して運用するということですが、本当はこれを規則に書かないといけないのかな。

北村 そうです。規定を変えないといけないです。

富田 了承していただけた時のために、P6に変更案を書いておいたので、読ませていただきます。

[1)倫理委員会規定]。右の方が変更案なんですが、[第7条 議題の選択について]の変更案の1.と2.を逆にさせてください。元の2.ですが、[1.倫理委員会は、臨床研究の要望があるすべての事案について、倫理委員会への付議の要不要を判定・整理する者を、臨床研究部の部員の中からあらかじめ選任する]。次は上に上がり[2.申請書が提出された臨床研究等は、事案全例について検討を行う]ですが、これは現行の規定と同内容です。[3.委員長は、申請書提出の事案が迅速審査の対象にとなるか否かを判定し、対象となる場合には委員長が指名する委員に審査を依頼する。そうでない場合には、通常審査とする]。これが倫理委員会の部分です。下の[2)臨床研究部規定]も合わせて変えないといけませんが、これは病院側でやります。

位田 変更後の1.で「臨床研究部の中から」というのは要らないのではないでしょうか。結果的にそうであることはあり得ますが、倫理委員会の方で「臨床研究部の中から選ぶ」というのはおかしいと思います。

富田 「臨床研究部の部員の中から」という部分を削除するということですね。

岩橋 その「部外者でもいい」というのを、先っきの資料にあるように「倫理委員その他の者から選任する」というふうに書いておく方が正確だと思います。

富田 すみません、どこでしょうか。

勝村 [整理する者を]の次に、P1と同じように「倫理委員、または他から」と書いて、その「他から」出す形を今は採るというわけです。

岩橋 ただ、[議題の選択について]の項目だけだと、3.は「迅速審査するかどうかの対象を選択をする」というだけの文言にしかなっていないと思うのですよ。で、「迅速審査するとなった場合、迅速審査をする人は誰か」という規定を入れないとダメなんじゃないですか。

位田 ただ、第7条の[議題の選択について]というタイトルが逆におかしくて、「倫理委員会の審査について」とか、そういう項目ではないですかね。これは審査そのものの話だと思うので…。

北村 ただ、第7条は研究だけではなく、全てにかかりますからねぇ。

岩橋 だから、別個にちょっと作らないといけないのではないですか。

位田 それなら第7条でやるのはちょっと難しい…。

岩橋 第7条は議題の選択の原則のものだと思うので、ここでは[臨床研究・臨床治験については申請書が提出された事案全例について検討を行う]にして、「付議に付さない」についていうと、「付議不要の場合を除く」と…。

富田 変更案の1.で申請書が出されるのは、既に付議が必要とされたものに関してだけで、付議不要の場合には申請書というものは作らないということです。だから、申請書として提出されたものは「全例、検討を行う」という形ですね。3.の「申請書提出の事案」というのは、もう倫理委員会で受けたものですね。

北村 だから本来は、[議題の選択について]の1番が臨床研究に関わるもので、その中の細則みたいに後の2つはなっているのね。そうしないと、現行の2.~4.は違う内容ですからね。

勝村 [1.1][1.2]としたら良いね。

富田 変更案は次回にもう一回提出させていただいて…。今、決めた方がいいですかね。

位田 今日は方針が決まったのだから、条文はもう一回、整理していただいて…。

原  そうしましょうか。「すべての事案」とか「すべてを」とかの文言は要らないような気がしたり、「臨床研究」も「臨床研究等」とかにしないといけないような気がします。で、「迅速審査って何やねん」ということを書かないといけないですし、「迅速審査を行って、後で全員に報告する」というのも書いた方がいいですね。

富田 実はこの案は、下の[臨床研究部規定]も合わせて1つの流れとして掴めるのですけどね、これを別々に作ろうという話になったので…、

北村 一番良いのは、臨床研究の内部の規定をちゃんと定めて、それに倫理委員会や臨床研究部についても合うようにすると、全部が分かりやすくなるのですね。ただ、「それは大事なので」ということだったと思います。

富田 いずれにしても倫理委員会規定だけでは流れが見えにくいので、ちょっと検討させてください。今日にだいたい流れは了解していただきましたので、そこの規定のあり方もちょっともう一回…、

原  臨床研究部の規定とリンクする必要は別にないと思いますけど。

勝村 P1のフローチャートをそのまま文章にすれば…。

北村 臨床研究部規定の変更案は科長会議に報告しているのですけど、ただ先っきの議論だと、これに「付議不要も倫理委員会に報告をする」という項目が絶対に要るのですよね。

原  それを条文に入れる必要があるのか、運用として求めておけばいいのかということでして、条文までは要らないような気がしますけど。手続きだけを書いておけばいいですね。

勝村 そうですね。議事録に残しておけば良いと…。

原  基本的に国の省庁のガイドラインに沿った流れを導入するという形になっておれば、いいんじゃないかなと思いますね。そうしましたら、このままでは走りませんので、追って、皆さんに改定案を送っていただくということでいきたいと思います。

位田 ちょっとすみません。「付議要不要」というのは、臨書研究部の中に置くのか、倫理審査委員会の中の話かということで、臨床研究指針の考え方は多分、責任は倫理審査委員会にあって、だから倫理審査委員会に報告が来るという話だと思うのですよ。臨床研究部の中に置いてしまうと、そこで倫理審査がされるという話になるので、ちょっと違うのではないかな。

勝村 この図で言えばそうですよね。「あらかじめ指名した者」にしかかかっておらず、指名したのは倫理委員会なんだから、臨床研究部の中にはこのことは書かない方が良いんだよね。

位田 そう、そう。だから、倫理委員会の中での「要る」「要らない」という話になるのではないかな。

北村 「臨床研究部の規定に書くのはおかしい」ということになるねぇ。

岩橋 たまたまその部にいる人に委嘱しているというか、指名したという形になるでしょうね。

位田 倫理審査委員会が決めた者が判断しているのだから、それは臨床研究部の責任ではなくて、事実上は一緒に動いているのだけど、責任は「付議要不要」から倫理審査委員会に入る。それまでの研究計画作成支援は臨床研究部で負う。

富田 どうしようかと思っていましたが、その方が分かりやすくなりますね。

原  そうですね。推進側の組織と審査する側の組織との位置付けは、やはり分けておく方が良いと思います。実務的には「そこは兼ねる」で結構だと思います。で、内部規定は病院で考えていただければ結構ですけど、倫理委員会の規定は改定案を協議していただいて、送ってください。ちょっと変則ですけども、皆さんがOKであればそれで施行され、走り出すということでいかがでしょうか。

どんどん時間が進んでしまって、もう「宗教的輸血拒否ガイドライン」の議論はできないですね。ガイドライン案を作っていただいているのですが、特にコメントで説明していただく…、

北村 急ぐものではありませんので、次回に持ち越しとしていただいて結構です。

原  「利益相半のガイドライン」は、今回の研究申請でも出てきましたけど、「企業等からお金を貰っているとか、株を持っているとか、そのような利害関係がある場合は、研究者は言うて下さい」という規定ですね。倫理委員についても同様の手順が要るというか、自主的に申し出ることが必要と思います。これも次回に持ち越しで結構でありますが、これを決めて、利益相半の審査をやっておかないと、今の時代の倫理審査としては不備となり、時代にそぐわなくなってきているので、なるべく早く作っておく方がいいかなと思います。細かい部分に関しては検討の余地とはあります。それと、新たな治験の案件が必ず倫理委員会を通るのだったら、利益相半の部分のチェックは倫理委員会単独でいいかなというご意見もございます。

北村 明確に「治験は倫理委員会で」と定められてはいません。独自に治験審査委員会を適応的に確立して動かしていて、当院での経緯があるので「必ず倫理委員会へ報告しよう」という形で運用する流れになっています。

原  [申請書が提出された事案全例]と書いていますけどね。

北村 そういう手続きを踏み続けることに異論があるわけではないのですが、制度的には倫理委員会なしでも完遂できるような仕組みにはしてあるということです。

原  「治験は治験だけでやるのだ」というやり方もあるので、そういう形でそれぞれに掛ければいいのです。

次の議事の「治験」の分は報告だけですか。

 

議事(3)「治験試験審査委員会」

北村 そうですね。新しい治験は始まっておらず、TYSABRIという海外で使われているものの最初の治験が終了して、継続投与という段階に移っているということが、新しい動きです。それ以外、特に変更はありません。

原  よろしいですか。積み残しが出てきましたけども、今回の倫理委員会はこれで終了したいと思います。次回の日程をお願いします。

丸山 高木委員の出席できる曜日は月・火ということで、各種の会議日を外しますと、提案させていただけるのは10月19日(火)か11月16日(火)になりますが、どうでしょうか。

北村 11月16日は病院と友の会の提起協議でダメです。

赤木 10月19日は医療安全講座があって僕や東先生は出席しますが、19時からは出られます。

東  医療安全講座は早く終わるのではないですか。

原  そっちの方がマシなんですか。では、10月19日火曜日18時半ということで、若干、遅れる方がいるかも知れませんがお願いいたします。どうもお疲れさまでした。


(入力者注)
※ 文章は全体を通して、話し言葉を書き言葉に改めたり、意味の通じにくい言葉を言い換えたり、同じ発言の繰り返しを省くなどの推敲を行い、かなり要約した形になっていますが、発言者の意図を正確に伝えることを最優先にしています。

 

 

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