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氏名 | 津島 久孝 | 役職 | 副院長・診療副部長・呼吸器内科科長・臨床研修部長 | |||||||||||
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| 学歴 | 京都大学 昭和51年卒 | 専門 | 呼吸器内科 | ||||||||||||
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氏名 | 中務 博信 | 役職 | 緩和ケア科科長 | |||||||||||
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| 学歴 | 久留米大学 平成5年卒 | 専門 | 呼吸器内科/緩和ケア | ||||||||||||
| 学会 資格 |
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氏名 | 長谷川 功 | 役職 | 呼吸器内科医長 | |||||||||||
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| 学歴 | 京都府立医科大学 平成10年卒 | 専門 | 呼吸器内科 | ||||||||||||
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当科は、総合内科、呼吸器外科と連携して、肺炎、気管支喘息、肺気腫、間質性肺炎、肺がんなど一般的な呼吸器疾患全般をカバーしています。肺がんに関して も治療の段階から、緩和ケアチームとの連携をとり、より良いケアを提供できるように心がけております。肺機能検査、胸部CT、胸腔穿刺等も実施していま す。2010年度は、気管支鏡検査は46件、睡眠時無呼吸症候群については簡易検査90件、精密PSG68件を実施しています。またアスベスト健診や その後の経過観察にも積極的にとりくんでいます。呼吸器内科グループでカンファレンスを行い、診断・治療を検討していますので、咳、痰、息切れ、呼吸苦等 の症状や胸部レントゲンにて異常影を認める方等、ご紹介いただければと思います。
人間は人生のうち1/3は眠って過ごすと言われています。睡眠は重要な生理的現象であり生命活動を行う上で不可欠なもので、睡眠が十分に摂れないと身体的 不調や精神疲労がたまり、日中に強い眠気や不注意が起こりやすく、業務上の失敗や事故につながる可能性があるのは周知の事実です。睡眠時無呼吸症候群 (SAS)は睡眠障害の1つであり、1970年代より知られていましたが本邦では2003年の新幹線運転士の居眠り騒動から世間に知れ渡る様になりまし た。現在日本には人口の約1.7%、約200万人の患者がいると推定されます(気管支喘息の罹患(りかん)率とほぼ同等)。男女比は9:1の割合で男性に 多いですが、女性の場合閉経後増加すると言われています。今回は睡眠時無呼吸症候群の中で頻度の高い閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)をとりあげま す。

入眠中の強いいびき、起床時の頭痛、熟睡感の乏しさなどがあり、日中の強い眠気など感じる方がおられます。これは呼吸停止に伴う低酸素により中途覚 醒(脳波上は非常に浅い眠りとなる)する事を繰り返すことによって良好な睡眠が得られず、日中に強い眠気を感じます。他に性格の変化、インポテンツなどき たす場合もあると考えられています。入眠中のいびき、無呼吸は自身では認識できない場合が多く、ご家族より入眠中の強いいびきと無呼吸を指摘されて心配に なって受診される方がほとんどです。
閉塞性無呼吸症候群の場合は肥満の方に多いのですが、下顎(あご)の小さめの方の場合、肥満でなくても疾患を持っている場合があります。また扁桃 (へんとう)肥大、鼻中隔湾曲などある場合も起こり得ます。他に増悪因子(疾患のある方がさらにひどくなる原因)としてアルコール摂取、喫煙や睡眠剤の使 用などがあります。
単にいびきをかくとか仕事中にどうしようもなく眠くなってしまうとかだけならまだしも、生活上に様々な影響を与えます。仕事や学業の能率低下や事故 の発生率が高くなり、統計では重症の無呼吸症候群の方の居眠り運転や交通事故発生率は正常群に比べて約2倍から7倍と言われています。その他には命にかか わる心臓血管系の病気(心筋梗塞、狭心症、脳卒中)のリスクが潜んでおり、睡眠時無呼吸症候群患者の約4割~6割程度に高血圧、高脂血症、耐糖能異常がみ られると言われています。これは入眠中の呼吸停止で低酸素に陥る事により脳波上では眠りが非常に浅くなりアドレナリン分泌が増え、急な血圧の上昇がみられ るためと言われます。特に早朝の血圧が高い方や血圧の薬を内服しているのに血圧のコントロールが悪い方に無呼吸症候群が存在する可能性があります。無呼吸 から直接窒息、といったことは非常にまれですが、この急激な血圧の変化が心血管系に負担を与え、上記の様な心筋梗塞、脳卒中、不整脈を発症させやすくな り、これが直接の死因につながると考えられます。米国の調査では重症の睡眠時無呼吸症候群を放置しておくと9年後には10人中4人の方が心臓病、脳卒中、 交通事故で亡くなっているというデータもあります。
この様に無呼吸症候群は、生活の質を低下させるだけでなく、重症度によっては生命にかかわる疾患です。早目の診断と必要な治療を早期に受ける事によりコントロール可能な疾患であることを理解していただく事が必要です。

診断に関しては、まず自宅でも実施可能な簡易検査を実施します。簡易検査で入眠中の血中酸素の濃度や呼吸に伴う空気の流れなどを検査します。その結 果より必要に応じ精密な検査(脳波や心電図、顔面の筋肉の動きのセンサーなどの簡易検査では実施できない項目も含めた検査)を一泊入院して行います。
検査そのものは痛みを伴うものではなく、夜間から翌朝起床時までの検査ですのでお仕事をされている方も仕事に支障なく実施できます。
検査での様々な項目を評価するのですが無呼吸症候群の重症度判定は以下の項目よりだされます。
無呼吸(apnea)=口、鼻の気流が10秒以上停止する事 低
呼吸(hypopea)=換気量が10秒以上50%低下する事 無呼吸・低呼吸指数(AHI=apnea-hypopnea-index)=1時間あたりの上記無呼吸・低呼吸を併せたもの─この指数により下記の基準にて診断します。
AHI 5.15:軽症
AHI 15.30:中等症
AHI 30以上:重症
さて、重症度による治療法についてですが、先述したAHI20以上で日中の眠気などの症状があるとき、またはAHI40以上の重症の診断がついた場 合は、まず第一選択はCPAPという器械を睡眠時に装着します。これは鼻からマスクを通して空気圧をかけ、喉の閉塞を予防する器械で現在は保険適用があ り、まずはお勧めする治療です。
CPAPは鼻閉の強い方の場合は使用しづらく、耳鼻科での対応がまず必要な場合があります。
軽症~中等症(日中の症状がない方)の例には口腔内装具も試みる事があります。口腔内装具はマウスピースの様なもので歯科で作成され、これも特に身体に与える副作用はありませんが、鼻閉や顎(あご)の違和感などで使用継続が困難な例もあります。
以上の様に睡眠時無呼吸症候群は基本的に確立された治療法はありますが、体重オーバーの場合は減量が必要であり、睡眠前の飲酒や喫煙などの悪化させる因子をいかに避けていくか、といったことも重要です。
いびきがきつい、と言われたり、日中の眠気が強い、起床時の頭痛などがあるという方は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。まずは受診をして簡易検査をうけられて診断を受けていただく様にお勧め致します。
